登入彼が離れ、引き出しを開ける音が聞こえる。金属が触れ合う音が響く。彼が再び私の前に立ったとき、その手には、消えゆく光を反射する小さな鋼の物体が握られていた。持ち手がついた、細く、光り輝く滅菌済みの針。冷たく、残酷な恐怖が私を襲う。打たれることと、肌を貫かれることは、全く別物だ。―― カエル……ご主人様……私は……―― 静かに、と彼は私の唇に指を当てた。恐怖を抱くことは許すが、退くことは許さない。君は私のものだ。君の血も私のものだ。彼の瞳が私の瞳を覗き込み、求め、要求する。彼は私の同意を求めているのではない。同意はすでに得られているのだ。彼は私の服従、完全なる放棄を求めている。―― 君に印を刻む、エリラ。鞭やムチではなく、私の紋章で。私のイニシャルを。ここに。彼の手が、左の腰、骨のすぐ上の滑らかで白い肌に置かれる。その場所は、彼の打撃によってまだ敏感で、傷ついている。―― これは永遠に君のものとなる。リマインダーだ。裸であろうと服を着ていようと、ここにいようと世界の果てにいようと、君は私の印を身に纏うことになる。この夜の記憶を、君の放棄の記憶を。嗚咽が喉に詰まる。狂っている。危険だ。恐ろしい。そして、これほどまでに興奮する出来事は、今まで想像したこともなかった。―― はい、と私は息を吐くように答えた。残酷で、美しい微笑が彼の唇に浮かぶ。―― 跪け。ベッドに手をついて、前かがみになれ。私は従う。その姿勢は私を無防備にし、腰の曲線を露わにする。彼を見るために顔を向けると、彼はアルコール瓶に綿を浸していた。鼻を突く臭いが部屋に充満する。彼は先ほどまでの暴力的な行為とは対照的に、臨床的な精密さでその部位を消毒していく。アルコールの冷たさに身震いする。そして、彼は針を手に取った。―― 私を見ろ、と彼は命じた。涙で潤んだ瞳を上げ、彼と視線を合わせる。彼の瞳は絶対的な黒で、慈悲はないが、残酷なまでの誠実さに満ちている。彼は私に嘘をつかない。痛くないなどとは約束もしない。
エララ肌の上で汗が乾き、塩分の膜がシーツにまとわりつく。隣に横たわるカエルの重みは、荒れ狂う海に浮かぶ岩のように、確固たる、否定しようのない存在感を持って私を圧している。彼の腕は私の腰に回され、休息の間でさえも独占欲を露わにしている。私は目を閉じ、体の残った震えを鎮めようとするが、筋肉のすべてが脈打ち、生き生きと、電気を帯びたように疼いている。低く、艶のある彼の声が沈黙を切り裂いた。―― それは、ほんの序章に過ぎない。言葉が鐘のように私の中で鳴り響き、身震いが走る。序章。彼の視線の下で服を脱がされる屈辱、革の鋭い痛み、指先による荒々しくも解放的な蹂躙、そして彼の手によって形作られる私の体……そのすべてが、前奏曲に過ぎなかったというのか。彼がベッドから起き上がると、マットレスがわずかに浮き上がり、一瞬にして彼の温もりが失われる。彼が部屋を横切る姿を私は見つめる。夕闇が深まる中で、彼の背中の筋肉が黄金色の光に照らされて躍動している。彼は疲れているようには見えない。むしろ……活力を取り戻したようだ。飢えている。彼が振り返ると、その深い緑の瞳が、横たわり、打ちのめされ、すべてを差し出した私を捉えた。―― 立て。その言葉は鞭のように鋭い。私は押し殺した呻き声を漏らしながら体を起こすが、痛む筋肉が激しく抗議する。冷たい床の上に、ふらつく足取りで立ち上がると、彼に触れられ、支配された箇所がすべて意識に昇ってくる。彼は何も言わない。ただ、獲物を値踏みする捕食者のように、ゆっくりと円を描いて私に向かって歩いてくる。彼の沈黙は、どんな命令よりも恐ろしい。―― 全てを受け入れる覚悟があると言ったな、と彼は暗闇の中で危険な囁きを投げかける。自分は私のものだと叫んでいた。今こそ、それを証明しろ。彼は私の背後に立ち止まる。首筋に彼の熱い吐息を感じ、肌に鳥肌が立つ。―― 問診票だ、エララ。君はある項目にチェックを入れた。「痛み」を探索したいと。単なるゲームとしての痛みではない。本物の痛み。刻み込まれる痛みを。一瞬、
