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冬休みの終わりと新たな傷

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-07-14 08:00:49

冬休みが終わり、再び学校が始まった。雪が溶け始めた校庭を眺めながら、教室は新しい学期のざわめきに包まれていた。しかし、その喧騒の中でも、律の席は空っぽのままだった。不登校が続いており、彼の不在はクラスに微妙な空気を残していた。一方、空は蒼人との距離を意識的に置いていた。50話での勝負後、二人の関係に微細な亀裂が生じ、言葉少なに過ごす日々が続いていた。蒼人はその変化に戸惑いながらも、日常を装って教室にいた。

始まって数日後の昼休み、蒼人は教室の隅で一人、窓辺に寄りかかっていた。クラスメイトのKが近づいてきた。Kは普段からやんちゃな性格で、挨拶がわりに軽いからかいを仕掛けることが多かった。その日も、Kは突然、冗談めかして蒼人の肩を叩き、「お前、元気か?」と笑いながら言った。そして、驚くべきことに、Kはさらに手を伸ばし、蒼人のズボンの上からモノを掴んだ。

「K:(笑) ちょっと驚かせてやろうぜ!」

蒼人は反射的に体を引こうとしたが、Kの力に抗えず、抵抗できなかった。すると、予想外のことに、蒼人の体が反応して硬くなってしまう感覚が広がった。Kはそれに気づき、目を丸くしながらも興味津々に笑い、「おお、反応してるじゃん!」とからかった。不意に、Kは蒼人のズボンに手をかけ、一気に足首まで下げてしまった。教室の喧騒の中、蒼人の下着が露わになり、初めてクラスメイトに根元に生え始めた産毛が見られてしまった。

「蒼人:(やめて…何!? 見ないでくれ…)」

Kは一瞬驚いた後、筆箱からハサミを取り出した。「これ邪魔だな」と言いながら、産毛を切り始めた。鋏の冷たい感触が肌を這い、産毛がパラパラと床に落ちる。蒼人は動けず、ただその行為を見つめるしかなかった。ハサミが止まり、Kが満足げに「ツルツルに戻ったな!」と笑うと、蒼人の目は涙で潤んだ。かつての無防備な少年時代に戻されたような屈辱が、心を締め付けた。

「蒼人:(また…こんな目に。涙が止まらない。どうして…)」

その瞬間、教室の喧騒が一瞬止まったように感じられた。Kはハサミをしまい、からかいの笑みを浮かべたまま去っていった。蒼人は慌ててズボンを上げ、涙を拭ったが、胸の内には深い傷が残った。律の不在と空との距離感
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  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   揺れる心と新たな出会い

    雪が舞う中、バレンタインデーが訪れた。朝、教室ではチョコの香りとざわめきに包まれ、女子たちが男子にプレゼントを渡す光景があちこちで見られた。しかし、蒼人にとってこの日は依然として重苦しいものだった。冬休み明けから続いていたクラスメイトKからの嫌がらせは止むことなく、ズボンを下げられたり、からかいの言葉を浴びせられたりする日々が続いていた。ちょっと前に、空からチョコ、律からスマホカバーを受け取ったことで少し心の支えを得たものの、教室での孤立感は拭い去れなかった。Kは仲間と共に蒼人を遠巻きに観察し、時折不気味な笑みを浮かべていた。蒼人は耐えるしかなかった。その日、昼休みが始まると、教室は一層賑やかになった。蒼人はいつものように窓辺の席で一人、鞄から空のチョコを取り出し、そっと眺めていた。律のスマホカバーを手に持つと、二人の想いが胸に広がり、わずかな安らぎを感じた。しかし、Kたちの視線が気になり、すぐに鞄にしまったその時、隣の席に座るクラスメイトの理沙が近づいてきた。理沙は普段から穏やかで、蒼人とは特に親しくはないものの、挨拶を交わす程度の関係だった。彼女は手に小さな包みを持ち、顔を少し赤らめながら蒼人の前に立った。「理沙:蒼人、ちょっと時間いい?」蒼人が驚いて顔を上げると、理沙は深呼吸をしてから言葉を続けた。「理沙:あの…バレンタインデーだから、気持ちを伝えたくて。好きだよ、蒼人。付き合ってほしい。」彼女は包みを差し出し、その中には手作りのチョコが入っていた。初めて異性からの告白を受けた蒼人は、言葉を失い、頭が真っ白になった。「ア:え…俺?」蒼人は思わず自分の胸に手を当て、理沙の真剣な表情を見つめた。彼女の目は期待と緊張で揺れ、チョコを渡す手が少し震えていた。教室の喧騒が遠くに感じられ、蒼人の心は突然の出来事に揺れ始めた。空と律への想いは深く刻まれていたが、理沙の純粋な告白は新しい感情を呼び起こした。2人はまだ蒼人が告られたことを知らず、彼の内面の葛藤は誰にも共有されていなかった。「ア:(理沙…好きって言われた。初めての気持ちだ

