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第90話

Auteur: 一匹の金魚
萌寧のこの言葉には、実に意味深なものがある。

夫婦の関係を気遣うような口ぶりだが、そもそも、自分と礼央は名ばかりの夫婦じゃないか?

真衣はかつて、礼央のことを少しだけ感心していた。彼はかつて、翔太は亡くなった友人・野村尚希(のむら なおき)の子で、自分はその友人に代わって責任を果たすつもりだと言っていた。

礼央と尚希が幼い頃からの親友で、生死を共にするほどの間柄だということも、真衣は知っていた。

尚希が孤児だった。そのため、ひとりぼっちの翔太を放っておけなかった。だからこそ、真衣も翔太に特別な思いを抱き、わが子のように大切にしてきた。だがその翔太が、実は萌寧の子どもだったと知ったとき、真衣は礼央と激しく衝突した。

礼央・萌寧・尚希の三人は、北城では有名な仲良し三人組。まるで兄弟のような絆で結ばれた間柄だった。

礼央は言った。翔太は尚希と萌寧の間に生まれた子だと。

真衣はその言葉を、何の疑いもなく信じてしまった。

けれど今となっては、愚かだったとしか思えない。翔太は間違いなく、礼央と萌寧の実の子だ。なのに、礼央はそれを隠し、真衣に五年ものあいだ、平然と育てさせた。

そう
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