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1.部屋

Penulis: RU
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-30 14:28:39

 鷹取は、爆弾処理のエキスパートとして、長く務めてきた。

 バディの真鍋美津留まなべみつると二人、解除してきた爆弾の数は、同じチームに属する他の者たちの追随を許さず、常にトップの成績を誇ってきたのだ。

 だが、ドクターから聞かされた話は、トップエージェントとして活躍してきた鷹取にとって、死亡宣告に等しいものだった。

 手足に負った傷は、完治する。

 治療の間に、体力や筋力が落ちはするが、それはリハビリで取り戻せる。

 だが、視力だけは、もう二度と取り戻せない。

 その事実が、彼の胸に深く重くのしかかった。

 暗闇に包まれたまま、自分の身体がかつてのように動かないことを思い知らされる日々が始まったのだ。

 それでも、彼の心は、諦めきれずに叫んでいた。

──まだ、終わっていない……と。

 退院の許可が降りたとき、そんな気持ちをつのらせていた鷹取に、

「静かに療養出来る場所を知っている」

 と言って、真鍋がその身を引き受けてくれた。

 場所は……よくわからない。

 視力が奪われ、絶望に打ちひしがれている鷹取には、方向も、時間も、距離感すらあやふやだったからだ。

 そして、その部屋で、鷹取は毎朝〝絶望〟の目覚めを繰り返していた。

§

 その〝部屋〟は、本当に静かだった。

 部屋を訪れる真鍋の動く音以外、これといった音を感じない。

 耳を澄ませば、換気のための空気の流れる音がかすかに聞こえるが、それ以外はまるで閉ざされた世界のようだった。

「おはよう、マサ。今日の調子はどうだ?」

 優しく尋ねる声に、鷹取は無機質な声で答えた。

「……生きている……だけだ」

 微かな気配の後、真鍋が彼の身の回りを世話し始める。

 ベッドから導き、安全に椅子に座らせる。

 どこに何があるか、皿の上の朝食の詳細まで手取り足取り教えるのだ。

 だが、それが鷹取の苛立ちに火をつけた。

「やめろ! 子どもじゃあるまいし!」

 声を荒げて叫ぶ。

 視界を失い、無力になった自分を思い知らされる日々の中で、唯一残された誇りが、引き裂かれるようだった。

「怒るな。この生活に少しでも慣れなきゃ……」

 真鍋が、穏やかに。

 しかし揺るぎない声で言った。

「うるさい! 放っておいてくれ!」

 それが、八つ当たりであることは、苛立ちを爆発させた鷹取自身が一番良く分かっている。

 それでも、なにもかもを叩き壊してしまいたい衝動が、止められなかった。

 掴んだトレーの端を持ち上げ、床に叩きつける。

 皿が割れる鋭い音と、スープの飛び散るぬめった感触が、鷹取の耳と手に伝わった。

 自分の所在が、どこにあるのかも分からない。

 真鍋が、どんな表情をしているのかも分からない。

 癇癪を起こした子供のようで、自分があまりに無様だった。

 真鍋の動く気配がする。

 床に散った食器を片付けている──音。

「……すまん」

