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第16話

Author: 悠木 ぬくも
リビングのソファに腰掛け、モニターの画面を見つめていた。

映像の中、越己が泣きじゃくりながら、私に1度だけでも会わせてほしいと懇願している。

いつの間にか帰宅していた雅之が、背後からそっと私を抱きしめた。私の頭の上に、彼の顎が優しく乗せられる。

「会いに行くか?ついていってやってもいい」

画面いっぱいに映る越己の顔を、私はじっと眺め続けた。

顔は涙で濡れ、瞳には後悔がにじんでいる。

けれど、脳裏をよぎるのは別の光景だった。

あの暗い港で、容赦なく切られた電話のコール音。

病室で浴びせられた、激しい平手打ち。

「野垂れ死のうが知ったことじゃない」と吐き捨てた、あの冷酷な声。

私は静かに首を横に振った。

「これからは、あなたが私の家族です。2度目の命をくれたのはあなた。他の人はもう、どうでもいいです」

雅之は何も言わず、私を抱きしめる腕に少しだけ力を込めた。

ドレスの試着を終えたあと、雅之は急ぎの役員会議へ向かった。

私は一足先に車で川津邸へ戻り、体を休めることにした。

だが、屋敷の目前で、敏昭が強引に車の前に立ちはだかって停車させ、私の目の前へと詰め寄ってき
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