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第75話

Auteur: 青葉凛
隆之介の豪快な歓迎に、律も静かに頷いて応える。

一行は揃って屋敷の中へと足を踏み入れた。

紫音は懐かしい我が家を見渡した。長い年月が経っているはずなのに、驚くほど何も変わっていない。

廊下も、飾られた調度品も、塵ひとつなく磨き上げられ、整えられている。母がどれほど丁寧にこの家を守ってきたかが痛いほど伝わってきた。

「紫音、自分の部屋を見てらっしゃい。あなたがいない間も、お母さんが毎日掃除をしていたのよ。配置もあの頃のままにしてあるわ」

琴音は少し自慢げに、そして愛おしそうに言った。「いつあなたが帰ってきてもいいように、ずっと待っていたの」

その言葉に、紫音の胸が再び熱くなる。

この数年間、母はずっと待ち続けてくれていたのだ。いつか娘が「家に帰りたい」と思ったその瞬間に、温かく迎え入れられるように。

失望させたこともあっただろう。それでも、娘への愛が揺らぐことはなかった。過去の過ちはすべて許され、ただ温かい居場所だけがそこに残されていた。

紫音は逸る気持ちを抑えきれず、二階にある自室へと駆け上がった。

律もまた、彼女の背中を追うようにして部屋へ入ってくる。その冷ややか
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