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last update Last Updated: 2025-11-11 11:29:45

 最初に映し出されたのは、環境保護団体から送られてきた厳しい文面の告発状。

 次に私が業者から受け取った正規の証明書を提示し、選定プロセスに問題がなかったことを説明する姿。

 そして場面は、白衣を着た研究者が立つ研究所へと切り替わる。

『――結論として、ホテルに納品された木材のDNAは、証明書に記載された国産の檜とは、完全に不一致です。また、人体に有害な化学物質が、基準値を上回って検出されました』

 科学的な分析結果が、淡々と決定的な事実として、突きつけられる。

 会場の記者たちから、どよめきが起こった。

 湊さんは映像を止めると、立ち上がった。

「ご覧いただいた通り、我々もまた、悪質な偽装工作の被害者でした。そしてデザイナーである相沢夏帆氏の選定プロセスに、一切の瑕疵(かし)がなかったことも、ご理解いただけたかと存じます」

 彼はそこで一度、言葉を切った。

「一つ申し添えておくと、この業者も圧力を受けてこのような行為に走ったと推測されます。というのも、この業者の株が不自然な形で買い占められているからです。偽装工作は許されることではありません。ただし、その裏に何者かの存在があったのです。情状酌量の余地はあるでしょう。この業者が自ら傷つけた信用を取り戻せるよう願っています」

 湊さんは、業者への配慮も織り込んでくれた。

 私はほっとする。たとえ彼の言動が佐藤をより追い詰めるためのものだとしても、あの業者をただ見捨てるよりよほどいい。

 でも同時に、少し背筋に冷たいものを感じた。

 私の心や業者への配慮を見せる一方で、佐藤への圧力も強める。湊さんはどこまでもしたたかな人だ、と。

 記者たちがざわめく。

「黒瀬副社長! 裏にいた何者かとは誰でしょうか!?」

 記者の一人が声を上げる。

 湊さんはいつもの柔らかな表情のままで答えた。

「今の段階ではっきりと申し上げることはできません。ただ、不自然な金の流れがあったというだけです」

 ダミー会社の役員は、佐藤の親族だった。それだけでは佐藤の陰謀だと証明するには弱い。

 だから湊
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