カエルは私を見下ろし、低い声で告げる。「なら、懇願しろ」私は一度だけ息を飲み、それから震える声で言葉を紡いだ。「お願いします、マスター……」言葉を続けるたび、胸の奥に張りつめていたものが、ゆっくりと熱へ変わっていく。「どうか……私をあなたに委ねさせてください。私は、あなたのものです」彼は低く息を吐き、私の手首を頭上へ押さえるようにして固定した。その距離の近さに、私は再び息を詰める。彼の唇が私の唇へ重なった。それは激しく、支配的でありながら、同時に私の反応を確かめるような口づけだった。私は彼に応えながら、無意識に身体を近づける。やがて彼はゆっくりと顔を上げた。「振り向け」私はすぐに言葉に従い、身体の向きを変えた。背後に立つ彼の気配を感じながら、私はシーツを指先で強く握る。彼の手が背中をゆっくりと撫で、肩から背骨に沿って下りていく。「呼吸しろ」低い命令に、私は震えながら息を吸い、ゆっくりと吐き出した。その瞬間、彼が私へ近づいた。私は目を閉じ、身体に走る緊張を受け止めながら、ただ彼の存在だけに意識を集中させる。時間の感覚は次第に曖昧になり、部屋の中には二人の呼吸だけが残されていく。やがて張りつめていた感覚が頂点へ達したとき、私は思わず彼の名前を呼んだ。「カエル……」その声を聞いた彼の動きが、ほんの一瞬だけ止まる。「もう一度」私は震える唇を開いた。「カエル……」彼の手が私の背中へ置かれ、そのまま静かに私を抱き寄せる。激しかった緊張が、少しずつほどけていく。私は彼の腕の中で身体を震わせながら、何度もゆっくりと呼吸を繰り返した。どれほどの時間が過ぎたのか、もう分からない。
エララ彼の唇の端に、満足そうな笑みがゆっくりと浮かんだ。次の瞬間、何の前触れもなく革のベルトが私の太腿へ振り下ろされ、乾いた音が部屋の静寂を切り裂くと同時に、鋭い痛みが一瞬にして肌を駆け抜けた。けれど、私がその衝撃に反応するよりも早く、彼の手はすでにそこへ伸びていて、赤くなった場所を指先でゆっくりと撫でながら、燃えるような痛みを静めるように、まるでその感覚さえ自分の思いどおりに操っているかのような熟練した手つきで肌をなぞっていた。「いい子だ」彼が低く囁く。再びベルトが振り下ろされる。今度は反対側の太腿へ、その次には臀部へと、彼は痛みと撫でるような愛撫を交互に与え、ときには爪先で肌を軽くなぞり、ときには指先で強く押しつける。そのたびに、私の意思とは関係なく喉の奥から小さな声が漏れた。痛みも、そこに混じる快感も、彼の低い声も、そして革とサンダルウッドが混ざり合った彼自身の香りさえも、すべてが私を包み込み、私の身体はその一つ一つに敏感に反応してしまう。「好きなんだろう?」彼はそう囁きながら、ベルトを私の身体に沿わせるようにゆっくりと滑らせ、その先端で胸元をかすめると、やがてそれを腹部へ落とした。「私がお前を刻むことが。お前が誰のものなのか、思い出させることが」「はい……マスター」私は息を切らしながら答え、床へ置いた指を強く握りしめる。彼はベルトを脇へ放り投げると、ゆっくりと身を屈め、その唇を私の耳元へ近づけた。「今日は、私の名前を叫ばせる。懇願させる。そして、お前が持っているものをすべて私に差し出させる」低く囁かれた声に、身体が再び震える。「そして私は、お前からすべてを受け取る」その言葉とともに彼の手が私の身体へ伸び、私は思わず身を強張らせた。彼の指先が私の敏感な場所へ触れた瞬間、身体の奥から震えが込み上げてくる。彼は私の反応を確かめるように一瞬だけ動きを止め、それから顔を
