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第4話

مؤلف: 海との出会い
私は血の気を失った顔で、ただ一つだけ問いかけた。「娘は?」

「お隣の病室です。熱は下がりましたが、医師は経過観察が必要だと……」

最後まで聞かずに、私は手の甲に刺さっていた点滴の針を引き抜き、よろめきながら隣の病室へと駆けた。

扉は半開きだ。中からは、彰の声がはっきりと聞こえてくる。そこには、かすかな後悔が滲んでいた。

「汐里がわざと俺を怒らせたんだと思ってた。まさか、こんなに高熱だったなんて……」

「彰」その直後、梨花の甘く柔らかな声が重なる。「絢のこの鼻や目、汐里さんの大学時代の先輩に、ますます似てきたと思わない?普通は娘って父親に似るって言うけど……」

たった何気ない一言で、彰の体は瞬時に硬直した。

彼は勢いよく背筋を伸ばし、その目に、私がよく知る疑念の色が戻った。そして振り返りもせず、部屋を出ていった。

私が、扉のすぐ外に立っていることにも気づかなかった。

私はすぐに病室へ入った。ベッドの上で眠る絢を見た瞬間、視界が滲んだ。

そこへ、梨花が勝ち誇ったように私の前へ歩み寄った。

「汐里さん、分かる?彰がどれだけ私を大切にしてるか。私が一言言えば、あなたは簡単に苦しめられるのよ」

私の声は、凍りつくほど冷たかった。

「もし本当に愛されているなら、どうして今も愛人のままなの?それとも、『妻の座』が欲しくないの?」

その言葉は、まさに彼女の急所を刺した。

梨花は歯を食いしばり、目に険しい光を宿し、突然、私に顔を寄せてきた。

「汐里、賭けをしよう。彰の心の中で――『不貞の妻』であるあなたと、彼の唯一の子供を身ごもる私。どっちが大事かしら?」

言い終わる前に、彼女は突然、後ろへ身を引き、お腹をテーブルの角に強く打ちつけた。

「きゃあっ!」悲鳴とともに、梨花は床に崩れ落ちた。

ほぼ同時に、一度出ていったはずの彰が駆け戻ってきた。彼の目に映ったのは、倒れ伏す梨花の姿だ。

「汐里!」

彼は目を剥き、一歩で距離を詰めると、私の喉を強く掴んだ。

「君は、俺の実の子にまで許せないのか!?」

息が詰まり、私は必死に首を振った。「違う、私じゃない、彼女が勝手に……」

「彰、汐里さんのせいじゃないわ……」

床に伏したまま、梨花が弱々しく声を上げた。

「私が悪いの。絢に会いに来たのがいけなかったのよ。それで汐里さんを刺激してしまって、だから、私に手を上げたのかも……」

彰の指に、さらに力がこもった。その瞳には、怒りと失望が渦巻いていた。

「こんな状況でも、梨花は君を庇ってるというのに、反省する気もなく。梨花に謝れ」

私は彼を見つめ返した。酸素不足で視界が揺れても、決して俯かなかった。

私の沈黙と拒絶が、彼を完全に逆上させた。

「そうか。謝らないつもりだな?」

彼の視線が、私を越えて病床へと移った。そこには、顔色の失われた絢がいる。

口論の最中、絢はすでに意識を取り戻していた。

彰は私を突き飛ばし、数歩でベッドへ向かった。

「パパ……」怯えた声とともに、絢は後ずさった。

だが彼は容赦なく、絢の細い首筋を掴み、浴室へ引きずり込むと、水を張った浴槽に押し沈めた。

「彰、あなた正気なの!?やめて!その子はあなたの娘よ!!」私は狂ったように駆け寄ろうとしたが、彼の警備員に力づくで押さえつけられた。

水しぶきが激しく飛び散り、絢のかすかな抵抗が、刃物のように胸を切り裂く。

私は崩れ落ち、叫びながら懇願した。「謝る!私が悪かった!彰、梨花に謝るから!絢を放して!お願い!」

絶望する私を見下ろし、彰の瞳は氷のように冷えていた。

「君に手を上げる気はない。だが、俺の子どもに手を出したら、何を失うことになるのか、思い知らせる必要がある」

その言葉が終わると、彼の警備員がリハビリ用のダンベルを手に取り、絢の小さな体へと振り下ろした。
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