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2-24

Author: 酔夫人
last update publish date: 2025-12-21 11:00:00
「お客さん、着きましたよ」

意識が水面から引き上げられるように浮上した。

どうやらほんの少しのつもりが、思っていた以上に深く眠ってしまっていたらしい。

ぼんやりとした頭のまま運転手に礼を言い、運賃を支払ってタクシーを降りた。

夜の空気は思ったよりも冷たい。

頬に触れる風が、まだ残っている疲労と現実感のなさをゆっくりと拭い去っていく。

時計を確認すると、予定していた時間を大きく過ぎていた。

これでは和美様はもうお休みになっているだろう。

申し訳なさと、どこか安堵に似た気持ちが胸の中で交錯する。

.

「随分と遅かったな」

低く落ち着いた声が暗がりから響き、思わず足を止めた。

「……蓮司様?」

視線を向けても顔は見えない。

しかし、次の瞬間。

暗がりの一部が明るくなる。

蓮司様が煙草をくわえている姿が見えた。

煙草の火がわずかに明るくなり、その橙色の光が輪郭をさらに浮かび上がらせる。

意図的に顔を照らすその仕草に、少しの意地の悪さを感じた。

煙草を吸っているということは、お酒も入っているのだろう。

きっとこの意地の悪い雰囲気はそのせいだ。

「ただいま戻りました。遅くなって申し訳ありません」

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