ログイン「金狼さん、今度テストでしょ?テストんとき俺さ絶対に夜は出歩かないんだよね。だからさ、よかったら携帯の番号教えて?」
俺はダメもとで聞いてみた。 「携帯は?今あるのか?」 金狼さんは俺の携帯が壊れてるのを知ってるから、今持ってるのかを聞いてくる。 「はい、さっき買い替えてきたから」 俺は慌てて携帯を取り出し金狼さんに差し出す。金狼さんは俺の携帯を受け取ると自部分のを取り出して、なんの躊躇もなく俺の携帯に金狼さんの番号とアドレスが登録された。勿論、彼の携帯には俺のが登録された。 「いいの?俺が知っちゃってもいいの?」 自分で聞いておきながら戻ってきた携帯を見て心配で聞いちゃった。 「あぁ、かまわない。どうせ聞こうと思ってたからな」 なんて返事が返ってきて、驚いて彼を見上げた。金狼さんの方が背が高いから仕方ないよね?
「えっ?どうして?」
ポカーンてしながら聞いちゃったよ。なんで金狼さんが俺の番号を知りたがるんだろう?
「心配だから。ほら、帰るぞ」
なんて言われてしまった。金狼さんが俺を心配?なんかすごく嬉しい。
金狼さんはんだポカンとしてる俺の手を掴むと歩き出した。
「うえぇぇ~!!」 突然すぎて変な声出しちゃった。ちょっと金狼さん?
「帰るっつただろ?今夜は家まで送る」
うわぁ、なんですかこのエスコートは!! 「あ…ありがとう…」 俺は素直にお礼を言った。ありがとう金狼さん。ただの気まぐれでも今の俺にはすごく幸せな時間だよ…
結局、俺は公園からずっと金狼さんに手を繋がれたままで家に帰って来た。
「ありがとう金狼さん。ごめんね」 俺がそう告げたら金狼さんが眉を顰め 「ありがとうは素直に受け取るが、ごめんは聞かない。これからもずっとお前からのごめんだけは聞かない」 なんて言いきられちゃった。俺はどうしていいのか困った。だって、こんなことを言われるなんて思ってなかったんだもん。 「じゃ…じゃぁ、ありがとう金狼さん翔太にいたってはなにやってんだこいつって呆れ顔で見てた。 「ふふふ、おはようのチュー。会長さんの唇げっちゅー」 なんて俺は唇に人差し指を当てて笑う。 「それで?気はすんだのか?」 そんなことを聞いてくる。普段の会長さんじゃ考えられない言葉に驚いた。おぉ? 「う~んとぉ。じゃぁじゃぁ、抱き着き~」 俺はおふざけしてま~すって感じに抱き着いた。勿論その場にいたみんなは固まったままなんだけどね。だって堅物で有名な生徒会長様にこんなことをしてるんだもん。しかも気が付いてるヤツいないんじゃない?あっ、翔太は除外ね。会長の腕がしっかりと俺の腰に回されてるのに…。「もういいだろ?時間になるぞ?」 会長さんは呟き俺の頭を撫でる。 「ふふふ、ありがとうね会長さん」 俺は素直に会長さんから離れた。その言葉に固まっていたみんなが呪文呪縛が解けたように我に返り動き始める。会長さんはもう一度、俺の頭を撫でて自分の教室に入っていった。「お前って命知らずだな」 ボソッと翔太が呟く。 「かもね。それも楽しくていいでしょ?」 俺は小さく笑い翔太と一緒に教室へと入る。 「で?なんであんなことしたんだ?」 席に着くなり翔太からの質問攻め。 「イヤ、なんとなく?」 本当になんとなく。 「なんとなくって…。お前あれは敵に回したぞ…」 翔太が溜め息をつく。 「あ~。かもしれないね。でもいいんじゃない?それも楽しくて」 きっと、会長さんを好きな連中を敵に回したんだろうな。 「ホント、お前の行動は意味不明だな相変わらず」 翔太が呆れてる。 「うん、俺も自分でそう思うよ」 俺は素直に頷いた。学校にいるときの俺は何時もこんな感じ。自分の行動だって自分で理解できてないときがほとんどだ。それは本当の自分を押し隠して偽りの自分を演じてるからかもしれないのだけど。こうして、俺と会長さんのキス騒動はやっぱり2限目が終わる頃には全学年に広まっていた。相変わらずはえぇんだよ!!! 「ありゃりゃ。やっぱりこうなるのね」 俺は目の前の連中を見て呟く。何がと言われれば…只今俺の前には数人の生徒が激怒してます。理由?言わなくてもわかるでしょ?会長さんとのチューよチュー。「どうしてあんなことしたんですか!」 「金城さんになんてことするんですか!」 「ふざけたことす
