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第117話

Author: 清水雪代
しばらく沈黙した後、悠人は低い声で言った。「明日は外せない用事がある。だから今夜は付き添えないが、専用の看護師を手配しておいた。君の容態は詳しく伝えてあるから、しっかり面倒を見てくれるはずだ。医療費と看護費用は、全て俺が負担する」

そう言うと、悠人は身を翻して去ろうとした。

しかし、千夏がそう簡単に行かせるはずがない。ベッドから身を起こそうとしながら叫んだ。「悠人くん!私、あなたを庇ったから、こんなひどい怪我しちゃったのよ!ねぇ、本当にこのまま私を置いていくのね?看護師さんなんて呼んでこなくていい。悠人くんさえいてくれれば、それで十分なのに……」

美しい瞳に涙が溜まり、今にも零れ落ちそうだ。

千夏の悲痛な訴えに、悠人は足を止めた。そして、ゆっくりと振り返る。その目は静かで、まるで波一つない湖面のようだった。何の感情も読み取ることはできない。

ただ黙って、千夏を見つめている。

その時、千夏は何かを思いついたように慌てて言った。「そうですわ、悠人くん!私、あなたの命の恩人ですよ?もちろん恩返し、してくれますよね?」

潤んだ大きな瞳が、期待を込めて悠人を見つめる。

悠人は、恩
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