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第1205話

Auteur: 風羽
月は静かに眠り、夜は深く沈んでいく。

やがて結代は眠りに落ちた。

その目尻にはきらりと一粒の涙が残っている。

彰人はそれを見つめ、胸が締めつけられるように痛んだ。

結代は聞き分けがよく、そして人の心に敏い子だ。

きっと――すべて分かっている。

彼女にあるのは、ただ純粋な親子の情だけ。

だが願乃との間には、かつて夫婦だった時間がある。

そこに涼香という存在が重なり、かえって曖昧になってしまった。

――それでも願乃はまだ自分を想っている。

そうでなければ、あの距離の取り方にはならない。

気づかないはずがないのだ。

彰人はそっと、結代の艶やかな黒髪を撫でる。

大きくなるほどに、母に似てきた。

気づけば――願乃ももう三十六歳。

女として最も輝く時期を過ぎている。

――そんな彼女を自分はどうしてこれ以上縛れるだろうか。

どうして、これ以上不安の中に閉じ込められるだろうか。

この一年あまり、舞と京介は何度も海外へ飛んできた。

澪安や澄佳も、何度か訪れている。

――すべては彼の病のために。

最初に倒れた時、危篤通知が出された。

身寄りのない彼はそれをモナと
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Commentaires (2)
goodnovel comment avatar
tk n
間違いはあったけどこれだけひとりの女性を愛することができる人はなかなかいない! 病気になって手放すことを選んだのはいいけどわざわざ好きな人ができたとかはいらなかったかな?と思うけど!それが彼の愛なんだろう! 両親やまわりの人の優しさはホントに凄い!
goodnovel comment avatar
良香
願乃ちゃんが、気付いていながら、涼香ちゃんの存在があるから、と距離を置いているならもう哀れ。あれほど傷つけ、振り回しておきながら、未だ引き摺りつつも何も言わずにいるのは良くないよ。悲しみはちゃんと受け止めるからこそ乗り越えていけるのにねぇ。
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