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第3話

مؤلف: 世ノ姿
私の成人式だったあの日。

澪が階段から転げ落ちた。

私は澪を助け起こそうとしたが、澪にハメられた。

澪は床にへたりこんだまま、涙だらけの顔を上げて、信じられないという目で私を見つめてきた。

澪の声は決して大きくはなかったが、その涙で震えた声は、静まり返った周囲の人々の耳にはっきりと届いた。

「お姉ちゃん……どうして私を押したの?私、また……何か悪いことしちゃった?」

一瞬で頭が真っ白になった。

「押してない!」私は声を震わせながら、駆け寄ってくる両親と兄の方を見た。

「お父さん、お母さん、私は澪に触れてもない!澪が自分で転んだの!」

しかし、澪は堰を切ったように涙をこぼし、か弱いがはっきりとした声で言った。

「ごめんなさい……お姉ちゃん。私のことが嫌いなんだよね。お父さんとお母さんが私に優しくするから……

私はここに来ちゃいけなかったんだ。だって、お姉ちゃんの居場所を、奪っちゃったから……」

澪は声にならないほど泣いた。

「本当のお母さんに会いたい……もう行かせて。これ以上お姉ちゃんを怒らせたくないの……」

「玲奈!なんてことを!」

母は澪を抱きしめ、額の傷を心配そうに押さえながら、私に向かって厳しい声で言った。

「澪の怪我を見てみなさい!それでもまだ言い訳するつもり?」

「お母さん!一度でいいから私を信じて!」

私は泣きながら母に縋り付く。「私は何もしてない!澪が自分で転んだの!」

「もういい加減にしろ!」

父は怒りで顔を歪め、私の言葉を遮った。

「ちょっと可愛がられたからって、妹にこんな酷いことをするのか?玲奈、お前は本当に根性が腐ってる!」

翼が一歩前に出て、私を母から乱暴に引き離した。その目は氷のように冷たい。

「玲奈、いい加減にしろ!大勢の前でよくもこんなことを!お前なんかに、澪の姉でいる資格なんかない!」

周りの招待客は静まり返り、その視線が針のように私に突き刺さる。

味方は誰もいなくて、全身が冷たくなっていくのを感じた。

その時だった。祐介が、迷いのない足取りで私の隣に来て、ぎゅっと手を握ってくれたのだ。

「おじさん、おばさん」

祐介の声は落ち着いていたけど、その中には揺るぎない強さがこもっていた。

「俺は玲奈を信じますよ」

澪の泣き声がぴたりと止まる。

父は険しい顔になり、母も動きを止めた。

祐介を見上げると、涙がどっと溢れてきた。

あの時、私を信じてくれたのは、祐介だけだった。

でも、その時からだったかもしれない。私の中で何かがぷっつりと切れ、壊れてしまったのは。

それから私は喋らなくなり、勉強だけに打ち込み、家族との間に見えない壁を作った。

大学に受かって、この家から遠く離れさえすれば、それでいいと思っていた。

しかし、思いもしなかった。

私が必死で手に入れた、この息の詰まる場所から逃げるためのたった一つのチャンスを澪の機嫌を取るためだけという理由で、彼らにあっさりと奪われ、無かったことになってしまうなんて。

それどころか、一番信じていた恋人の祐介までが家族の味方をした。「大人になれ」とか、「みんなのことを考えろ」なんて言って、私を説得しようとしたのだ。
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