 謝罪を口にはしたものの、その声音には未だ苛立ちの色が濃い。

 散った食べ物の匂いに混じって、血の匂いがしたような気がした。

 だが、それが気の所為なのか、自分の所業で真鍋に手傷を負わせたのかすら、わからない。

 見えない恐怖が、心の奥にじわりと広がった。

「大丈夫。すぐに片付けるよ」

 真鍋の声は変わらなかった。

 静かで、優しく、淡々としている。

 その態度が、かえって不気味に思えた。

「なあ……ミツル……」

 自分でも気づかないほど小さな声が漏れた。

「お前は……いつまで、ここにいるつもりなんだ?」

 真鍋は、一拍の間を置いて答えた。

「君が必要としなくなるまで」

「……必要なんて、してない」

 咄嗟に言い返したが、それが虚しい言葉だと自分で分かっている。

 ふっと、真鍋の手が鷹取の肩に触れた。

「今は、少し気持ちが昂っているだけだ。さあ、こっちで少し落ち着こうか」

 真鍋は、鷹取の汚れた手を拭うと、テーブルから離れたベッドへといざなう。

「ありがとう……真鍋」

 無意識に、口から漏れた言葉に、自分で眉をひそめる。

──なんの礼だ? たかがベッドに導かれたぐらいで……。

 だが、導かれなければその距離を動けない自分がいる。

「いいんだよ。マサが……そういう気持ちになるのは、当然だ」

 散らかった食器を重ねる音や、床を清める音が聞こえたのち。

「食器を置いてきて、ついでに代わりの朝食を用意するよ」

「いらんと言ってる! 俺に構うな!」

 吐き捨てるように叫んだ声に、応えはなく。

 ただ、扉が閉じる音がしただけだ。

§

 真鍋が部屋から出ていき、室内には静寂が戻った。

──そういえば、ミツル以外のやつが来たことがないな……。

 静まり返った部屋の中で、鷹取はふと考えた。

 この〝部屋〟に来て以来、別の誰かが部屋を訪れた記憶が無い。

 視力以外の体の傷は回復したため、退院許可が出たが。

 ドクターは、その後リハビリをするように言っていた。

 トレーナーのような者も訪れた記憶がない。

──いや……、リハビリを拒絶したのも、俺自身……か。

 静寂が、耳に痛いほどだ。

 この〝部屋〟は、壁から向こうの気配を、驚くほどに遮断している。

 外界の音が、全く聞こえない。

 視界が奪われてしまった分、今の鷹取は聴覚や嗅覚が以前よりも研ぎ澄まされている。

 その感覚に、真鍋以外の存在を、全く感じない。

 見舞いが来ないのは、自分の怪我の所為……だと思う。

 二目と見られぬ顔になっているのは、見えない自分でも触れればなんとなく想像がつく。

 ある意味、その所為で見舞いが来ないことは、自分の価値が地に落ちたような気持ちになり、鷹取の絶望感をより際立たせていた。

 だが、この異常なまでの静けさはどうだ。

 聞こえるのは、規則正しい自分の呼吸音と、時折聞こえる真鍋の微かな動きの音だけ。

 彼がいない時は、まるで宇宙空間に放り出されたかのようだ。

 ことりと音がして、真鍋が部屋に戻ってきた。

 扉の開閉音の他に、そういえば小さな金属音がした気がする。

──ロックを……したのか?

 あの小さな音が施錠音だとしたら、一体、なんのために?

