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第1010話

Auteur: 栄子
浩平は眉間にシワを寄せた。「お見合いでの出会いって、ほとんど結婚を前提とした交際になるんじゃないのか?」

「そうなんだけどね」

浩平は妹の様子がどこかおかしいと感じた。

「岡崎さんとうまくいってないのか?」

詩乃は唇を噛み締め、かすかに微笑んだ。「うまくいってないわけじゃないの。岡崎さんは紳士だし、一緒にいても話が尽きないから、相性も悪くないと思うんだけど......何か引っかかるものがあるっていうか」

「まだ付き合い始めて間もないだろ」浩平は湯呑みに口をつけた。「焦らず、ゆっくり時間をかければいいじゃないか」

「分かってる」詩乃は口元を手で隠して笑った。「別に結婚を焦ってるわけじゃないけど、ただ、久しぶりにいい人に出会えた気がして、逃したくないの」

「好きなら、少しは自分からアプローチしてみたら?」

詩乃は耳にかかった髪を指先でかきあげ、少しバツが悪そうに言った。「自分からアプローチなんて、そんなはしたないこと、私にはできない」

幼い頃から祖母に育てられた詩乃は、考えが古風で、自分から男性にアプローチかけるなんて、そんな風に振る舞うことを良しとされてこなかった。

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