Share

【最終章・第8話】王城にて

last update publish date: 2026-04-29 14:53:12

 先程まではデート中だった二人だが、アリスター・クラウ・シルト王太子殿下からの招待により、レオノーラとカラミタは急遽王城に出向く事となった。

「早く帰りたいし、もう転移魔法でパッと行こうか。レラの魔力借りるね」

 いつ何時であろうともレオノーラといちゃこらしていたいカラミタがそう提案したが、レオノーラは即座に「待って!」と返した。

「転移魔法でパッと移動しちゃったら、さっきの人達がまだ何処にも到着してないよね?聖獣の事が周知される前に、この子らと一緒に登城したらビックリさせちゃうんじゃないかな」

 本心としては、『またごっそり魔力を持っていかれたら、その後が大変だ!』とレオノーラは思っている。だが言葉にするつもりは無い様だ。

「……そっか。確かにそうだよね」

 建前の言葉に納得したカラミタが一度頷き、「じゃあ、まずはさっきの続きを——」とレオノーラの頬に優しく触れる。同時に、とろんと瞳が蕩けだしたが、「そこまでの時間は無いと思うし、そもそも、此処は外だよ⁉︎」と慌てながら少し大きめの声でレオノーラがカラミタの行動を止めた。

 彼は少しだけ拗ねた様な顔になり、「半分冗談だよ」と言って作
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終話】二度目の初夜

     教会での挙式、続いてベランダでの民衆達へのささやかな披露を終えたカラミタとレオノーラは、王城内に用意された客室で一息つく事になった。 これ程までに大々的な挙式だったのだ。本来ならばこの後は披露宴会場に向かう流れなのだろうが、二人は参加しない。開催地が樹界内である事を理由に『魔族』側からの参列者はおらず、世界樹の麓にて引きこもり状態にあるレオノーラには友人・知人なんて者はそもそもいないからだ。街に三年間住んでいた流れでカラミタには知人程度なら複数いるが、そもそも彼はレオノーラから離れるつもりが微塵も無いから、『一人だけでも出席する』という選択肢を選ぶはずがなかった。主役二人が不在の披露宴というのもおかしな話だが、『社交の場』として考えれば開催する意味は十分あるし、代理としてセリンやテオドール達四人が出席しているので問題はないのだろう。 うっすらと日が沈み始めた窓の向こう側から、街中で開催されている宴の音が聞こえてくる。今日は国からお酒が無料で振る舞われるとかで、飲めや歌えやのお祭り騒ぎといった雰囲気だ。「……楽しそうだね」 窓の傍に立つレオノーラが嬉しそうな表情を浮かべながら言った。そんな彼女の後ろにカラミタが立つと、「そうだね」と返しつつ、レオノーラをぎゅっと背後から抱き締めた。途端に彼の尻尾が嬉しそうに床を叩く音が聞こえる。ゴリッと背後に硬いモノまで当たり始め、その気の早さのせいでレオノーラが反応に困った。「カ、カラ?……えっと、その、まだ夜では、ないと思うんだけど」 そうは言うも、レオノーラの今の姿はもう、すっかり初夜仕様のものである。ドレスのままでは休めないからと、隅々まで王族直属の優秀な侍女達に磨き上げられ、『ウェディングドレスは無理だったけど、コレは譲れないわ!』と宣言したキエラが用意した上質な夜着を着ている。上品なデザインではあるものの、使用している生地が薄手なもののせいでほぼほぼ体のラインが透けて見えてしまっているのだから、カラミタが既に暴走モードに突入してしまっていても、誰も彼を責める事は出来ないだろう。「こんなに分厚いんだ、カーテンを閉めちゃえば夜みたいなもんだよ。こっちから呼ばない限りは、この先一週間は誰も室内には入って来ない様

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第14話】癒しを大陸全てに(レオノーラ・談)

