Home / BL / 蒼人と空、君と過ごしたあの季節 / 7月の教室、君と向き合った試練

Share

7月の教室、君と向き合った試練

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-06-07 08:00:42

蒼人と空は初めての試合を終え、サッカー部での絆をさらに深めていた。試合でのパスやハグを通じて、蒼人は空への恋心を「本当に好きだ」と自覚し、空もまた蒼人との時間を大切にしていた。しかし、そんな二人の関係に、思いがけない試練が訪れることになる。

月曜日の朝。週末の試合の余韻に浸ってた蒼人は、いつも通り教室に入った。空はすでに席についていて、蒼人を見つけると元気に手を振った。

「ソ:おはよー、アオ! 試合、楽しかったな! 今日も部活頑張ろうぜ!」

「ア:おはよう…うん、楽しかった。ソラ、試合後の筋肉痛は?」

「ソ:はは、ちょっと痛いけど大丈夫! アオは?」

「ア:俺も…でも、ソラと一緒なら頑張れるよ」

二人が笑い合う中、クラスメイトの佐藤がニヤニヤしながら近づいてきた。佐藤は試合当日、サッカー部の応援に来ており、試合後の蒼人と空がハグしてる場面を直接目撃していた。

「サ:お前ら、試合の後、めっちゃイチャイチャしてたな! 俺、しっかり見てたぞ。やっぱりBLカップルだろ?」

「ソ:バカ言うな! 俺ら、友達だよ! 普通だろ!」

空が笑いものにするけど、佐藤はさらに話を煽るように続けた。

「サ:いやいや、俺、試合後の2人がハグしてるの見たんだから! あれ、絶対ただの友達じゃないって。クラスのみんなにも話してきちゃった!」

蒼人は顔が熱くなり、俯いた。佐藤の軽いノリが、嫌な予感をさせた。試合の日に佐藤がいたことは覚えていたが、まさかそんな風に見られていたとは思わなかった。

朝のホームルームが始まる前、クラスの雰囲気がいつもと違うことに蒼人は気づいた。女子生徒たちがひそひそ話をし、時々蒼人と空の方を見ては笑っている。蒼人が不思議に思っていると、廊下から騒ぎが聞こえてきた。クラスメイトの一人が慌てて教室に入ってきて、叫んだ。

「生徒:大変だ! 学校中にビラが貼られてる! 蒼人と空がBLカップルだって書いてあるんだって!」

クラスが
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   解放と新たな始まり

    春休みが始まり、理沙と別れて数日が経ったこの日、蒼人の心には微妙な変化が訪れていた。第59話で屋上での真実の告白を経て、理沙との関係に終止符を打った蒼人は、罪悪感と葛藤から解放され、心が軽くなっていた。理沙の転校が決まり、彼女が去った後も、毎週末の行為がもたらした重荷が消え、代わりに新たな自由を感じていた。4月5日が彼の誕生日であることもあり、未来への期待が少しずつ芽生え始めていた。引き出しにしまった理沙のブラとパンツ、律のパンツが奇妙な思い出として残る中、蒼人は空と律との関係を見つめ直す時間を過ごしていた。朝、蒼人はベッドから起き出し、カーテンを開けた。春の柔らかい日差しが部屋に差し込み、窓の外では桜のつぼみが膨らみ始めていた。理沙との別れは、最初は胸を締め付ける痛みだったが、時間が経つにつれてその痛みが薄れ、代わりに心の余裕が生まれていた。毎週末、理沙と過ごした時間は確かに楽しかったが、それが愛情ではなく衝動だったと認めたことで、自分自身と向き合う勇気を得ていた。鏡に映る自分の顔を見つめながら、蒼人は小さく呟いた。「ア:(理沙…ごめん。でも、これで良かったのかも。空と律…俺、ちゃんと気持ちを伝えたい。)」彼はキッチンに向かい、簡単な朝食を用意した。トーストにバターを塗り、紅茶を淹れる手つきは普段より穏やかだった。テーブルに座りながら、最近の出来事を振り返った。理沙との関係は、彼の心に深い傷を残したが、同時に空や律との絆を見直すきっかけにもなっていた。空との距離が縮まった瞬間や、律が不登校から戻ってきた時の安堵感が、記憶の中で鮮やかに蘇った。午後になると、蒼人は家を出て近所の公園を散歩することにした。春の風が頬を撫で、子供たちの笑い声が遠くから聞こえてきた。ベンチに座り、桜の木を見上げながら、彼は空と律のことを考えた。空の優しさや律の繊細な気遣いが、理沙との関係とは異なる温かさを持っていることに気づいていた。誕生日が近づくにつれ、彼らの存在がより大切に感じられていた。「ア:(4月5日…誕生日。何か変わるかな。空と律がそばにいてくれたら…)」その頃、空は自宅で誕生日パーティーの準備に取り掛かっていた。理沙との誤解が解けたことで、蒼人