「ミツル」

「なんだ?」

「きみは此処を、静かに療養出来る場所と言ったな。一体、どこなんだ?」

 問いかけに、すぐに応えは返されなかった。

 ごく短い、だが鷹取にとっては永遠にも感じられるような沈黙。

 目が見えない分、真鍋の表情を読み取ることはできない。

 その沈黙が何を意味するのか、鷹取には全くわからなかった。

「……安全な場所だよ」

「それじゃあ、答えになってない!」

「きみの身に危険が及ばない、安全に静養が出来る場所だ。それ以上、なんの説明が必要なんだい?」

 穏やかな声で語られているが。

 鷹取は、なにか底しれないものを感じてゾッとした。

 その言葉は、まるで自分を隔離しているかのようではないか。

 それまで、自分の経歴が断絶された絶望によって麻痺していた感覚が、一気に〝恐怖と疑念〟に置き換わっていく。

「真鍋……一体何を考えているんだ?」

 鷹取の声は、震えていた。

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  • 漆黒の繭   4.打破

     その晩、鷹取は夢を見た。 真鍋と二人、任務に取り組んだ過去の日々。「僕はね、マサ。死ぬのは怖くないんだ」 それは、いつの記憶だろうか? 確かに、真鍋の口から聞いた言葉だ。──そういや、アイツ。実家の話を全然しなかったな……。 なにかの折りに、耳にした噂。 再婚した母親は、真鍋を邪魔に扱っていたと聞いた。 早いうちに親をなくした自分からしたら、親のある家庭は羨ましく思えたものだが。 その唯一の存在から邪険に扱われるのは、自分の境遇よりもずっとつらかろうと……思ったことがあった気がする。 死を恐れない、真鍋。──むしろ、死を望んでいたのか……? 突然、記憶がぐにゃりと歪む。 炎の中を、真鍋が走っている。 負傷した鷹取を抱え、全力で……。 目が、頭が、全身が痛む。 焼け付く空気に呼吸も出来ず、手足は痺れ、真鍋の体にしがみつくことすら出来ない。──そうか……、すがりついてるのは、ミツルの方だ……。 ふと、そんな言葉が脳裏をよぎった。 必死になって、自分の体を抱いて走る真鍋は、鷹取の生命を繋ぐ事だけを求めて、走っている。 途端に、気持ちがひどく軽くなった。§ ハッと目を覚ますと、そこは医療室の中だった。 視界に広がる、光、景色。 耳に聞こえる、人々のざわめき。 はじめはぼんやりしていたが、鷹取はすぐにもその状況に驚いて周囲を見回す。「……ここは……?」 戸惑いの声が漏れた。 見慣れた部屋、見慣れた機器、見慣れた……いつも酔っ払っている軍医の白衣姿。 軍医の隣に立っている、真鍋。「いやだぁ!」 瞬間、鷹取は悲鳴にならない悲鳴を上げ、ベッドの上から逃げ出そうとした。「おいっ! 動いては駄目だ」「落ち着きなさいっ!」「やめろっ! 離せっ!」 取り巻くなにかのチューブ。 腕に刺さった点滴。 思うように動かない手足。 それらに阻害されている間に、ベッドに取り付いた真鍋によって抑え込まえる。「離せっ! 離せっ!」「ドクター!」「抑えろ! おいっ! 手を貸せっ!」 軍医が部屋の外に向かって叫ぶと、バラバラと足音が聞こえ、鷹取の体を抑える手が増えた。「鎮静剤を打つ、腕を!」「いやだっ、離せっ!」 必死になって暴れても、数人がかりで抑え込まれては成すすべもない。 剥き出しになった二の腕に、注射の針が

  • 漆黒の繭   3.希望

     ベッドに戻された鷹取は、放心していた。 脱力感と倦怠感で、指一本動かすのも億劫に感じている。 一方で、思考は忙しなく動き続けていた。 ここに留まるのは、危険だ……と。 まるで昏い夢の中に閉じ込められているようだ。 目を閉じていても、開いていても、闇が広がっている。「着替えたものを洗濯室に持っていく」 言いおいて、真鍋は部屋を出ていった。 遠ざかる足音。 しかし、鷹取は微妙な違和感を感じていた。──なんだ?──出入りの時にいちいち用事を断っていくのは、いつものことじゃないか。 しばらく考えて、鷹取はハッとした。 扉の開閉音しか、聞こえなかった……ような気がする。 感じていた脱力感も倦怠感も振り捨てて、鷹取はベッドの上に起き上がった。 希望というにはあまりに脆く、恐怖と隣り合わせの感情が、血を逆流させる。──いまなら、出られるかもしれない。 震える脚を下ろし、手探りで床をなぞる。 裸足のつま先に、冷たい床の感触。 手を伸ばし、壁を探り、鷹取はようやくベッドから降り立った。 距離は……八歩。 それは、真鍋がベッドから離れて扉を開閉させる時、いつも数えていた数字だ。 一歩ごとに、手を前に出し、壁を伝いながら進む。 やがて指先が角に当たった。 真鍋の八歩が、今の自分にはシルクロードより長く思えた。 角からさらに手探りで、扉を探す。 枠に触れた指先をてのひらとして広げ、ドアノブを掴む。──開いた! 思った瞬間、 不意に、胸が高鳴った。──逃げられる!──だが、どこに? 微かな恐怖に、足がすくむ。 それでも、鷹取はすぐに気を取り直した。 数々の訓練に耐え、鍛え上げられた軍人魂は、未だ鷹取の中に残っていた。 耳に聞こえるほど鼓動が鳴り響き、全身にじっとりと汗をかきながら。 一歩、鷹取は扉の外へと踏み出した。 裸足の足裏に触れる、感触が変わる。 瞬間、それまで鷹取を取り巻いていた恐怖が消え、たまらない開放感が訪れた。 真鍋の、底の見えない善意から。 閉塞感に息もできないあの〝部屋〟から。 自分は抜け出したのだ! 思わず走り出した鷹取は、足がもつれて倒れた。 全身を打つ、衝撃。 だが、その痛みすらが、自由への代償に思われた。 起き上がるために、肘を付き、体を起こし、立ち上がるための力点を探して

