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栄光の影

last update 게시일: 2025-10-19 11:00:49

 告発状を渡してから、裁定の日までは数日ある。

 王宮や学院側にとって、様々な調整と準備が必要だから。

 それは私達にとっても同じだった。

「これで裁定の日まで待てば良いのですね」

 私は聖女様に訊ねる。

 でも微笑みながらも、難しそうな表情をしていた。

「実を言うと、告発状や証言だけでは厳しい部分があるの。疑わしきは罰せず、という言葉もある通り、黒かどうか怪しければアプリルは白と決まってしまう」

 どこかで聞いたことがある。

 つまり、断罪の場での証言とかが弱かったらアプリルは断罪されない訳ね。

 確かに証拠といっても、あの切れ端だけじゃ弱い気もする。

 でもマズい……そうなったら、私のハッピーエンドが無くなっちゃう。

「どうすれば良いんですか!?」

 ちょっと興奮気味に訊く。

 せっかく告発状を書いたのに、無駄になるかもしれないなんて。

 そんなのはイヤだ。

「大丈夫。動か

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  • 聖女を信じて悪役令嬢を陥れ続けたら、断罪されたのは私でした   グルナに届いた報告

    【グルナ視点】 わたしは学院にある聖堂の高窓から、光を見上げていた。 優しい光がわたしを包んでくれて、気持ちが落ち着く。 大丈夫、あの二人の動向は分かっていない。 おそらく、廃都かどこかで果てている。 何も報告が来ないのが証拠かもしれない。 動向があれば、来るのだから。 特に廃都で果てているなら、報告する人間なんているわけ無い。『心配しているのですよ、グルナ』 優しい声が頭に響く。「大丈夫」『余裕みたいですが、そうなのかしら』 すると、聖女様の声が聞こえてくる。 わたしだけに聞こえる、導きの声。「えっ?」 まるでわたしの考えが間違っているかのように。『廃都は抜けようと思えば抜けられる。一人だけでは不可能ですが、アプリルの存在があれば……』「そんなこと」 少し俯きながら、聖女様の言葉を聞いていた。『どうでしょうね』 わたしを厳しい言葉で言い放った。 それから、少しして学院の侍女がわたしのところへ。「グルナ様、隣国の廃都に近い街において、マッサージで有名な露店があるようです」 マッサージで有名? どういうことなんだろう。「あの、どうしてその話題を?」「何日か前から金髪の少女が店主不在の間、行っているらしく、人気らしいです」 その言葉を聞いて、身体が震えた。 もしかして、サフィー・プラハなの? 彼女はマッサージが上手だった。 容姿が一致している。『だから言ったではありませんか。あなたが緩めたから、闇が息を吹き返そうとしているのです』 聖女様はわたしを糾弾した。 まるで犯罪者を逃がしたかのように。「でも、そこで終わる可能性だって」 小さな街で生きているだけ。 それならば、影響は大きくないはず。『いいえ。放置すれば、

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     荷物を整えて二週間以上過ごしていた宿を後にする。 ここから首都へ向かうことになる。 ニコラさんに頼んで旅路《たびじ》に必要な食べ物は、分けて貰った。 私のお金で買ったものもあるから。「サフィー、教会に行って良いかしら?」「は、はい」 アプリルがそう頼んできた。 確かに行ってみるのも悪くないかも。 聖女様の加護はないとしても、神頼みくらいはしても良いよね。「アプリルさん、本日出られるのですね」「ええ。お世話になりましたわ」 アプリルはカーテシーをしながら、教会のシスターに挨拶をしていた。「お祈りをしても?」 私はシスターに問いかける。「勿論」 この世界の教会における作法で、女神像に祈りを捧げる。 ふと目に入ったのは、聖女らしき肖像画が見えていた。 綺麗に描かれていて、描かれてから日数は経っていないみたい。 光が差していて、女神像よりも心なしか豪華だった。 まるで、祈りの中心が入れ替わっているみたいだった。「お美しいですね」 私はふと呟いていた。「はい、女神様は私達に見えませんが聖女様は度々現れます」「そうなんですね」 確かに、あの聖女様もいるのだから。 だからこそ、私は少し怖くなった。「我が国にもいらっしゃいますが、隣国の王国では有名な聖女様がいらっしゃるとか」「……グルナ・フスト様でしょうか」 私は絞り出すようにしながら問いかけた。 すると、シスターは驚いていた表情をしている。「よくご存じですね!」 知っているんだ。 となれば、このまま居続けても良くなかったかもしれない。「グルナ様は様々な奇跡を起こせるとか」「奇跡……」 確かにあった気がする。 不安になっていた人を安心させていたから。

