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第837話

Author: 青葉凛
浩一の冷ややかな横顔を上機嫌に眺めながら、結衣はさらに言葉を続ける。

「私ね、当分は海外へ戻るつもりはないの。ずっとこちらに滞在する予定よ。

もう少ししたら、私の両親も帰国するわ。こっちでかなり大規模な共同プロジェクトを立ち上げる予定だから、これからは両親たちもずっとこちらを拠点にするはずよ。

お互いの家族みんなで顔を合わせる機会も増えるし、本当に素晴らしいことだと思わない?」

朗らかで、甘い期待を含んだ声。

それは明らかに、この政略結婚に対する彼女の強い意欲の表れだった。

親に強いられた見合いへの反発はどこへやら、眼の前の魅力的な男に対する打算的な好意が、彼女をこれほどまでに雄弁で積極的な態度にさせていたのだ。

「親同士が勝手に進めている話だということは承知している。だが、君は少し勘違いをしているようだからハッキリ言っておこう」

浩一は前を向いたまま、氷のように冷たい声で結衣の言葉を遮った。

「俺はこの縁談に同意した覚えはないし、君と結ばれる気も毛頭ない。俺には心に決めた女性がいる。

母がどうにかして俺たちを引き裂こうと躍起になっているが、誰に何をされようと、俺が
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