  • 漆黒の繭   2.清拭

    「全部、食べられたようだな。少しは、回復してきてるようで、嬉しいよ」 食事のトレーを持って、真鍋が立ち上がる音がする。 鷹取は黙って、うなだれていた。 どれほどの拒絶や、抗いをみせても、真鍋はその優しいスタンスを変えない。 そして、外に出たいと申し出ても、やんわりと断られる。「真鍋。俺は外の空気が吸いたい。此処に来てから一度も、窓を開けたこともないだろう?」「……マサ。……今のきみは療養中で、光や雑音は良くないよ」「退院許可が降りて、もう医者にも掛かってない。リハビリもしてないじゃないか! なにが療養だっ!」 数秒の沈黙。「余計なことを考えちゃ駄目だ」 優しい声音だが、いつになく低い声だったように感じた。「食器を片付けてくる」 真鍋が、部屋を出ていく音がする。 鷹取は耳をそばだてた。 扉の開閉音のあとに、やはり施錠の音がする。──やはり真鍋は、自分をこの〝部屋〟に閉じ込めている。 鷹取は確信した。 呼吸が浅くなり、喉が渇いた。 肩が震え、吐き気すら覚えた。 心が、闇に溶けていくようだった。§「マサ、清拭をするよ。ちょっと体に触れるからな」 扉の開閉と、施錠の音。 続いて、キャスターのついた〝なにか〟が近付いてくる音と、微かに水音もする。「いやだと言ってもするんだろう? 勝手にやれ」 投げやりに、鷹取は答えた。 真鍋の手が背中を支えるように差し込まれ、体を起こされる。 そこに、シーツとは違うなにかを敷いているらしい音が続き、そして鷹取の着衣を脱がせ始める。 空調は適温に調整されているが、服を脱がされた時に肌寒さを感じた。 こぽこぽと響く水音。 ちゃぷちゃぷとタオルをすすぐ音。 そして、鷹取の肌に固く絞った、体温より少し熱いタオルが触れる。 すうっと、肌を撫でられると、それでも少し気分が良かった。 腕を持ち上げられたところで、なんとなく応じてその姿勢を保つ。「協力してくれるんだ。ありがたいな」「汗ばんでいたから、都合がいいだけだ」 言い張るように言ってしまって、少し子供じみた言い回しだったか? と思ったが。 何度かすすいで温められたタオルが触れる場所が、胸から腹、そして下腹部へと至る辺りで、鷹取は強張った。「おい……っ!」「ははは、なんだよ? シャワールームで互いの裸も見慣れているじゃないか