俺はいつものようにバスで学園に来てノロノロと歩いていく。 「そ~お~き~」 そんな声と共に後ろから翔太に抱き着かれた。 「おわぁ。どったの?」 俺は翔太の顔を見て聞いてみた。明らかに調子悪そうだったんだもん。 「二日酔い。昨夜さ、お前が帰った後でみんなに散々飲まされた」 翔太は俺から離れ頭を軽く振りながら教えてくれた。 「あはは。翔ちゃんが二日酔いになるぐらいだから相当だねぇ」 翔太はすっげぇ酒には強い。豪酒と言ってもいいぐらいだ。俺も同じぐらい強いけど翔太には負ける。そんな翔太を二日酔いに追い込むんだから流石メンバーだ。侮れない大人たち!! 「お前なぁ、ビール、チューハイ、ジン、ウォッカ、テキーラ、ウイスキーって店に置いてある酒を全種類もってこられてみろ、さすがに潰れるぞ?」 翔太は指折り数えながら苦笑を浮かべる。 「でも、それを断らないんだから翔ちゃんったらやっさしぃ~」 翔太はさメンバー思いなんだよね。だから年下だけどメンバーに慕われてるんだよね。俺たちはメンバーにしてみたら弟のようなもんだけどさ。だけど、頭として、翔太がちゃんとしてるからメンバーに信頼されてるんだよね。 「しばらく酒はいい」 ポツリ翔太が呟く。でも、明日か明後日にはまた飲んでるよこの人。いつもだもん翔太とメンバーのやり取りって。 「薬は?飲んだの?」 二日酔いになってるってことは頭痛が酷いんじゃないのかな?だからちゃんと飲んだのか聞いてみた。 「ん?あぁ、ちゃんと飲んだ。まだ効いてこねぇんだけどな」 翔太はそう答えてくれた。ならいいか。俺と違って翔太はそういうのちゃんと飲むもんね。俺たちはそのまま昇降口に向かい靴を履き替えて教室へと向かう。「お前さ、俺ってそんなに頼りないか?」 突然、翔太が聞いてくる。 「へっ?何が?」 俺は意味が分からなかった。何のことだろうか? 「目、腫れてる。俺じゃ役に立たないのか?」 俺はマジマジと俺を見て、目元をなぞっていく。 「もぉ~翔ちゃんったらぁ~だ~い好き~」 俺は思いっきり翔太に抱き着いた。 「きしょいわ!はぐらかしやがって」 翔太はそんな俺の頭をぐしゃっと撫でた。 「イヤだなぁ~俺、翔太には十分甘えてますよ~」 これ本当。でも…本
「金狼さん、今度テストでしょ?テストんとき俺さ絶対に夜は出歩かないんだよね。だからさ、よかったら携帯の番号教えて?」 俺はダメもとで聞いてみた。 「携帯は?今あるのか?」 金狼さんは俺の携帯が壊れてるのを知ってるから、今持ってるのかを聞いてくる。 「はい、さっき買い替えてきたから」 俺は慌てて携帯を取り出し金狼さんに差し出す。金狼さんは俺の携帯を受け取ると自部分のを取り出して、なんの躊躇もなく俺の携帯に金狼さんの番号とアドレスが登録された。勿論、彼の携帯には俺のが登録された。 「いいの?俺が知っちゃってもいいの?」 自分で聞いておきながら戻ってきた携帯を見て心配で聞いちゃった。 「あぁ、かまわない。どうせ聞こうと思ってたからな」 なんて返事が返ってきて、驚いて彼を見上げた。金狼さんの方が背が高いから仕方ないよね?「えっ?どうして?」 ポカーンてしながら聞いちゃったよ。なんで金狼さんが俺の番号を知りたがるんだろう?「心配だから。