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第311話

Author: 雲間探
藤田おばあさんの誕生日当日は、あっという間にやってきた。

智昭に言われていたこともあって、茜は前もって藤田おばあさんへのプレゼントを用意していた。

朝食を食べに階下へ降りると、真っ先にその贈り物を藤田おばあさんに手渡した。

藤田おばあさんは目を細めて笑った。「ありがとう、茜ちゃん」

智昭も手にしていたプレゼントを差し出した。「これは玲奈と俺からの贈り物だ。誕生日おめでとう」

藤田おばあさんはそれを聞いて、智昭を一瞥した。

まだ口を開く前に、執事が二つのプレゼントの箱を抱えてやってきて言った。「藤田様、こちらは青木おばあ様と奥様が使いを通して贈ってきたお祝いの品です」

藤田おばあさんはそれを受け取り、再び智昭の方を見た。

智昭が自分を喜ばせようとして、あえて玲奈との連名にしたことは分かっていたが、今では二人のことに口出しするつもりはなかった。

彼女は鼻で笑った。「玲奈はちゃんと私に別でプレゼントを用意してくれてるわ。余計なことしないで」

そう言うと、それ以上は相手にしなかった。

智昭は笑って気にする様子もなく、振り返って茜に「早く朝ごはん食べなさい。後で学校まで送っていく」と声をかけた。

……

贈り物を渡した後、玲奈は車の鍵を取り、会社へ向かった。

会社に着いて間もなく、彼女は礼二と一緒に藤田総研を訪れた。

二人が藤田総研に到着すると、ちょうど優里の姿が目に入った。

彼らを見るなり、優里は礼二にだけ挨拶した。「湊さん」

優里は礼二に挨拶をしている時に笑みを浮かべていて、機嫌は良さそうだった。藤田おばあさんの誕生日パーティーに出席できないことへの落ち込みなど微塵も感じさせなかった。

礼二はそれを見て唇を歪め、相手にせず、そのまま玲奈と一緒に業務に向かった。

玲奈が藤田おばあさんの寿宴に出席しないことに、礼二はむしろ関心を持っていた。

その夜、彼は実家に戻り、両親と共に藤田おばあさんの寿宴が開かれるホテルへ向かった。

彼らの到着は比較的早い方だった。

その時点で、宴会場にはまだあまり来客が集まっていなかった。

今日は藤田おばあさんの誕生日祝いということもあり、藤田家の面々はみな非常に大切にしていた。

宴会場には、茜を含む藤田家の人々がほぼ全員そろっていた。

礼二も茜に会うのは本当に二、三年ぶりだった。

以前茜に会ったとき
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Comments (1)
goodnovel comment avatar
yoshi horarara
玲奈の男見る目なさに泣けてきます 一体クズ旦那の何に良くって惚れたの...️ やっぱり見た目のよさかなー あのクズさ加減を打ち消すくらいの 理由ある事願います...
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