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第10話

作者: クレヨンおじさん
香江市の夜、ネオンは相変わらずきらめいているが、修二の心の暗闇を照らすことはできなかった。

あの夜、晴美が藤原家から姿を消してから、すでに半月が経っていた。

彼はできるかぎりの手を尽くし、香江市をひっくり返すほど探したが、結局何の痕跡も見つからなかった。

まるでこの世から蒸発したかのように、彼女の痕跡は一つとして残っていない。

修二は、晴美がかつて暮らしていた郊外の別荘の一室に立っていた。そこは彼女が去った時のまま、時が止まったかのように静まり返っている。

空気の中にはまだ、彼女の淡い香りが微かに残っている気がした。だが、その人影はもうどこにもない。

彼は彼女が眠っていたベッドの縁に手を伸ばした。指先に伝わったのは冷たさだけだった。その瞬間、骨髄に染みるような恐怖と虚しさが再び押し寄せ、彼を飲み込もうとした。

「晴美……」と、声はかすれていた。それは壊れたように震えていた。

彼は初めて、これほど明確に自分が彼女を失ったと悟った。

その自覚は胸に突き立てられた毒剣のごとく、深く、繰り返し刺さった。

怒りと後悔は草原の火のように広がり、理性という柵を次々と焼き払っていく。

彼は悠斗を憎み、雨子を憎み、そして何よりも「家のため」という名目で彼女を何度も突き放した自分自身を憎んだ。

絶望に飲み込まれそうになったその時、部下が一つの情報を持って駆けつけた。

「社長、調査したところ、藤原雨子さんは……この半年間、海外の複数の不審な口座と頻繁に多額の資金をやり取りしていた形跡があります。

さらに、勤務時間外に当社の基幹プロジェクト関連資料に複数回アクセスした記録が確認されました」

修二は勢いよく顔を上げた。彼の目は血走り、その奥に荒々しい光が渦巻いている。「彼女が……スパイだと?」

「現時点の判断では、その可能性が極めて高いです。資金の流れは……藤原悠斗が実質支配するオフショア企業にたどり着いています」

すべてが一瞬で繋がった。

悠斗の目的は、単なる政略結婚なんかじゃなかった!

彼は最初から、小山家を丸ごと呑み込むつもりだったのだ!

そして雨子は、彼が修二のそばに仕掛けた、情報を盗み、視線を惑わせるための駒に過ぎなかった!

普段の雨子の穏やかで無害そうな笑顔、そして悟の前でさりげなく晴美の悪事をほのめかしていた様子を思い出すと、修二の背筋
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