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第37話

Penulis: Hayama
last update Tanggal publikasi: 2025-11-25 17:00:00

「そういうパーティーって、ドレスとか着るの?」

湊さんは、ふとした調子でそう尋ねた。

記憶を失っている彼にとって、パーティーの形式も、私の過去も未知のもの。

「うん、一応」

私は小さく頷いた。

言葉にすると、なんでもない返事のようだけれど、心の中は複雑だった。

ドレスを着ること、それは私にとって“役割”で、湊さんの隣に立つために、私はいつも気を張っていた。

私は、過去の自分を思い出しながら、静かに息を吐いた。

「彩花ちゃんのドレス姿も、きっと可愛いんだろうな」

その言葉に、心臓が跳ねた。

私は思わず視線を逸らした。

顔が熱くなるのを感じて、頬に手を添える。

記憶がないのに、今の私を見てそう言ってくれる。

彼が過去を知らないからこそ、こうして素直に褒めてくれる。

その言葉が、過去の湊さんの記憶と重なって、胸の奥がじんと痛んだ。

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