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第12話

Auteur: 二ノ舞
柚葉が身分情報を抹消した?

鷹真の最初の反応は、信じられないというものだった。彼らはあれほど愛し合っていた。彼女が彼に隠してこんなことをする理由なんて、あるはずがない。

だが、問い詰める言葉が口をついて出そうになったとき、ふとあることを思い出した。

あの深夜、彼が染花を探しに出かけようとした。振り返ったとき、柚葉の目に映ったのは、波一つ立たない死水のような無表情だった。

それから、彼が染花を使用人として連れて帰ったときのこと。柚葉の目にはあまりにも多くの感情が浮かんでいたが、最終的には、淡々と「分かった」と答えた。

……もしかして、あの時から彼女は、すべてを知っていたのではないか?

その考えが浮かんだ瞬間、鷹真の手が微かに震えた。

かつて怖いものなしの彼の心に、初めて「不安」が湧き上がった。

彼は自分を無理に落ち着かせ、冷静に言った。

「……本当に抹消されているなら、新しい身分情報を調べろ。できるだけ早く」

そう命じると、すぐに車を走らせ、家に向かった。

彼には数え切れないほどの不動産があるが、「家」と呼べる場所は、たった一つ。柚葉と5年間共に暮らしてきた、あの別
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