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第822話

Aвтор: 栄子
杏?

大輝は忘れようにも忘れられなかった。

彼に自らホテルのルームキーを差し出す女優は、彼女が初めてだったからだ。

大輝の顔色は変わり、「今度電話してきたら、干してやるからな」と言った。

「石川社長、誤解です!確かにあなたのことが好きですが、私はお相手として釣り合わないことも分かっています。あの時は、酔っていたんです。あの後実はかなり後悔もしましたし......」

「そんなことどうでもいい」大輝は苛立った声で言った。「小林さん、俺は二宮さんとは違う。そう甘くないからな」

「石川社長が甘くないのは分かっています。でも、18歳の小林千佳(こばやし ちか)になら、きっと優しくしてくれるはずですよね?」

それを聞くと、電話を切ろうとしていた大輝の手が、ぴたりと止まった――

千佳。

あの目の周りに痣ができ、頬には平手打ちの跡が残る顔が、頭に浮かんだ。

ずっと昔の記憶だった。

「あなたは私のことを覚えていてくれると思っていたのに......私が勝手に期待していただけでしたね」

そう言うと、杏は電話を切った。

ツーツー――

スマホから通話終了の音が聞こえて、大輝は、そのま
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とろん
いやもう、みんな幸せになってくれよ…
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