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第1166話

Author: 栄子
詩乃が胸を押さえるのを見て、浩平は具合が悪いのかと思い、途端に表情を硬くした。

「どうした?」彼は詩乃の額に手をやり、頬にも触れた。「熱はないな。どこか具合が悪いのか?」

我に返った詩乃は、浩平の心配そうな顔を見て、思わず吹き出した。「大丈夫よ」

浩平は一瞬動きを止めた。「本当か?」

「平気」詩乃は首を横に振った。

「じゃあ、なんで胸を押さえてたんだ?」

詩乃は絶句した。

まさか心臓がドキドキしてたからだなんて、言えるわけない......

恥ずかしすぎる。

その時、浩平のスマホが再び鳴った。

今度の電話は、日和からだった。

浩平は発信者表示を見ると、詩乃に慌ただしく言った。「先に顔を洗っておいで。ちょっと電話に出てくるから」

そう言うと、彼はスマホを手に二階の書斎へ向かった。

その慌ただしい後ろ姿を見て、詩乃は再び胸の中に奇妙な感覚が広がるのを感じた。

仕事に集中している時の浩平の姿は、何度も見てきた。

浩平は仕事に対してとても真面目で、効率を重視する。でも、電話一本でここまで動転するなんてことは今までなかった。

電話が鳴った途端、浩平はまるでスイッチが
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