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第523話

Author: 風羽
茉莉は胸元を押さえ、まるで図星を突かれた子どものように慌てた。

「な、何も見てない……」

琢真はそれ以上からかわず、布団の中に手を伸ばし、彼女の細い脚を優しく揉んでやった。

「今日は氷の彫刻展に行こう。今年の作品は面白いらしい」

「スキーじゃなければ大賛成!」

茉莉の瞳はきらきら輝いた。

「じゃあ、外で待ってて。着替えてくるから」

そう言ったが、恋人同士にそんな遠慮は要らない。

琢真はそのまま茉莉を抱き上げ、クローゼットへ。片腕で抱きしめながら片手で服を選び、白いロングダウンに柔らかなカシミヤのマフラーを添えてやる。茉莉は顔をマフラーからのぞかせ、不満げに言った。

「琢真、これじゃ前が見えないよ」

彼は低く笑い、両手で小さな顔を包んで軽く口づけた。

「さ、洗面しておいで。俺はベッドを片づけておくから」

茉莉は一瞬にして頬を染め、琢真はその姿を楽しむように眺めてから、機嫌よくシーツを整えに出ていった。

やがて二人は外で朝食をとり、地元の名物料理を楽しむ。車には乗らず、並んで市電に揺られる。笑い声は途切れることなく、まるで普通の恋人同士の休日。悩みも憂いもない、た
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