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第1202話

風羽
最初に口を開いたのは舞だった。

彰人を見つめ、静かに言う。

「彰人、どうぞ座って」

その一言――「彰人」という呼びかけはどれほど彼の立場を取り戻したことか。

それだけで、彰人と周防家の縁が完全に切れていないことが伝わる。

舞の中では、彼はいまだに「半ば家族」として扱われているのだ。

席に着くと、京介が軽く肩を叩き、結代を呼び寄せて父の隣に座らせた。

少女は大喜びだった。

なぜこんなにも長く帰ってこなかったのか――その理由は分からない。

けれど、きっと理由があるのだと信じている。

父が自分や清席を愛していないはずがない、と。

小さな顔を上げて、無邪気に尋ねる。

「清席、かわいいでしょ?毎日ね、ママと一緒に弟のお世話してるの」

その言葉に、彰人の胸が鋭く痛んだ。

本当は立都市に残りたかった。

子どもたちのそばにいたかった。

だが、自分は足手まといでしかない。

この一年、断続的に体調を崩し、脳の腫瘍はさらに一センチ大きくなった。

いつ発作が起きるのかも分からない。

手術がいつできるのかも、そもそも手術台から生きて降りられるのかも分からない。

考えなけれ
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Kommentare (1)
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良香
涼香で良かった。 これだけ彰人を思い遣れるなら、周防家の人を傷つける事もしない聡い人だから。 感性が慕美に近い人なんだろうな。
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