     挙式を終えた私達は王城内にあるバルコニーに案内された。 そこは街を一望出来る位置にあり、大衆に対して演説や何らかの披露をする時などに王族達が利用する箇所である。教会といい此処といい、『二度もそんな場所を、平民でしかない私が恐れ多い!』と思うけど、カラミタの正式な妻となった(書類上ではもう二ヶ月も前からそうなのだけど)事で私もそれなりの立場にあるっぽいので、「そんなに気にするな」とアリスター王太子殿下に言われても、無理だった。 私達はこれといって演説やら挨拶をするでもなく、ただ大衆の前に姿を見せて手を振るだけで良いらしい。超巨大な投影鏡を通して皆々がもう既に状況を理解しているからだ。司会による進行説明なんかも各所ではやっているし、何よりも面倒事をカラミタが嫌っているのでこの程度にしていこうという事なのだとか。「緊張する?」 私達よりも先に国王夫婦とその御子息、御令嬢達がバルコニーに出て手を振り、何やらありがたい御言葉を大衆に向けて告げているのに全然耳に入ってこないでいると、隣に居るカラミタに声を掛けられた。「そ、そりゃもう、すごく」 人見知りだというのに、下からとんでもない数の視線が自分達に集まるのだと思うだけで、もう吐きそうだ。魔族との和解が叶い、大半はお祝いムードだろうけど、私のせいで利権を逃したと思い込んでいる者達からの妬ましい視線なんかも混じっているだろう。カラミタに本気で惚れていて、私なんぞに『正妃』という立場を掻っ攫われて納得のいかない者もいるかもだし、舞台を観た“魔王・カラミタ”のファンだって中には多くいるはずだ。『あんなロリババァに持っていかれた』 『育ての親とだなんて、イカれてる』 そんなふうに思う者だってきっといる。そう思うと、大勢の前に出るのが一層怖くなってくる。カラミタからの愛情は揺るぎないものであると信じられるけど、コレはもうどうしようもない別の恐怖だ。「……ボクがいるよ。大丈夫、大丈夫」 ぴたりと隣に寄り添い、ぎゅっと手を掴んでくれる。掛けてくれる声はとても優しい。穏やかに細められたカラミタの真っ黒な瞳に、強張っている私の姿だけじゃなく、次の瞬間にはセリンや

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第13話】二人の結婚式・後編(レオノーラ・談)

     今、私の目の前には現実味の無い光景が広がっている。 ——いつも薄暗くて、常に危険で、個々の尊厳なんか少しも無く、寒いしボロボロだし汚らしい場所で生まれ育って。奴隷商人達に売られるのが怖くなって生まれ育った場所から逃げて。偶然行き着いた世界樹なんてモノの側でずっと暮らしてきた自分が、王城の敷地内にある教会の中を歩いているだなんて……当事者のくせして、全然ピンとこない。 白を基調とした上品な室内はどこもかしこも綺麗に磨き上がっていて、聖域然と美しく、世界樹を模して造られたステンドグラスから差し込んでくる光は宝石みたいにキラキラと優しく輝いている。中央に敷かれた真っ赤な絨毯の両サイドに並ぶ木製のベンチには、どう見たって高位貴族ばかりが並び座り、皆が揃ってこちらに顔を向けてきているが、その視線が何を語っているのかは白いベールと緊張のせいか全く読めない。 室内仕様で程よいサイズになっている聖獣・白猿、白ヤモリの二体が私達を先導し、その中央には誘導&監視役としてテオドールが。挙式では、基本的に父親が花婿に花嫁を手ずから引き渡すのが通例らしいのだが、私には父がいない。なので、父親代わりとして長男・セリンが私の手を取ってくれ、頭を覆っている長いレースのベールの裾は、後ろに続いているリトスとアイシャが持ってくれている。 ゆっくりゆっくりと、一歩ずつ。ドレスを踏まないよう気を付けつつ、一歩一歩を噛み締めながら、正面で待つカラミタの元に向かう。その間に各国の代表として来ている王族や皇族達まで私の視界に入り、緊張度がより高まってきた。(こ、ここここ、こんな、全然見知らぬ平民の挙式に参列させてしまって申し訳ないですっ!) 自尊心を満たしたり、感謝感激するよりも、こっちの気持ちの方が遥かに強い。そのせいか申し訳なさでちょっと泣きそうになってきた。「……大丈夫ですか? 母さん」 人様の感情に敏感なセリンに心配されてしまった。「大丈夫」とすぐに小声で返したが、多分聴力に優れているカラミタにはこのやり取りが聞こえたのだろう。今にもこちらに駆け寄って来てしまいそうな顔でこちらをじっと見ている。(実は体調が悪いとか、カラとの挙式が嫌だとか