締めつけることはしない。 ただ、その手の重みだけで、私は自分が彼の支配下にいることを思い知らされる。 「魂で学ぶんだ」 背筋を震えが駆け抜けた。 自分自身の呼吸さえ、これまでになく鮮明に意識している。 彼は一歩後ろへ下がり、私をその場に立たせたまま、何もせずに見つめた。 「脱げ。ゆっくりと。私のために」 指先がわずかに震えながら、ドレスの裾をつかむ。 私はそれをゆっくりと身体から滑らせていった。 一センチずつ、ほんの少しずつ、布地が肌を離れていき、やがて冷たい空気が裸になった身体を撫でる。 ドレスは足元へ落ち、かすかな音を立てた。 まだ黒いレースの下着を身につけていたけれど、それさえも、彼の命令があればすぐに取り去ることになるのだと分かっていた。 カエルは何も言わなかった。 腕を組んだまま、私が従う姿を静かに見つめている。 私は背中へ手を回し、震える指でブラジャーの留め具を外した。肩から細い紐が滑り落ち、やがてそれを床へ落とす。 続いて、最後に残った下着にも手をかける。 ゆっくりとそれを下ろし、しゃがみ込んで完全に脱ぎ捨ててから、私は再び立ち上がった。 完全に裸のまま、彼の前に立っている。 「跪け」 私は再び膝をついた。 今度は床の冷たさが直接肌へ伝わってくる。 両手を太腿に置き、わずかに頭を垂れる。 心臓の鼓動があまりにも激しく、彼に聞こえてしまうのではないかと思うほどだった。 彼が近づいてくる。 そして、ベルトをベルト通しから抜き取るときの、特徴的な音が聞こえた。 革が滑り、乾いた音を立てる。 私は無意識に身体を強張らせた。 彼はベルトを二つ折りにし、それを手のひらへ軽く打ちつけてから、その先端を私の裸の太腿へ静かに置いた。 「お前は私のものだな?」 声は穏やかで、ほとんど優しいほどだった。 けれど、その問いが命令であることに変わりはなかった。 「はい、マスター……」 喉が締めつけられるようだった。 「私は、あなたのものです」
エララ 午後の黄金色の光が厚いカーテンの隙間から差し込み、暗い色合いの床板の上に、温かみを帯びた幾筋もの光の帯を描いている。 私はすでにベッドの上で跪き、両手を太腿の上に置いていた。冷たいシーツの布地が敏感になった肌に触れるたび、わずかな震えが背筋を走る。空気は重く、嵐が訪れる直前のように、目には見えない緊張が部屋いっぱいに満ちていた。 午後のあいだ、私はさらにいくつもの質問票を書かされていた。自分の限界について、望みについて、恐れていることについて、何ページにもわたる問いに答え続けたけれど、今となっては、それらすべてが遠い記憶のように感じられる。 本当の試験は、これから始まる。 扉が音もなく開いた。 カエルが入ってくると、それだけで部屋そのものが彼を中心に収縮したように感じられた。 背が高く、肩幅が広く、鍛え抜かれた身体を包む黒いシャツの前を開けたまま、ぴったりとした黒いパンツを身につけている彼は、ほとんど身じろぎさえしないのに、圧倒的な存在感で空間を支配していた。 ほとんど黒にも見える深い緑色の瞳が私を捉えた瞬間、私は息を詰め、無意識に太腿へ食い込ませていた指先に、さらに力を込める。 「気分はどうだ?」 低く、落ち着いた声だった。 けれど、その一言一言がまるで命令のように私の中へ響いてくる。 私は彼を見上げ、それからほとんど反射的に視線を落とした。心臓が、耳元で鳴っているかのような勢いで鼓動している。 