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第65話

Author: 栄子
綾は背筋を伸ばしたままひざまずき、両手を握り締めていた。

土下座をしているにもかかわらず、彼女の背筋はピンと伸び、冷静な表情で、笑い続ける浩二を見ていた。

彼女の美しい顔には、何の感情も浮かんでいなかった。ただ、眉のあたりにわずかに強情さと決して屈しない意志が滲んでいた。

浩二は、それが気に入らなかった。

まだまだ卑屈さも惨めさも足りない!

「綾!土下座する態度がなってないぞ!」浩二が階段を降り、綾の髪を掴んで、後ろに引っ張った!

痛みで綾は眉をひそめ、無理やり顔を上げさせられた。痛みのあまり、涙が溢れそうになったが、それでも彼女は歯を食いしばり、必死に浩二を睨みつけていた。

そんな綾を見て、浩二はさらに激昂した。彼女の頭を掴み、地面に押し付けようとした――

「土下座のやり方も知らねえのか!教えてやらなきゃわかんねえか?

綾、いい気になるなよ?所詮、お前は二宮家の捨て子だ!俺の前で、でかい態度取ってんじゃねぞ!!

誠也を落とすのは簡単だとでも思ったか?誠也は、お前と遊んでるだけだ!本命は桜井家の令嬢で、今をときめく人気女優の遥だぞ!お前はただの遊び相手!都合のいい女
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