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第58話

Author: 清水雪代
祐介は枕をよけ、なおも説教を続けようとした。

その時、悠人が病室に戻ってきた。

彼は祐介を見るなり、目つきが鋭くなる。「何しに来た?まだ殴られ足りないのか?」

智美は悠人の姿を見ると、たちまち安心したように言った。「悠人さん、このクズを追い出して。顔も見たくない」

この頼みに彼は喜んで引き受けた。悠人は祐介の胸ぐらをつかみ、そのまま外へ放り出そうとした。

祐介は怒りの目を向けた。「俺と智美のことに、お前が口を出すな。余計なお世話だ!」

悠人は冷たく笑った。「見て分からないのか?智美さんはお前を嫌っている。これ以上彼女を傷つけるな。自分のことでも処理してろ」

祐介が言い返そうとした瞬間、悠人は彼を部屋の外に放り出し、個室のドアをバタンと閉めた。

祐介は怒りに震え、今にもドアを叩き壊しそうだった。

彼は智美と悠人を二人きりにはさせたくない。

そこへ、アシスタントから電話が入った。「社長、大変です。会社でトラブルが」

報告を聞いた瞬間、胸に嫌な予感が走った。

智美や千尋のことを構っている暇はなく、急いで会社へ向かった。

病室では悠人が智美の疲れた様子に気づき、水を一杯渡して飲ませてから、そっとベッドへ寝かせた。

「疲れたなら、少し休め。ほかのことは全部俺がやる。君は心配しなくていい」

その優しい言葉に、智美の胸はじんわり温かくなった。

祐介は「やり直そう」と言いながらいつも傷つけてきた。

千尋と同時に危険な目にあったときも、彼は智美を殴ってまで千尋を守り、そのまま置き去りにした。

怪我でまだ動けないのに、彼が来た目的は見舞いではなく、千尋に謝らせるための説得だった。

一方、悠人はただの友人でありながら、何よりも彼女の体を気遣い、心を守ろうとしてくれる。

その違いが、祐介という男の薄っぺらさをより鮮明にした。

もし祐介と復縁なんかするなら、それこそ本当に頭がおかしい。

眠れない様子を見て、悠人は静かに物語を語り始めた。

低く心地よい声に耳を傾けているうちに、智美はゆっくりと眠りに落ちた。

彼はそっと毛布をかけ直し、立ち上がって部屋を出ると和也に電話をかけた。

「兄さん、渡辺家と佐藤家の黒い証拠を握ってる。奴らに少しちょっかいをかけてくれ。株価を下げるくらいでいい」

電話越しに和也がからかった。「昨日は渡辺のプロジェクト二件
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