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【社会人編】2.旅行の約束

last update 최신 업데이트: 2025-08-28 17:18:08

久しぶりに肌を合わせるのは興奮したし、何より気持ちがよかった。

まだ明るい時間だったのも良くて、いつもは電気を消したがる先輩のことを隅々までながめることができた。

一緒にいるだけで満たされる感じがして――夕焼けの空が赤と金に染まっても、俺たちは何をするでもなく、まだベッドの上で過ごしていた。

うとうとする先輩の頬に触れて、名前を呼ぶ。

「……眠くなった?」

先輩はまだ慣れない名前呼びに笑って、俺の髪を弄ぶ手を止める。

「少し」

胸に頭を埋めてくる先輩を、そっと抱きしめた。先輩がプロチームに入ってからはずっとその背中を追う日々だったし、隣に並ぶまではこの部屋にも来ないつもりでいた。

(無事に高校を卒業できて、プロのチームにも入れて、よかったな……)

改めて感慨深く思っていると、胸元で静かにしていた先輩がゆっくりと目を開け、俺の腰に手を回してきた。

「……もう1回する?」

俺の言葉に、熱の籠った声が返ってくる。

「伊織」

俺は先輩のことをぎゅっと抱きしめ、ふたたび自分の下に組み敷いて――。

もういちど名前を呼び、少し笑って――深くキスをした。

◇◆◇◆◇◆◇

薄いカーテンのすき間から、射し込む陽が眩しい。

目を覚ますと、先輩は珍しくまだ寝息を立てていて――。

俺はその寝顔をじっくりと堪能した後、音を立てないようそっとベッドを抜け出した。

「……ん、いおり……?」

「あ、起こしちゃいましたか」

まだ眠そうに目をこする先輩。

当然だ。昨日は夜遅くまで肌を合わせて、いつ眠りについたかもわからない。

目を覚ました先輩が「こっち」と言って隣を指したので、俺はおとなしくベッドの方へと戻った。

(何か……先輩って、前よりずいぶん甘えてくるよな……?)

それが悪いってわけじゃないけど、何だか不思議。

そう思いながら先輩の髪を撫でていると、ふとあることに気がついた。

(もしかして先輩も、俺に会えなくて寂しかった……?)

じっと顔を見つめていると、先輩は照れたように「何?」と口をとがらせている。

「……べつに、何も」

「言えよ」

「俺に会えなくて、寂しかった?」

いつもだったら殴られそうなところだけれど、先輩は「そんなことない」と赤くした顔をそむけるばかりで……。

その仕草があまりにかわいかったので、つい反応してしまった。

「……ごめん、また抱きたくなっちゃったかも」

「はっ!? もうし
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