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第797話

Auteur: 栄子
「もう安心して。これからあなた達に迷惑をかけるようなことはないから」真奈美は少し間を置いてから、続けた。「栄光グループの経営は、しばらくの間、専門の企業コンサルタントに任せるつもりだし、兄がいつか目を覚ましたら、会社は彼に返すつもりよ。

もし、兄が目を覚まさなかったら、哲也が唯一の後継者になることになるけど、そのための書類は全て用意しておくから、哲也が後を継ぎたがらなければ、あなたが父親として、引き受けてくれれば助かる......」

「栄光グループは新井家の会社だ。俺がどうして引き受けなきゃならないんだ?」

大輝は真奈美の言葉を遮り、冷たく言い放った。「哲也が栄光グループを継がなくても、俺の息子だ。不自由はさせない。真奈美、栄光グループはあなたが新井家の人として責任を持つべきものだぞ。他人に押し付けるんじゃない!」

真奈美は唇を噛み締め、大輝をじっと見つめた。

しばらくして、彼女は唇の端を上げて軽く笑った。「分かった」

かすかな笑みだったが、大輝はなぜか胸が締め付けられるような気がした。

彼は眉をひそめ、自分の不可解な反応に苛立ち、「バカな」と呟いて背を向けた。

病室のドアが閉まった。

真奈美は俯き、本を握っていた指先は白くなっていた。

大丈夫。全ての手筈が整ったら、何もかも捨ててここを離れるから。

愛情も憎しみも、全てが過去の出来事になる。風のように、消えていくんだ。

......

飛行機は高度を下げ、ゆっくりと着陸態勢に入った。

綾と桃子は、空港の駐車場へと向かった。

桃子は事前に手配しておいたレンタカーを取りに行った。

綾は乗車口で彼女を待っていた。

すると、バッグの中のスマホが鳴った。

誠也からだった。

綾は通話ボタンを押した。「もしもし」

「雲城に着いたのか?」

「ええ、今、飛行機を降りたところ。これから雪山に向かうの」

白いベンツが綾の前に停まった。

桃子は車から降り、綾のスーツケースを受け取ると、トランクを開けて荷物を積み込んだ。

綾は助手席のドアを開けて乗り込んだ。

ドアが閉まると、スマホから誠也の低い声が聞こえた。「何日くらい滞在するんだ?」

「3日から5日くらいかな」綾はシートベルトを締めながら言った。「仕事は終わったの?」

「ああ、さっき終わったばかりでお前のメッセージを見たんだ」誠也は少し
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