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   別れと真実の告白

    春の訪れを感じさせるこの日、蒼人たちは1年生最後の学校の日を迎えていた。空との再会と行為、律の混乱と自己処理を経て、三人の関係は複雑なまま推移していた。空との対立は緩和されつつあったが、律の心の傷と理沙の影響は未解決のままだった。蒼人の心は罪悪感と愛情が交錯し、理沙との関係が新たな転機を迎えようとしていた。理沙との毎週末の家デートや体の関係が、彼の記憶に深く刻まれていたが、その裏には抑えきれない葛藤が存在していた。 この日のホームルームで、担任が衝撃的な発表を行った。理沙が2年生から転校するというのだ。教室はざわめき、蒼人はその言葉に一瞬凍りついた。理沙との関係が終わりを迎える現実が彼の胸を締め付けたが、同時に解放感のようなものも感じていた。空と律もそのニュースに驚き、蒼人の表情から何か隠された感情を読み取った。空は蒼人を気遣い、律は不登校の孤独の中で蒼人への想いを募らせていた。 放課後、蒼人は理沙を学校の屋上に呼び出した。夕陽が校舎を染める中、二人は屋上のフェンスに寄りかかり、静寂が漂った。蒼人は深呼吸し、理沙と向き合った。彼女の目には期待と不安が混じっていたが、蒼人の表情は決意に満ちていた。 「ア:理沙…転校って本当か? 俺、もう会えないのか?」 「理沙:うん…家族の都合で。私、ごめんね、蒼人。でも、私たちの時間は消えないよ。心に残るから。」 蒼人は一瞬言葉を詰まらせたが、勇気を振り絞って本心を口にした。毎週末の行為、律や空との三角関係、そして自分の心の混乱—全てを整理する瞬間が来たのだ。 「ア:理沙…正直に言う。俺、君のこと…本当は好きじゃない。毎週のことは、楽しかったけど…それは愛じゃなくて、ただの衝動だった。ごめん。」 理沙は一瞬言葉を失い、目を大きく見開いた。彼女の顔から笑顔が消え、代わりに深い悲しみが広がった。蒼人の言葉は冷たくもあり、どこか解放的な響きを持っていた。理沙は唇を震わせ、涙を堪えながら答えた。 「理沙:…そうか。分かった、蒼人。私、勝手に思ってただけだったんだね。でも、ありが

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   空の到着と抑えきれない衝動

    空は自転車を飛ばし、蒼人の家の前までたどり着いた。ドアは半開きで、律が慌てて出て行った痕跡が残っていた。空は息を切らしながら中に入り、蒼人の部屋へ向かった。ドアを開けると、そこには理沙の姿はなかったが、蒼人は全裸のまま布団にくるまって床に座り込んでいた。シーツには白いシミが残り、部屋には行為の余韻が漂っていた。蒼人の目は虚ろで、引き出しにしまった律のパンツを振り返る奇妙な笑みが浮かんでいた。「ソ:蒼人! 無事か!? 律から聞いた…何があったんだ!?」「ア:(空…来てくれた…)」蒼人は声を出せないまま、空を見つめた。空は一瞬で状況を理解し、蒼人の全裸姿に目を奪われた。久々に興奮が抑えきれなくなった。蒼人の無防備な姿と、理沙との行為の痕跡が空の心を掻き乱した。空は衝動に駆られ、蒼人に近づき、布団をそっと剥ぎ取った。「ソ:蒼人…お前、こんな姿で…俺、抑えられない。」蒼人は驚きで身を固めたが、空の熱い視線と近づく手を感じ、抵抗する力を失った。空は自分の服を脱ぎ捨て、蒼人の体に手を伸ばした。空の指が蒼人の胸を滑り、腹部を撫で、モノに触れると、蒼人の体は反応し始めた。空は蒼人の首筋にキスを落とし、唇を重ね、深いキスで舌を絡ませた。蒼人の呼吸が乱れ、行為への流れに抗えなかった。空は蒼人をベッドに押し倒し、自身のモノを蒼人の秘部に導いた。優しく挿入し、最初はゆっくりと腰を動かした。蒼人は痛みと快感の間で身をよじったが、空の動きに慣れるにつれ、体の熱が上がった。空の腰の動きが速まり、蒼人の胸に手を置き、強く抱き寄せた。「ソ:蒼人は俺のものだ。」空の声は低く、所有欲に満ちていた。蒼人は空の胸に抱かれ、理沙や律との出来事を忘れるように体を委ねた。空の動きがクライマックスに達し、二人は同時に絶頂を迎えた。シーツに新たなシミが広がり、行為が終わる頃、蒼人は空の腕の中で息を切らしていた。「ア:(空…俺、君のもの…? 律が…)」空は蒼人を胸に抱いたまま、優しく髪を撫でた。対立していた時間が嘘のように、二人の間に熱い絆が戻った瞬間だった。空の目には、蒼人を独占したいという強い意志が宿っ

