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第366話

Author: 一匹の金魚
萌寧はこの言葉を聞いて目を大きく見開き、信じられないというような表情を浮かべた。

「私が謝るんですか?」萌寧は机を叩きそうになりながら歯を食いしばった。「私は何も間違ったことはしていません。なぜ謝る必要があるんですか?」

富子は落ち着いた目で萌寧を一瞥し、怒っていないのにただならぬ威厳を漂わせて言った。「じゃあ、礼央があなたのために作ってくれた会社は、高瀬家の財産として没収するわ」

萌寧の心が、ドクンと大きく沈んだ。

エレトンテックは自分にとっての最後の砦だ。かなりの資金もすでに投入している。

こんな時に簡単に没収されてたまるものか。すべてが無駄になってしまう。

萌寧は拳を握りしめた。「富子お祖母様、仕事の話とプライベートの話は全くの別物です」

「あなたが陰でコソコソ何をしているのか、私が知らないとでも思っているの?」富子は萌寧をじっと見つめた。「今こうして話し合おうとしているのは昔の情けによるものよ。あなたには心を改めて欲しいの」

「あなたが犯した過ちについては、真衣に対してしっかりと謝罪すべきよ」

萌寧はこの瞬間、胸が詰まるような感覚に襲われた。

自分は何も間違っていないと思っていた。

萌寧は冷たい視線で真衣を一瞥した。

真衣はなかなかのやり手ね。

離婚した今でも、富子お祖母様を呼びつけて自分の顔を潰しに来させるとは。

「寺原さん、私が間違っていると思う?」萌寧は真衣を見つめながら問いかけた。

萌寧の言葉が終わらないうちに。

個室のドアが開かれた。

礼央は全身黒の服に身を包み、どこか冷ややかな雰囲気をまとっている。金縁のメガネをかけており、どうやら会社から直接来たようだ。

真衣が視線を向けると、薄く光るレンズと漆黒の瞳だけが見えた。

礼央の視線は真衣をかすめ、そして富子に向かった。「富子おばあちゃん、こんな夜遅くにここで何をしているの?」

「礼央」萌寧は、まるで救世主を見たかのように、すぐに席から立ち上がった。

「富子お祖母様と寺原さんが私たちの関係を不純だと思っているみたいで、今こうやって呼び出されて問い詰められているの。どう説明しても信じてくれないの。富子お祖母様は私に寺原さんに謝れって言うけど、私のどこに非があるのか、本当にわからないの」

「何もやましいことなんてしてないのに、身内にこんな誤解をされるなんて、他人
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Comments (1)
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まかろん
萌寧の思い込みでストーリー展開していくのは、きつい 真実のストーリーが表に出てくることあるのかな?
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