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私の事が大嫌いだったはずの旦那様が記憶喪失になってから、私を溺愛するようになったのですがこれは本当に現実ですか!?
私の事が大嫌いだったはずの旦那様が記憶喪失になってから、私を溺愛するようになったのですがこれは本当に現実ですか!?
Penulis: Hayama

第1話

Penulis: Hayama
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-22 20:13:54

「きゃっ!あぁ、またやっちゃった」

お皿が割れた音に反応して来てくれたみたいなんだけど…

「彩花!大丈夫!?怪我してない?」

そんなに慌てなくても大丈夫なのに、

「私は大丈夫だけど、ごめんね、お皿無駄にしちゃった」

お皿を片付けようと伸ばした手を

「駄目だよ」

そう言って掴まれた。

「え、でも」

「俺が拾うから、彩花は触らないで。また指切ったりしたら俺が嫌だから」

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」

心配症だなぁ。なんて呆れた顔で笑ってみたけど、本当はすごく嬉しかった。

前までは心配するどころか、むしろ…

「きゃっ、」

早く片付けないとこんなのバレたらまた…

「何やってんの」

「湊さん…」

彼はいつもゴミを見るかのように私のことを見下す。その目を見る度に私は…

「はぁ、」

なんて、わざとらしくため息を吐くから

「ご、ごめんなさい…」

私はそうとしか言えなくて

「皿洗いもろくに出来ないのか」

「ごめん、なさい、」

皿洗いもまともに出来ない私が悪い。

「お前は何もできないんだな」

「ごめんなさい、」

何も出来ない私が悪い。

「はぁ、ごめんなさいはもう聞き飽きたんだよ」

「っ…」

それでもやっぱり、私にはごめんなさいしか言えなくて、

「もういい、怪我でもしたら危ないから、…お前がちゃんと掃除しておけよ」

「はい…」

「はぁ、お前を見てるとため息が出る。顔も見たくない」

こんな事を言われても、それでも耐えるしかない。これは私が決めた事じゃなくて、私の両親が決めた事だから。そう言って言い訳して、本当は…自分でも分かってる。だから余計に辛いんだって。

「ほんとお前は何をやっても駄目だな」

あの日もいつものように私に暴言を吐いていた。だけど、何故かあの時だけは無性に腹が立って、言い返してしまった。今思い返してみても、本当にどうしてなのか分からない。ただ、これ以上我慢したら、壊れてしまいそうだった。

「私だって、結婚なんてしたくなかった!毎日毎日、そんな事しか言えないんですか!?」

対抗なんてすると思わなかったのか、一瞬だけ驚いた表情をした。ような気がした。

「っ、…お前が、出来損ないだから悪いんだ。誰に歯向かってるのか分かっているんだろうな」

「両親のためとはいえ…もう、耐えられません。我慢の限界。私達、もう終わりにしましょう」

「は、何言って、」

「今まで迷惑ばかりかけてしまってごめんなさい。さようなら」

「…待て」

まさか引き止めてくるなんて…あぁ、そうか、

「離してください、離婚と言う言葉が気に入らないのであれば、別居という形でも構いません。ただあなたと一緒にいたくないだけなので。私がいない方があなたにとっても好都合のはずです。もう、これ以上話すことは何もないですよね」

これで終わり。何もかも。

「待てって言ってるだろ!」

「離してください!…えっ、湊さん…み、湊さん…?」

私が強く押してしまったせいで、湊さんはバランスを崩して、頭をぶつけてしまった。

それから、彼は何日も目を覚まさなかった。私は心配で…そして、罪悪感で眠ることが出来ず、ただ、ずっと彼のそばにいた。

「んっ…」

「湊さん!」

彼が起きたらきっと辛い日々がまた戻ってくる。怪我までさせてしまったのだから尚更…

「ここはどこ…?」 

「湊さんのお部屋です。あれから3日間ずっと眠っていたんです」

「あれから…?なんのこと?」

「…へ?」

もしかして、あの日の事を覚えてないの?ただ一部の記憶がないだけなのか、それとも…

.

.

.

「ところで、どうしてここに天使がいるの?」

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