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憂いのエリンシア

last update Terakhir Diperbarui: 2025-11-26 15:23:49

「お母様?」「ママ」

エリンシアは大事な子供達を抱き締める。

ほほ笑むとエリンシアは 小さな板に文字を書き出すのだ

「お母様、王様のお城に行くの?」

エリンシアは小さな娘のティナに頷く

「…何だか心配なの、一緒に行きたい」

いつもは聞き分けの良いティナが

何かを感じたのか…そんな言葉を口に出す。

慌てて、首を横に振り、ティナをエリンシアは再び抱き締めたのだった。

そして、娘の小さなティナに

また板に文字を書いて、手渡した。

巨人族の王様達は大変、気難しい処がある

もし、何かの事で不快感を持つといけないから

大事なアーサー お父様のためにも 二人は良い子で

御留守番をお願いね

近くに住む親戚の方々、叔母さま達に家の使用人達も二人の傍に居るわ

「お母様、エリンシアお母様は大丈夫なの?」

頷き、また小さな板に文字を書くエリンシア

私なら以前は王様の傍で御世話の仕事をしていたの

王様達の為に

琴、羽琴を演奏したりしていたから、大丈夫なの

しばらく、多分だけど戻れないわ

「分かりました エリンシアお母様」

この子供達、ティナ、アンリス 夫アーサー

私は…私が出来る事を 守らなくては

黒の国の国境付近に夫アーサー達がいた

ガシャーン

アーサーは手元にあったグラスを落とした

「あら、大丈夫?どうしたのアーサー」

黒の王女テインタルが尋ねた。

「…また、エリンシアがエリンシアが王宮に…王が呼び出したそうです」

震える声で親戚の者たち、ティナからの手紙で状況を知るアーサー

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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   ティンタルとティナの会話

    「エリンシアの体調が良いから、一安心だわね可愛いティナ」「はい、ティンタル様、私も母さんが元気そうで嬉しいです」暖炉の傍で暖かなショコラを飲みながら、ティンタルが呟き小さなティナがその言葉に答えた。無事にエリンシアの出産を終えて、しばらくの後ティンタルは自分の怪我の治癒、休養に互いの雪の季節故に黒の国と巨人族の国との戦争、小競り合いは休止状態であるので今もエリンシア達の家にのんびりと居座りを決め込んでいたのだった。「ティナのお焼き菓子は美味しいわ、ありがとう」まだ小さなティナの赤毛の頭を優しく撫でながらテインタルが呟くように言う「テインタル様、ありがとうございます」頬を赤くして、小さなティナ最近は母親のエリンシアに廻りの者たちから料理を習い、ティナは少しづつ料理の腕前を上げてゆく他にも学ぶ事は多く、父親のアーサー達に母親のエリンシアからは楽器の演奏もはじめていた。「テインタル様、また黒の国の言葉を教えて下さい黒の国の絵本を貰いましたから、読みたくて」「ええ、大丈夫よ、良いわ」「異国の遠い国、黒の国の事がもっと知りたいです、ティンタル様」「だって、とても綺麗なティ様、ティンタル様の故郷ですもの」確かに…黒の国は懐かしい故郷、愛する王国束の間…ティンタルの記憶の中にある懐かしい幸せな幼い少女時代の記憶が脳裡をよぎる。だが、今のティンタルは逆らえない命令とはいえ、同胞である黒の国の民に刃を向け、多くを傷つけ、殺した。少し戸惑う表情をしてから、黒の王女であるティンタルは答えた。「…そうね、沢山教えるわ」「本当は武術も教えた方が良いのかしらね」少し考え込む仕草をして「ティナの魔法資質はどうかしら?」

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