「大丈夫です、マスター。準備はできています」 そう答えた声は、自分でも驚くほど震えていた。 彼の唇に、ゆっくりと、どこか残酷ささえ感じさせる笑みが浮かぶ。 「何の準備ができている?」 私は唾を飲み込み、頬に熱が集まっていくのを感じた。 「セッションのためです。あなたのために……そして、あなたが望むすべてのために」 彼は一歩ずつ、意図を隠すことなく、ゆっくりと私へ近づいてくる。 やがて指先が私の肩に触れた瞬間、身体が大きく震えた。 その手のひらは熱く、ほとんど焼けつくようだった。それなのに、彼が命じれば、次の瞬間にはその熱さえ凍りつくほど冷たいものへ変わってしまうのだろうと、私はなぜか確信していた。 「立て」 私は従い、ゆっくりと身体を起こした。 脚がわずかに震えている。 彼はその長身で私を見下ろし、まるで私の身
彼は目に届かない笑みを浮かべる。「全てだ。何もしないかもしれない。私の望むままに。お前の体、お前の時間、お前の服従。全てが私のものになる。お前にもう意思はない。名前もない。ここでは、お前は私が決めたものに過ぎない」彼は手を伸ばし、指の背で私の頬をかすめる。その感触は驚くほど温かく、私を震え上がらせる電撃だ。後ずさりしたいが、足は床に釘付けになっている。「怖いのだな」彼は、ほとんど満足げに断言する。「それでいい。恐怖は服従の始まりだ」「私は服従しません」私は嘘をつく。声は震えている。彼は笑う。低く、皮肉な響き。「お前はする。選択の余地がないからだ。そして、お前の奥底で、自分自身の一
「はい」「ついて来い。カシアン様がお待ちだ」「様」。その言葉が、アーチ型の天井を持つ広大な玄関ホールに響く。空気は冷たく、磨かれた木と、奇妙で重く魅惑的な花の香りがする。私の足音が大理石に響く。壁に脅迫的な影を刻む数少ない壁の灯りに照らされた、果てしなく続く廊下を彼の後について行く。彼は両開きの扉の前で立ち止まる。「彼は中だ。なぜここにいるのか、忘れるな」彼は音もなく身を引く。私は扉の前に一人残される。大きく息を吸う。溺れる前の、最後の酸素だ。扉を押す。部屋は書斎だが、暗き王の謁見の間のようだ。床から天井までの書物、巨大な暖炉でパチパチと燃える火、そして彼だ。暖炉の炎を背に、革張
セリア空そのものが私の恥辱を洗い流そうとしているかのように、雨が小さなアパルトマンの窓を叩きつけている。私は手の中でくしゃくしゃになった手紙を握りしめる。厚く贅沢な紙は、肌を焼くようだ。言葉が目の前で踊る。招待状というより、判決文だ。「ルロワ嬢。明日、20時にブリュムの館へお越しください。負債の清算条件について話し合います。遅れないように。K」K。カシアン。父の破産が墓石のように私たちの上に崩れ落ちるまで、聞いたこともない名前だった。私が交換の通貨になるまでは。心臓が肋骨にぶつかって乱れたリズムを刻む。狂気だ。あそこに一人で行くなんて、狼の口に自ら飛び込むようなものだ。でも、債権者た
カシアン自室のドアが、完全な静寂のうちに閉まる。蝶番のきしみ一つなく、丁寧に調整された木材の柔らかな摩擦音だけが響く。私はしばらく廊下に立ち尽くし、冷たいドアノブに指をかけたまま動けずにいた。狩りの興奮がようやく引き始め、代わりに別の種類の緊張が押し寄せる。より鈍く、より深い緊張が。階段を下り、凍てつくような玄関ホールを横切る。私の足音は石造りの床に何の反響も呼び起こさない。書斎に入り、ウィスキーを注ぐ。琥珀色の液体は、その味すら感じさせぬまま、苦く喉を過ぎる。壁面スクリーンは四分割されている。三つは空虚な映像を映し出す。庭園、周辺境界、ガレージ。四つ目だけが、灯りを点している。私が見