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甘い顔、崩壊。①

last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-30 05:09:38

   ♠ 亮

エンジン音が止み、

振動を感じなくなると無理矢理ラゲッジスペースから足を掴まれて引き摺り降ろされた。

黒のゴミ袋を被っているためどこにいるのかも分からない。

階段を降りるように指示され、

何も見えない中一歩一歩慎重に進むと、

背もたれがある椅子に座らされた。

手足をビニール紐で何重にも拘束されると、

ようやくゴミ袋から解放された。

「居酒屋 生きとし生けるもの」から出て来た男女が俺と床に倒れる沙耶を囲んでいた。

恰幅の良い丸顔の女性が俺の前でキャッキャッと笑う。

顔の皮膚全体に人を不愉快にさせるノイズが表出していた。

「何で、笑うんですか」

口の中は水分がなくなり粘々する。

「意味分からないんだもの。

わざわざ自分から、

こんな奴のために捕まりに来るなんてさ」

丸顔の女は床にうつ伏せで倒れる沙耶を黒のパンプスの爪先で突いた。

「それは、

沙耶のことが、

大事だからですよっ」

とにかく言葉を発しないと、

おかしくなりそうだ。

「なるほどね。

この沙耶という人間は藤沢亮さんを大切にしてくれる女性だと思っているのですね」

俺の中での沙耶の像が液状化し、

ドロドロと思い出ごと溶
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  • 艶撫亮~embryo~   ほつれた包帯は唯織を包み、夢のドームを作る

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    夢人がライブを行う日、開演の十五時より三十分早く会場の綱島駅すぐの商店街に到着した。今回は商店街の中にある喫茶店を貸し切りで行うようだ。ニット帽を目深に被りマスクで顔を隠して商店街を歩いていると、洋菓子店から既視感のある人物が出て来た。すぐに足を止め、遠目からグレースーツの男の姿を観察する。間違いなく集団の中にいた清水と呼ばれていた男だ。偶然だろうか。清水はポケットに手を突っ込んで、商店街から外れた方に歩いて行った。間に何人か人を挟んで追跡を始めた。一体何をしているのか。「生きとし生けるもの合同会社」の存在に手がかりが掴めるかもしれない。綱島駅から離れるように細い坂道を上って行く。マンションやアパートの並ぶ道を進むと朱い鳥居が目に入った。清水が鳥居のある稲荷神社の敷地に入る。神社の隣にワゴン車が停まっていた。沙耶と俺を攫った際に使った車だ。俺はなるべく足音を立てないように神社の方へ向かう。鳥居の前へ近づきチラリと敷地内を覗き込んだ。鳥居の向こうに広がる光景を目にした刹那、驚愕から元来た道を足音忍ばせながら速足で戻った。鼓動が早くなり呼吸も荒くなる。ニット帽の中で粘っこい汗を流す。なぜ清水と夢人が二人で立って話していたのか。混乱しながら坂道を下る。夢人は「生きとし生けるもの合同会社」に関わりがあるのか。だが、先日俺が合同会社について夢人の前でも話したが、特に何も反応を示さなかった。 顔が隠れており気づけなかったのか。骨の内側までゾワゾワする。だが、反面でチャンスではないかと思う。もし夢人が合同会社に関係のある人物であるならば、彼の近くにいればそのうち合同会社の構成員と接触できるはず。坂を下る足を止めた。深呼吸を繰り返して自身に落ち着くように言い聞かせる。ここで逃げてはいけない。沙耶を絶望させた連中は絶対に許さないと決めた。神社に突撃は無謀なので、どこか物陰から彼らの会話を盗み聞きできないか。緊張で強ばる足を動かし、慎重に再び坂を上る。バレたら一巻の終わりだろう。彼らに存在を気付かれてはいけない。心音でバレるのではと不安になるほど早鐘を打つ。朱い鳥居に近付き、ワゴン車の陰に隠れた。会話の内容まで聞こえず、二人が車に戻って来たらバレる可能性も高い。どこか隠れられる場所

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