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第75話

Auteur: ザクロ姫
「だから、私じゃないって言ってるでしょ!」

杏奈がどんなに弁解しても、両親は彼女が人の彼氏を寝取ったと信じきっていた。

杏奈は、自分がまだ久保家の娘だと思われていた、あの18年間をふと思い出した。

あの頃は、両親もまだ優しかった。

でも、真奈美が戻ってきてから全てが変わった。両親は自分に注いだ愛情を、真奈美への罪悪感の裏返しのように扱うようになったのだ。だからここ数年、自分への当たりはどんどんキツくなっていった。

しまいには、自分の人格まで否定するようになった。

杏奈はもう疲れた。一番身近な家族でさえ変わってしまうのなら、この家に寄せる想いはまったくなくなったのだ。

彼女は冷たく目を伏せ、感情を押し殺した声で言った。「信じてくれないなら、もう縁を切ろう。私は今日限りで、久保家の人間ではなくなればいいでしょ」

椿は鼻で笑った。「杏奈、あなたは真奈美の人生を18年も独り占めしたのよ。真奈美が帰ってきた時から、あなたはもう久保家の人間なんかじゃないわ。

でも、その18年間に私たちがかけたお金と労力は全部返してもらうから。真奈美にも償いをしてもらわないと、この家からと縁を切る
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