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第12話】二人の結婚式・前編

     最終的な準備に追われつつ、日々は流れてカラミタとレオノーラの結婚式を挙げる日となった。 カラミタからの強い要望により、この結婚は『樹界』と『外界(外輪界)』との『和平の証』の意味合いを持つ結婚でもある為、彼等の挙式は国をあげての大規模なものとなる。 主要各国の教会にはマリオネット型の魔導具が配置され、その人形達には二人の挙式の様子が投影される予定だ。人形は投影された動きに合わせ、まるでその場に居るかの様に振る舞う。 だが教会の数も広さも限界があるので、参列出来ない多くの者達の為に広場や目抜通りなどには巨大な投影鏡を設置して式の様子を映し出す事になった。それらの魔導具を開発、そして有り余る財産を惜しみなく使って各国に寄贈したのはもちろんアイシャだ。以前から彼の名は『錬金術師』として広く知られていたが、この一件で今度は『稀代の魔導具師』としてもその名を轟かす事になるだろう。 どの国でも教会や投影鏡の設置付近はどこもお祭り騒ぎで、シルト王国の王都・ラウシュベルも花やリボン、風船などといった物で街中が飾られ、雪の結晶や紙吹雪の様に見える光が魔法によって舞い散り続け、愛らしい雰囲気に染まっている。 挙式には『聖獣も式に参列する』という噂があるからか、商魂逞しい商人達が販売している『聖獣ぬいぐるみ』や聖獣を形取った白い飴などといった聖獣関連商品は、ただ白く作っているだけにもかかわらず、飛ぶように売れているそうだ。 実際に結婚式を挙げる教会は王城内にあるものを使用する事になった。本来ならば王族関連の式典でしか使用出来ないのだが、この挙式が『和平の証』でもあり、カラミタが『魔王』である点や、レオノーラが『世界樹の後継者』である可能性をより匂わせるには、特別待遇をした方が良いとの判断で国王があっさりと許可した。 引退後であっても、当然頻度はかなり激減するが、今後もセリンが協力するという約束を取り付けたおかげで、聖女信仰と世界樹信仰、双方の高位神官達を全て味方に付け、『自称・側妃候補』達が教会側を買収して紛れ込む可能性を完全に排除した。そしてより守りを完璧にする為にテオノードルの伝手で騎士団や冒険者達による警備も各所に並んでいる。 そもそも本会場となる

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第11話】応接室にて③

    「アイツ等が、いくら断っても全然引いてくれないのってさぁ、貴族には、血統主義の奴等が多いせいだよねぇ」 アイシャの発言を受け、アリスターも「そうなんだ。往々にして、生まれへの不満があがりそうな場合は、まず貴族の養子になってもらってから婚姻を結ぶ場合が多い。だが今回の場合は天文学的な収益を伴う利権を狙っての話だから、その手を使おうが『その血統だけでは、“王”の伴侶には相応しくない』と不満を言う事が目に見えているんだよね」と私見を述べた。「そう、なんですね」 スラム街出身である事を恥じた事はないが、足枷にしかならない事は理解出来る。だけど長年浮世離れした生活を送ってきたせいか、血筋云々を個々の気持ち以上に優先せよと、他人に言われるのは納得がいかない。 でも、それを言ってもいいのか悪いのか。子供らだけの状況であれば平気で口にしただろうが、王族であるアリスターを前にすると、レオノーラはわからなくなって口をつぐんだ。「でね、向こうが、『色狂い』だなんだと噂を立てて、普通なら有り得ない人数の『側妃』を迎え入れる流れを意地でも作ろうってんなら、こっちも攻勢に打って出ようかと思うんだが、どう思う?」 「まぁ、このまま断り続けるだけじゃ何も変わんないもんね。挙式への乱入は日程的に防げるだろうけど、世論や民衆を操作された事で発生する数の暴力的な流れってのも、そうそう無視出来ないし」 アリスターに訊かれ、アイシャがそう返した。「さっきの、薬師を筆頭とした一団は、どうせそれの一環だったんだろう?」 「流石、カラミタはとっくに気付いていたか。まぁ、結構あからさまだったもんね。だけど私は、『恩人に会えそうだけど、どうする?』程度しか伝えてないよ。あれだけの人数が集まったのも、全員本人達の希望さ。まぁ、一応、かなりの人数には諦めてもらったんだけどね」とアリスターが言う。 レオノーラの作った回復薬の効果は絶大だ。 その製法は無駄だらけな自己流ではあるものの、世界樹の恩恵を受けた素材のみで作っているのだから納得である。 彼女が作った薬の存在は、薬師達や支配階級の者達の間では相当有名ではある。だが希少が故に、王族や