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   予期せぬ再会と崩れる絆

    この日も、両親が不在の午後、理沙が蒼人の家を訪れた。二人とも特別な言葉を交わさず、いつものように蒼人の部屋へ向かった。理沙はベッドに腰掛け、蒼人をそばに引き寄せた。彼女の目には慣れた愛情と、蒼人を自分のものにしようとする強い意志が宿っていた。「理沙:蒼人、また二人でリラックスしようね。」「ア:うん…理沙、毎回ありがとう。」会話はそこまでで、理沙の手が蒼人の肩から胸へ滑り、シャツを脱がせ始めた。蒼人もまた理沙の服を脱がせ、二人は全裸になった。理沙は蒼人の上に跨り、優しく彼のモノを手に取った。彼女の指が先端を撫で、上下に動かすと、蒼人の体はすぐに反応した。理沙は蒼人の首筋にキスを落とし、唇を重ね、舌を絡ませる深いキスに発展した。蒼人の呼吸が荒くなり、理沙の胸が彼の胸に擦れる感触に快感が広がった。理沙は蒼人のモノを自身の秘部に導き、ゆっくりと受け入れた。彼女の内側が蒼人を締め付け、熱い感覚が彼を包んだ。理沙の腰が上下に動き始め、最初は優しく、次第にリズムを速めた。蒼人は理沙の動きに合わせ、自身の腰を突き上げるように反応した。彼女の胸が揺れ、汗が二人の体を滑り、ベッドが軋む音が部屋に響いた。理沙の吐息が耳元で混ざり合い、蒼人は快感に支配されつつあった。「理沙:蒼人…もっと感じて。私のこと、想ってね。」「ア:(理沙…またこんなことに…空と律が…)」行為はクライマックスへと近づいていた。理沙の動きが激しさを増し、蒼人の体が限界に達しようとしたその瞬間、突然、部屋のドアが開いた。そこに立っていたのは、律だった。蒼人と理沙の全裸の姿、絡み合う体が律の目に飛び込んできた。部屋は一瞬凍りつき、時間さえ止まったかのように感じられた。「リ:(蒼人…何!? 何!? 何!?)」律の声は震え、目には驚愕と裏切り感が宿っていた。蒼人は理沙から身を離し、慌ててシーツで体を隠したが、時すでに遅しだった。理沙もまた驚きで動きを止め、蒼人と律の間に視線を彷徨わせた。蒼人の心は罪悪感と羞恥で打ちのめされ、言葉が出なかった。「ア:(律…どうして今!? 空と…ごめん…)」その時、