ほら、帰るぞ」 なんて言われてしまった。金狼さんが俺を心配?なんかすごく嬉しい。金狼さんはんだポカンとしてる俺の手を掴むと歩き出した。 「うえぇぇ~!!」 突然すぎて変な声出しちゃった。ちょっと金狼さん?「帰るっつただろ?今夜は家まで送る」 うわぁ、なんですかこのエスコートは!! 「あ…ありがとう…」 俺は素直にお礼を言った。ありがとう金狼さん。ただの気まぐれでも今の俺にはすごく幸せな時間だよ…結局、俺は公園からずっと金狼さんに手を繋がれたままで家に帰って来た。 「ありがとう金狼さん。ごめんね」 俺がそう告げたら金狼さんが眉を顰め 「ありがとうは素直に受け取るが、ごめんは聞かない。これからもずっとお前からのごめんだけは聞かない」 なんて言いきられちゃった。俺はどうしていいのか困った。だって、こんなことを言われるなんて思ってなかったんだもん。 「じゃ…じゃぁ、ありがとう金狼さん
「お前なぁ、暇つぶしで毎日あの場所に来るか?なんかあるんじゃねぇの?ちゃんとした理由が…」 俺の呟きに翔太が反論した。 「ん~わかんない。利用されてるだけでもいいや。今は傍にいられるだけで幸せだもん」 そういった俺に 「こんのおバカ!」 翔太に必殺デコピンをおみまいしてくれた。 「いったぁ~」 痛い。翔太のデコピンは地味に痛いんだよ。しかも後から痛みが増してくるというヤツ。 「お前さぁ、悪い方に考えすぎ」 翔太はそういうけど俺にはわからない。 「だってわかんないじゃん。俺はあの人の事なにも知らないもん。噂での彼しか…」 夜の街での噂の彼の事しか知らない。同じ年で同じ学校だっていうのも知らなかったんだし…。 「だぁ~!お前ってやつは!噂は噂。毎日、直接あの人と逢ってんだろ?だったら本人に聞けばいいじゃねぇか」 呆れ顔で翔太が言う。 「翔ちゃん、俺はね…怖いんだ。だから…知らないままでいい。これ以上は…嫌だよ俺」 俺の言葉に翔太がハッとする。そして 「ホント…くじ運悪すぎ…」 俺の頭を撫で呟いた。俺は夜に咲く華。蒼い蒼い華。誰にも媚びを売らない華。どこにも根をつけない華。彷徨う蒼い華。「翔ちゃん帰る」 俺は立ち上がり呟く。 「送ってくか?」 翔太がそう言ってくれたけど 「うぅん、いいや。歩きたい気分だから…また誘ってよ。まーくん携帯ありがと」 歩きたかったから断った。そして、まーくんに預けておいた携帯を受け取る。 「みんなもまた俺と遊んでねぇ~」 そして、みんなにそう言い残し店を出た。あっ、因みに支払いはZEAのメンバーで誰が出すかじゃんけんするからいつも払ってない。自分の分だけでも出すっていうんだけど、俺と翔太は未成年で一番年下だからっていう理由で却下されてるんだよね。大人になったらちゃんと払う約束だけは俺も翔太もしてるからね。一人になって溜め息をつく。煌びやかな街は俺には似合わない。俺は自然とまた溜め息
「お前どんだけくじ運悪いんだよ。でもよ、あの人はなんで毎晩お前の所に来るんだ?」俺の頭を撫でながら聞いてくる「ん~、それがわかんない。俺さ、初めて抱かれた日にさ、もう逢わないというか逢うつもりがなかったからバイバイって言ったんだよね。あの人だって夜の掟は嫌というほど知ってるはずだし。そしたらバイバイじゃなくてまたなって言われたんだよね。なんで?」俺はつい翔太に聞いちゃった。「イヤ、それは俺に聞かれてもわかんねぇけどさ。なんか不思議な人だな」俺に聞かれた翔太が苦笑を浮かべた。だよね。本人じゃないんだもんわかんないよね。「うん。不思議な人だよね。なんか俺の心を見透かされてる感じ。あの人の前だと自分のペース乱されっぱなしよ俺」俺はグラスに残ってる酒を飲み干した。「この蒼華をねぇ。やっぱり一度は逢ってみてぇなぁ」翔太が感心してる。