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第685話

Author: 栄子
綾は、自分が病気であることを大輝に隠そうとはしなかった。

彼は重要なパートナーだから、今後のプロジェクト担当者の変更をスムーズに行うためにも、病状を隠さなかったのだ。

今のところ、輝星エンターテイメントが適切な経営者を見つけられていない以外に、他の会社はすべて安定した経営者がいるので、綾はそれほど心配していなかった。

桃子は確かに優秀だが、まだ独り立ちできるほどではない。不在の間、圭が陰で支えてくれたおかげで、輝星エンターテイメントは安定している。

しかし、圭には会社経営の意思がないため、綾は大輝に白羽の矢を立てた。

大輝は映画投資において独特の鋭い感覚を持っている。もし彼を説得して輝星エンターテイメントに出資させ、経営を任せられれば、未来は安泰だ。

綾は大輝を高く評価していた。

しかし、それは恋愛感情とは違う。

それに、今の綾の状態では、恋愛をする余裕などない。

「石川社長、今日はもう帰って休んでください」綾は優しい声で、彼を遠回しに断った。

夜の帳が下りる中、ベージュのショールを羽織った綾は、穏やかな表情をしていた。

風が吹き抜ける。

二人は黙って見つめ合っ
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