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   新たな鎖と理沙の誘い

    理沙との家デートは、初回以降、毎週末に定例化していた。両親が不在の土曜日や日曜日、蒼人は理沙を自宅に招き、二人は密かな時間を過ごすようになった。初回の衝撃的な体験後、理沙は蒼人との親密さを深めようと積極的に行動し、蒼人もその流れに抗えず、徐々に理沙に引き込まれていった。時折、ショッピングやランチを挟みつつも、自宅での時間が増え、蒼人の心は理沙への依存と空、律への未練の間で引き裂かれていた。 この日のデートも同様に始まった。午後、理沙が蒼人の家にやってくると、二人はリビングで軽い会話を交わした後、いつものように蒼人の部屋へ移動した。理沙は慣れた様子でベッドに腰掛け、蒼人をそばに引き寄せた。彼女の笑顔は優しさに満ちていたが、その裏には蒼人を自分のものにしようとする強い意志が潜んでいた。「理沙:蒼人、最近疲れてるみたいだね。リラックスして。」「ア:うん…理沙、ありがとう。でも、頭が…整理できてないんだ。」理沙は蒼人の言葉を聞きながら、彼の肩に手を置き、そっとマッサージを始めた。蒼人の緊張がほぐれる中、理沙の手が徐々に下へ滑り、蒼人の胸元に触れた。その瞬間、蒼人の手が無意識に理沙の胸に伸びてしまった。柔らかな感触に驚き、蒼人は慌てて手を引っ込めようとしたが、理沙は優しくその手を掴み直した。「理沙:いいよ、蒼人。触っていいから。こうやって…。」理沙は蒼人の手を導き、自身の胸を優しく撫でるように動かした。彼女の手ほどきに導かれ、蒼人は戸惑いながらも理沙の体に触れる感触に引き込まれていった。理沙はブラジャーを外し、蒼人の手に直接肌を触れさせ、柔らかさと温かさを味わわせた。蒼人の指が理沙のチ〇ビに触れると、彼女は小さく息を漏らし、蒼人の反応を楽しみながらさらに積極的に動いた。「ア:(理沙…こんなの…空と律が…でも、止められない…)」理沙は蒼人の耳元で囁きながら、自身の服をすべて脱ぎ捨て、全裸になった。彼女の滑らかな肌が蒼人の前に露わになり、蒼人は羞恥と好奇心で体が熱くなった。理沙は蒼人のシャツを脱がせ、パンツを下ろし、彼もまた全裸にされた。二人はベッドに横たわ

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   理沙との初デート

    春の兆しが感じられる朝、蒼人の心は依然として重かった。バレンタインデー後の空との対立は解消されず、ギスギスした関係が続いていた。空は蒼人への想いを抑えきれず、教室での視線は鋭く、言葉は少ないままだった。蒼人はその態度に耐えながらも、胸が締め付けられる思いだった。一方、律にはバレンタインデーのスマホカバーに対する返事を送っておらず、彼の不在と不登校が蒼人の心に空白を残していた。律も蒼人の沈黙に気づき、遠くから想いを寄せるだけであった。三角関係はさらに緊張感を増し、蒼人の内面は混乱の極みにあった。そんな中、理沙との初デートの日が訪れた。理沙の告白を受け、蒼人は彼女の純粋な気持ちに惹かれ、少しだけ心の拠り所を見出していた。土曜日、蒼人は理沙と待ち合わせをし、街へと向かった。空との対立や律の不在を頭から追い出そうと努めながらも、どこかで罪悪感がくすぶっていた。デートは朝から始まった。まず、ショッピングモールで二人並んで服を見たり、アクセサリーを試着したりした。理沙の笑顔が蒼人を和ませ、初めての異性との時間を楽しもうとする気持ちが芽生えた。昼にはカフェでランチをとり、理沙が選んだサンドイッチを分け合いながら会話を弾ませた。理沙の自然な振る舞いに、蒼人は少しずつ緊張が解けるのを感じた。「理沙:蒼人、こういうの楽しいね。また一緒に行こう。」「ア:うん…ありがとう、理沙。楽しいよ。」午後になり、蒼人は勢いで理沙を自宅に誘った。両親は出かけており、家は二人きりだった。最初はドキドキしてソファに座るのもぎこちなかったが、理沙の明るい態度が雰囲気を和やかにした。紅茶を淹れ、お菓子を出しながら二人で談笑した。しかし、会話が途切れた瞬間、理沙が突然切り出した。「理沙:蒼人、空のこと好きなんだよね?」蒼人はその言葉に凍りついた。空との対立や想いを隠していたつもりだったが、理沙の鋭い観察力に驚いた。返す言葉に戸惑い、口ごもる蒼人を見て、理沙は静かに近づき、手を伸ばした。その手が蒼人のズボンの上からモノに触れ、蒼人は一瞬息を呑んだ。蒼人のモノは理

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status