  • 漆黒の繭   1.部屋

     鷹取は、爆弾処理のエキスパートとして、長く務めてきた。 バディの真鍋美津留と二人、解除してきた爆弾の数は、同じチームに属する他の者たちの追随を許さず、常にトップの成績を誇ってきたのだ。 だが、ドクターから聞かされた話は、トップエージェントとして活躍してきた鷹取にとって、死亡宣告に等しいものだった。 手足に負った傷は、完治する。 治療の間に、体力や筋力が落ちはするが、それはリハビリで取り戻せる。 だが、視力だけは、もう二度と取り戻せない。 その事実が、彼の胸に深く重くのしかかった。 暗闇に包まれたまま、自分の身体がかつてのように動かないことを思い知らされる日々が始まったのだ。 それでも、彼の心は、諦めきれずに叫んでいた。──まだ、終わっていない……と。 退院の許可が降りたとき、そんな気持ちをつのらせていた鷹取に、「静かに療養出来る場所を知っている」 と言って、真鍋がその身を引き受けてくれた。 場所は……よくわからない。 視力が奪われ、絶望に打ちひしがれている鷹取には、方向も、時間も、距離感すらあやふやだったからだ。 そして、その部屋で、鷹取は毎朝〝絶望〟の目覚めを繰り返していた。§ その〝部屋〟は、本当に静かだった。 部屋を訪れる真鍋の動く音以外、これといった音を感じない。 耳を澄ませば、換気のための空気の流れる音がかすかに聞こえるが、それ以外はまるで閉ざされた世界のようだった。「おはよう、マサ。今日の調子はどうだ?」 優しく尋ねる声に、鷹取は無機質な声で答えた。「……生きている……だけだ」 微かな気配の後、真鍋が彼の身の回りを世話し始める。 ベッドから導き、安全に椅子に座らせる。 どこに何があるか、皿の上の朝食の詳細まで手取り足取り教えるのだ。 だが、それが鷹取の苛立ちに火をつけた。「やめろ! 子どもじゃあるまいし!」 声を荒げて叫ぶ。 視界を失い、無力になった自分を思い知らされる日々の中で、唯一残された誇りが、引き裂かれるようだった。「怒るな。この生活に少しでも慣れなきゃ……」 真鍋が、穏やかに。 しかし揺るぎない声で言った。「うるさい! 放っておいてくれ!」 それが、八つ当たりであることは、苛立ちを爆発させた鷹取自身が一番良く分かっている。 それでも、なにもかもを叩き壊し

  • 漆黒の繭   プロローグ

     意識を取り戻したとき、鷹取雅史は、自分がどこにいるのか分からなかった。 耳に聞こえる、規則的なモーターの音。 鼻孔に香る、清潔な消毒薬の香り。 だが、それらを確かめるために目を開いているはずなのに──。──なにも……見えない? 慌てふためき、焦りながら自身の顔に触れて、そこに包帯があることに気づく。 鷹取は、必死に記憶を手繰った。──そうだ、爆発の煽りを受けた……。 鷹取は、爆発物処理班に席を置く、エキスパートだ。 急報を受けて現場に赴き、タイマー型の爆発物の処理を行った。 だが、それは一つの爆弾の作動を止めると、連携している別の爆弾が爆発する特殊な仕様をしていた。 気づかず、処理を行ったために、起爆装置が解除された瞬間、建物内の別の場所で爆発が起きたのだ。 響く爆音。 咄嗟に腕を上げて頭を──顔をかばったように思うが……。「痛みはあるかい?」 声を掛けられ、そちらを向いた。 が、視界は真っ暗なままだ。「真鍋?」「そうだ、僕だ。痛みは?」 相棒の声に、どこかほっとした。 暗闇の中で、唯一の繋がりがそこにあるようで、心が少しだけ軽くなった。「……そう……だな、頭が痛むし……、背中も痛い……」「そうか。耐えられないほどなら、緒形先生に言って、痛み止めを増やすように頼むが……?」「いや……、我慢できないほどじゃないな。それより、目が見えない。どうなってる?」「包帯をしているからだろう。ちょっと待っていてくれ。君の意識が戻ったと、緒形先生に伝えてくる」 真鍋が離れていく気配に、鷹取は一抹の不安のようなものを感じた。

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