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第 3 話

Author: ページの住人
怜司が声を落とした。

「別れるつもりなのか?」

「つもりじゃない」

私はガラス越しに母を見た。

「もう、別れたの」

病室の外のエレベーターのドアが、ゆっくり開いた。中に、スマホを握った怜司が立っていた。シャツには、昨夜、猫を捜したときについた泥がまだ残っていた。顔を上げて私を見つけると、足早に出てきた。

同時に、私のそばにいた弁護士の河原直人(かわはら なおと)が立ち上がり、協業契約の解除に関する書面を彼の前に差し出した。

「黒瀬さん、受領のサインをお願いします」

怜司は書面を受け取らなかった。直人の向こうにいる私へ、視線を向けた。

「俺たちのことに、他人を入れるのか?」

直人が眼鏡を押し上げ
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