  • 聖女を信じて悪役令嬢を陥れ続けたら、断罪されたのは私でした   次の行き先

     宿へ戻って、荷物を片付けていく。「終わったね」 大きく息を吐いて、肩の力を抜いていった。「ええ。最後まで、ちゃんと」 アプリルが優しく微笑んでいた。「で、これからどうする」 下の食堂へ行って、椅子に座りながらニコラさんが私達に問いかけた。 テーブルにはスープやパンなどが置かれている。「お店は完全にお返しします」「分かった」 ニコラさんは頷いた。 これで、もう戻れない。 少し寂しいのに、不思議と後悔はなかった。 そして彼は地図を取り出した。「この街は、ここだな」 廃都の砂漠に近い場所を指さす。「で、この国の首都はここから北にある」 道を辿《たど》るように、とある場所に指を置く。 二重丸がある場所。「首都ならここよりも仕事はある」 そう落ち着きながら説明していった。「人も多いし、流れも速い」 私はそれに耳を傾けていく。「露店、給仕、倉庫、何でもな」 思ったより、色々ありそう。 良さそうに思えてくる。「首都……」 その響き、この世界でも変わらない。「大きい場所、だよね」 東京やソウルみたいな場所なのかな。 いや、世界が違うから雰囲気も同じじゃないけれど。 不安もあるけれども、期待も浮かんでいた。 今度こそ、普通に生きられるかもしれない。「ですが、この街に留まるよりは安全ですわ」 アプリルはそう呟いた。 私を見つめながら。「安全?」 ここでも安全はあるかもしれないけれど。「探られている以上、固定される方が危険ですから」 あの人物。 それ以外にもいるかもしれないけれど。 もし、この街にあの聖女様がやってきたら、それこそ大変。「ま

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    last update최신 업데이트 : 2026-03-24
  • 聖女を信じて悪役令嬢を陥れ続けたら、断罪されたのは私でした   信じるという光

     翌朝。 鏡の前で髪を整えながら、昨夜の言葉が何度も頭に蘇っていた。(殿下に選ばれるのは、貴女です。わたしが保証します) その声が耳の奥でまだ響いているようで、指先に触れる髪さえ柔らかく輝いて見えた。 胸の奥に染みついたその一言は、不思議なほどの安心をくれた。 どれだけ不安でも、グルナ様がそう断言してくださったのなら、間違いない。 頬が自然に紅潮して、鏡に映る自分の笑顔さえ眩しく感じる。(これが”ヒロイン”の顔……ちゃんと出来ているわよね) 自分を確認するように笑ってみせる。 ほんの数日前までは、同じ鏡の前でため息ばかりついていたのにーー今は違う。 授業中。 試験を控え

    last update최신 업데이트 : 2026-03-23
  • 聖女を信じて悪役令嬢を陥れ続けたら、断罪されたのは私でした   太陽の下の影

     昼休みの中庭。 お昼ご飯を食べた後、私達が花壇の周りで談笑する中、グルナ様はいつものように柔らかな微笑みを向けて輪の中心に居る。 まるでグルナ様は太陽。さんさんと優しい光を私達に向けている。「心配しなくてもいいの。努力は必ず実を結ぶわ」 ある生徒がグルナ様へ試験などで不安になっている事を言って、グルナ様が頭を撫でながら安心させていた。「さすがグルナ様……!」 周囲の生徒達は感嘆の声を上げ、憧れの眼差しを向けていた。 その中には当然私も居る。「決して諦めてはいけませんわよ」「はい……!」 グルナ様のはげましは、この世界の誰よりも強い力がある。 だからグルナ様に尊敬しちゃ

    last update최신 업데이트 : 2026-03-22
  • 聖女を信じて悪役令嬢を陥れ続けたら、断罪されたのは私でした   夜の訪問者

     夜更け。 アプリルが眠った後、部屋の灯りを消してから間もなく、扉が控えめに叩かれた。「……サフィー、まだ起きているかしら?」 グルナ様の声だった。 思わず飛び起きて、アプリルを起こさないように慌てて扉を開ける。月光に照らされた白銀の髪が、夜の静寂に淡く輝いている。「グルナ様……!」「夜分にごめんなさいね。少し、お話ししたくなって」 そう言われただけで胸が高鳴る。私は迷いなく頷き、彼女の後に続いた。 案内されたのは、学院の一角にある小さな応接室。蝋燭の明かりに包まれた空間で、彼女は椅子をすすめ、微笑んだ。「先日のお茶会、とてもよく振る舞えていましたわ。殿下も貴女を見て、確か

    last update최신 업데이트 : 2026-03-22
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