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第871話

Author: 青葉凛
だが、州の心は冷ややかなままだった。

「結衣、冷静になってよく考えてくれ。俺がこんなことを言うのは、他でもない君自身のためでもあるんだ」

州の低い声には、幼い頃から知る妹分に対する最低限の情が滲んでいた。

「俺は、浩一にも君にも、それぞれ本当にふさわしい相手と幸せな未来を掴んでほしいと思ってる。

昔から君を知っている兄貴分だからこそ、あえて厳しいことを言わせてもらう」

州は結衣の涙に動じることなく、淡々と続けた。

「帰国したばかりで不安なのは分かる。だが、君ほどの魅力と家柄があれば、本当に君を愛してくれる男はいくらでも見つかるはずだ。

自分を拒絶している男に固執して、君自身の貴重な時間を無駄にする必要なんてどこにもないんだよ」

親友である浩一をこれ以上苦しませないためにも、ここで結衣の執着を断ち切らなければならない。

州は誠心誠意、言葉を尽くして彼女の目を覚まさせようとした。

しかし――

「もうやめて!!」

結衣の甲高い声が、オフィスに響き渡った。

先ほどまでの弱々しい態度は一変し、その顔には絶対に引かないという狂気じみた執念が張り付いている。

「私は絶対に
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