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第80話・ゴブリンとの戦い

Auteur: 新矢識仁
last update Dernière mise à jour: 2026-01-05 05:07:17
 今までは蔦を植えての援護戦闘だったけど、ここからは俺が直接戦闘するしかないなあ。

 端末を消して、代わりに水鏡の盾を左腕に装備する。

 戦闘レベル差はリーダー相手だと20ある。でも装備がSSSランクの武器防具だから、そんな苦戦しないとは思うけど。

「ぎぃゃああああ!」

 うん、ワー・ラットとレベルは同じ。ただし俺はその時から見てレベルがアップしている。もうちょっと動けるかな。

 リーダーは針金を巻き付けた棍棒で殴りかかってくる。

 ワー・ラットとの戦闘に比べて、ゴブリンの動きはゆっくりに見える。

 素早さが違うのか、それともレベルアップの恩恵か。

 俺は冷静に盾でその一撃を受けた。

  キィン!

 水鏡の盾は綺麗に攻撃をリーダーに跳ね返し、リーダーは頭から血を流す。自分の血で興奮したのか、リーダーは血気盛んに攻撃を仕掛ける。

 ……うん、盾を何とかして俺の肉体に当てるって考えはないみたいだ。

 だったらこのまま防ぎ続けてリーダー自滅を待つって手もあるけど、それだとスキルの盾術だけがレベルアップするだろう。剣術のレベルも欲しいからな。盾に守られて勝ってもなんか情けないし。

 ワー・ラットを殺った時のようなあの感覚に囚われるかも。

 だけど、生神をするためには敵対勢力と戦える戦闘力が絶対必要だ。こっちを殺すつもりで来ているヤツは、こっちも殺す気でないと到底相手はできない。

 まずは。

 盾のない方から、と向かって右から攻撃を仕掛けてきたスレイブの棍棒を叩き斬り、その勢いでスレイブの右手まで切り裂く。

「ぎゅぎぃおおお!」

「はい、とどめ」

 一歩踏み出して、右肩に剣を振り下ろす。

 そのまま剣はするんと左わき腹まで切り裂いて、スレイブは血痕一つ残さず消えた。

「ぎゃお、ぎぃぃっ」

 返す刃でジャンプして襲い掛かってきたスレイブを斬り捨てる。

 スレイブが消えた後には、怖い顔にプラスして憎々しさを付け加えたリーダーが、こっちを壮絶な視線で睨みつけていた。

 こいつは逃げるか? リーダーと言うだけあれば、知性があればここで一体きりで戦えないと判断するかもしれない。だけどこいつを逃がすと後から後からゴブリンがやってくる羽目になるかも。

 とどめ、さしといたほうが安パイかなあ。

 俺が覚悟を決めたのを悟ったのか、リーダーは後ろに向かってジャンプした。間合いを図る為か。それとも
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