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第九話 私はまだ“妻”なのか

Author: 煉彩
last update publish date: 2026-06-23 21:11:35

 その日も凛華は、いつものようにホテルの庭を掃除していた。

 日葵を預ける人がいないため、仕方なく仕事場へ連れてきている。片手で子どもを抱えながら、もう片方の手で掃除道具を動かすだけでも精一杯だ。

 とはいえ、今の仕事内容にはすでに慣れてきた凛華は、黙々と作業を進め、思ったより早く清掃を終わらせることができた。帰ろうとしたその時、遠くから人の話し声が聞こえてくる。

「直哉くん、もう身体の調子は大丈夫。……私たち、結婚しましょう?」

 その言葉に、直哉の胸が一瞬強く揺れた。

 思わず口を開く。

「凛華は俺の妻だ。それを忘れたのか?」

 唯衣は不満そうに唇を尖らせる。

「でも姉さんはもう……」

「その話は後だ」

 直哉はそれだけ言って、会話を切るように歩き出した。唯衣は内心の苛立ちを押し殺しながら、その後をすぐに追う。

 その会話を、凛華は物陰で聞いていた。

<凛華は俺の妻だ>その言葉に、凜華の身体がぴたりと止まる。

(……私は、直哉にとって一体何なの?)

(昔はあれほど嫌っていたのに、今さらそんなことを言うなんて)

 凜華の考えがまとまらないまま、二人はすでに目の前まで来ていた。

 凛
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  • 私を刑務所へ送り込んだ夫が、今さら執着するなんて   第五十九話 子どものように笑う悪女

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