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第10話】応接室にて②

    「——さて、今後の方針をもう一つ話し合っておこうか」と言い、アリスターが軽く手を叩く。すると別室に控えていた者が一名、書類の束を持って彼の元へやって来た。それを受け取ったアリスターを見て、アイシャが眉間に皺を寄せて「……あぁー」とこぼしている。「側妃の話かぁ」 レオノーラには聞き慣れない言葉だ。「……そくひ?」と彼女が首を軽く傾げると、カラミタが「ボクが要求したものじゃないよ⁉︎」と慌てて即座に否定した。『カラは、私以外とも結婚するの?』と、一瞬でも思われたくないからだ。「その通り。なので、早とちりをして、勘違いしないで下さいね」(されようもんなら、このリストの女性達とその家族全員殺されてしまうからね) 以前アイシャ達が話していた事と丸々同じ事を考えながら、アリスターが苦笑いを浮かべてそう言い、書類をテーブルの上に置いて咳払いをした。「知っての通り、新たに『魔王』となった『カラミタ』の要求により、『和平の証』として『樹界のヒューマ族』である『レオノーラ』さんと、式はまだだけど、書類上では既にもう婚姻関係を結んだだろう? すると、前々から『和平の証だと言うのなら、各国からも妃を娶るべきだ』という巫山戯た意見が多くあがっているんだ。そもそもカラミタが激しく拒絶しているという大前提は当然全世界の要人達に伝えてはいるんだが、ヒトによっては複数の伴侶を持つ魔族もいたもんだから、『制度的な問題は無い』と判断した一部の者達が勝手に暴走して、側妃の候補者一覧表を我が国に送り付けてくるんだよ。……困った事に一部の女性達はもう、この城にまで来ている。挙式の日も近いから『正妃』を一目見ようという感じかな。そして『コレが相手ならば自分でもいける』と踏めば、彼女らが何をするやら……」 そう告げ、アリスターがそっと額を押さえる。 脳裏に先程レオノーラに心無い言葉を吐いていた女性達の姿が浮かび、カラミタが「あの女共か」とこぼし、猫被りを忘れてチッと舌打ちをした。「当然、ウチらは『カラミタはそんなもん同意しないよ』って何度も突っぱねたんだけどね、利権狙いの奴らは引かず、このまま強引に押し進めていこうとしてるんだよねぇ。既成事実を作ろうと部屋に侵入したり、私物を掻っ攫って魔法による精神操作を狙ったりと、あの手この手ともうウザ過ぎーっ!」 カラミタの横に陣取ったアイシャが、きち

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第7話】デート(レオノーラ・談)

     『デート』は、私の中では『好意を持っている者同士が一緒に出掛ける事』って認識だ。だから最初はすごく身構えていたのだけど、いざ始まってみると案外いつも通りで、正直少し拍子抜けしてしまった。(街の中の見応えがすごくて、もうどこから回ればいいのか迷うくらいだし……むしろこれくらいの方が良かったのかも。初めて来た街なのに、『デート』なんだって意識し過ぎて楽しめないなんて勿体ないもんね) この街は各国の中でも最上位に当たる広さだ。一日で観光ポイントの全てを巡るなんて現実的じゃない。だからまずは手近な所から見ていこうと決め、焼き串やサンドイッチを露店で買って半分こにしたり、雑貨や装飾品を売っている

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第4話】身分証

     レオノーラとカラミタの結婚式まで残り二週間に迫ってきた。そんな中でも相変わらずカラミタはレオノーラを愛でてばかりで、婚前のバタバタした感じは微塵も無い。それもこれも、全て自分が手出し出来る範囲の準備に関してはキッチリ終わらせてから帰省したからである。「——あ、そうだ。ねぇねぇ、レラァ。挙式の日が近づいてきたし、そろそろ兄さん達が拠点にしている街に戻ろうかと思うんだけど、レラはどう思う?」「…………っ」 甘い声で突如訊かれ、『今、訊く?』とでも言いたげな瞳をしながら、レオノーラがゆっくり振り返る。彼女は現在、息も絶え絶えといった様子で、頬も赤く、瞳もどこか虚ろだ。小さな体をビクビクと小

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【第6話】《回想◇現在》半年前の出来事(セリン・談)

     あの日も始まりはいつも通りだった。日の出と同時に親に起こされ、食事を摂り、家族総出で畑仕事に取り組む。高い山の上にある僕らの村では大きな畑は作れないので何処も段々畑になっている。そんな畑を分担して手入れし、羊などの面倒を見たりもしているうちに昼になり、夜になったらまた皆でゆっくり休む。そんなルーティンが今日も繰り返されて一日が終わるはずだったのに—— 突如出現した一体の『魔族』のせいで、全てが一瞬のうちに塵と化した。 我ら『竜人族』の住む村は始祖となる『竜』に守られていると巷では言われているが、アレは嘘だ。ただ単に『魔族』には単独で飛行能力がある者がこれまでにはいなかった事と、そもそも竜

  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【プロローグ】

     私には五人の子供がいる。 全員血の繋がりはなく、親を失った挙句路頭で生活していた子だったり、元の場所からは逃げて来たばかりだったりと、様々な事情により自活せざるおえなくなった子供達だ。 世界樹・『ユグドラシル』と同じ名を持つ大陸の中央に位置する世界樹近傍の元。数多の精霊や聖獣達とのんびり暮らしてきた独り身の私では、色々な種族の子達の子育てなんて到底務まるとは正直思えなかったのだが、皆とても賢い子達だったおかげでお互いに助け合って日々を過ごした。 そうするうち、一人、また一人と、十五歳という成人年齢になったのを機に子供達は独立していった。いつまでも森の最深部に引き篭もっていては駄目だと思

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status