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好き

Author: いのか
last update Last Updated: 2025-10-20 10:44:39

流れる涙が止まらないので一旦外に出ようと舞が言った。人のいない場所へ行こうと春陽が思い出したのはすぐ近くにある公園だった。

「大丈夫?」

ベンチに2人で座ると心配した舞が聞いた。

映画会のチケットを今年は2枚もらい舞を誘った。開映して10分の短編が続いた後に上映したのが慶司の作品だった。

真っ暗な画面から聴こえる声援の後に映し出された一面のペンライトの海。鳴り出しす音楽。声援が悲鳴に変わるとするとステージ上の階段に5人のシルエットが映し出される。

この映像を、声援悲鳴を、音を。

春陽はよく知っている。それは春陽がDVDで何度も観たエアネストの初ドーム公演だった。

そして感動が身体を停止させ涙が流れ出るのだ。

やはりこの上映でも春陽は不思議な感動に涙を流した。

その後の映像はエアネストの復活ドキュメントとなっていたが最後、復活ライブとなるドーム公園が始まる円陣の輪は3人ではなく5人になっていた。

5人の重なる手の先に歓声が聴こえ終映、春陽はボロボロと涙を流していた。

「もう大丈夫……心配させちゃってゴメンね」

ハァと一度息を吐き出して空を見上げる。

今年の開花が早かったせいか公園の半分を占める桜は既に7分咲きとなっている。

「桜、綺麗だね」

「急遽の花見になったね」

舞も桜を見上げて言った。

暫くの間2人は桜を眺めて過ごした。

「春陽がエアネストのファンだってきいてたけどまさかあんなに号泣きしちゃうとは思わなかったわ」

舞の言葉に春陽は苦笑いする。

「エアネストはね、全てにおいて私の支えだったから……」

「すべて?」

「うん」

約1年、舞は春陽にとって唯一無二の友達になってくれた。性格も見ためもまったく真逆に近い舞が今ではどんなに支えになっているか、春陽は自分の嫌な部分も知って欲しくて口を開いた。

「私の産まれた日はね私のお父さんと祖父母の命日なの。産まれた私に会いに来てくれたから帰り道に事故で亡くなったの……1才の誕生日の時はお母さんの方の祖父が私へのプレゼントを買うために出かけて事故で亡くなった。おばあちゃんもその時一緒で怪我したらいしし。私のせいでお母さんもおばあちゃんも家族を失くした。それなのに2人は私に優しくて、心配をしてくれた。……だから私、何も知らないで2人に甘えてたの。周りも普通だと思ってたの。友達は友達で、周りの大人達は友達と同じように私に接してく
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