「いくら翔太でもあの場所に来たら殺すよ?」半分は冗談で半分は本気でいう。あの場所は俺の逃げ場所だから…「わかってるよ。だから行ってねぇだろ?それに、俺がやり合ったら勝てねぇのわかってんだろ?ずっと負けっぱなしだよ、クソッ」翔太が溜め息をつく。実は翔太よりも俺の方が強いのをメンバー全員が知っている。でも、俺を頭にしなかったのは翔太が止めたのと、俺自身が拒んだから。俺は人の上に立つような人間じゃない。上に立って仲間を従えるなんてガラじゃないんだよね。俺は一緒にはいるけど、あれこれとまとめたり指示したりするのは苦手だからできないんだ。「…なぁ…翔太」俺はマジマジと翔太の横顔を見る。「ん?」酒を飲みながら俺の方を見返してくれる。「俺と寝てどうだった?」つい、昔のことを聞いてしまった。「ぶっ!」翔太は盛大に飲みかけの酒を吹き出した。あっ、直球すぎたかな?実は俺の初めての相手は翔太だったりする。あの時の俺は恋愛感情とか深い感情はなくて、あったのは唯の好奇心だけ。だから俺たちは今でもこうして後腐れなくやっていられてる。でも、本当は知ってるし、気付いてた。あの頃の翔太は恋愛感情で俺の事が好きだったというのを…。そてして、俺が寂しがっていたるを翔太が気付いていたのも…「ねぇ、どうだった?」もう一度、同じ質問をしてみる。翔太の顔が見る見る間に真っ赤に染まっていく。普段そんなに顔に出ないのにね。「お前なぁ、よかっ
「終わったか?」俺が椅子に座るとマスターの正輝さんがウイスキーの入ったグラスを置いてくれた。普通は未成年に酒は出さないよ。でもこの人は違うんだ。ZEAのメンバーが一緒だと平気で俺や翔太に酒を出してくれる。「うん。あっ、正輝さん、データチョーだい。携帯壊れて新しくしたから」俺はお願いしてみる。「はぁ?お前、暗記してるだろうが。自分で登録し直せ」なんてあっさり却下されました。実際に暗記してるもん。「ちぇ~。いいもん。あっ、まーくんデータチョーだい」俺はまーくんに向かって携帯を投げた。「了解。全員分を登録していいんだよね?」まーくんは投げた携帯をキャッチして確認の意味で聞いてくるから俺は頷いた。残りは学校の連中か。それ以外の個人は自分で入れるしかないけど。「大丈夫か?」不意に翔太が聞いてきた。「ん~、ダメかも。死にそう…。いい加減に開放して欲しいよ」俺は溜め息をついた。「そろそろ潮時なんじゃね?」翔太も溜め息をついた。「多分ね、近いと思う」翔太の言葉に俺は同意した。そうなったら俺はどうするんだろう?本当…どうなるんだろう?このまま壊れていくのかな?暫くお互いに無言で飲んでた。「…翔太…俺さ…マジでヤバいかも…」ポツリと俺は呟いた。「はっ?何が?」行き成りすぎて意味が分からんとばかりに翔太が驚く。俺はカウンターにうつ伏し「んっ、なんかさ…マジで惚れちゃったかも…ヤバいくらい…」そう続けた。翔太の目が驚きで丸くなる。「はぁ?ちょっと待て、一体、誰に?ってかいつの間に??」うん、そうだよね。行き成りだし、誰だかわかんないよね。「うん、金狼さんに…惚れちゃったかも…」視線だけ翔太に向けた。「はぁぁ?ちょっと待て、お前あの人と一体どんだけ逢ってんだよ。いつの間に??」翔太が相手を聞き驚く。まぁ、一言も話してないから当たり前なんだけどさ。「ん、実はさ…ここの所ずっと毎日あの人と逢ってた。例の公園でさ…」だから俺は本当のことを話した。こんな話は学校じゃ話せないから…「毎日って…じゃぁ昨夜もか?」驚いたままで翔太が聞いてくる。「うん。でもさ、俺が怖くて逃げた。傍にいるのが辛くて…そしたらこの有様ですよ」俺はグラスを傾け、ケガをした右腕を見せる。「だから、何もしなくていいって言ったわけだ」翔太の