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   理沙との初デート

    春の兆しが感じられる朝、蒼人の心は依然として重かった。バレンタインデー後の空との対立は解消されず、ギスギスした関係が続いていた。空は蒼人への想いを抑えきれず、教室での視線は鋭く、言葉は少ないままだった。蒼人はその態度に耐えながらも、胸が締め付けられる思いだった。一方、律にはバレンタインデーのスマホカバーに対する返事を送っておらず、彼の不在と不登校が蒼人の心に空白を残していた。律も蒼人の沈黙に気づき、遠くから想いを寄せるだけであった。三角関係はさらに緊張感を増し、蒼人の内面は混乱の極みにあった。そんな中、理沙との初デートの日が訪れた。理沙の告白を受け、蒼人は彼女の純粋な気持ちに惹かれ、少しだけ心の拠り所を見出していた。土曜日、蒼人は理沙と待ち合わせをし、街へと向かった。空との対立や律の不在を頭から追い出そうと努めながらも、どこかで罪悪感がくすぶっていた。デートは朝から始まった。まず、ショッピングモールで二人並んで服を見たり、アクセサリーを試着したりした。理沙の笑顔が蒼人を和ませ、初めての異性との時間を楽しもうとする気持ちが芽生えた。昼にはカフェでランチをとり、理沙が選んだサンドイッチを分け合いながら会話を弾ませた。理沙の自然な振る舞いに、蒼人は少しずつ緊張が解けるのを感じた。「理沙:蒼人、こういうの楽しいね。また一緒に行こう。」「ア:うん…ありがとう、理沙。楽しいよ。」午後になり、蒼人は勢いで理沙を自宅に誘った。両親は出かけており、家は二人きりだった。最初はドキドキしてソファに座るのもぎこちなかったが、理沙の明るい態度が雰囲気を和やかにした。紅茶を淹れ、お菓子を出しながら二人で談笑した。しかし、会話が途切れた瞬間、理沙が突然切り出した。「理沙:蒼人、空のこと好きなんだよね?」蒼人はその言葉に凍りついた。空との対立や想いを隠していたつもりだったが、理沙の鋭い観察力に驚いた。返す言葉に戸惑い、口ごもる蒼人を見て、理沙は静かに近づき、手を伸ばした。その手が蒼人のズボンの上からモノに触れ、蒼人は一瞬息を呑んだ。蒼人のモノは理沙の触れ合いに反応し、元気になってしまった。理沙はそれに気づき、優しく微笑みながら投げかけた。「理沙:ほら、体はホントのこと言ってるよ。」理沙の行為はここからエスカレートしていった。彼女は蒼人の反応にさらに興味を示し、ズボ

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    新学期が始まって1ヶ月が経った。2025年2月6日、冬の寒さがまだ肌に染みる朝、蒼人は学校へと向かう足取りを重くしていた。冬休み明けから続いていたクラスメイトKをはじめとする嫌がらせは、収まるどころか日に日にエスカレートしていた。ズボンを下げられ、産毛を切られた屈辱(第51話)の記憶が脳裏に焼き付き、蒼人は毎朝鏡の前で自分を鼓舞するしかなかった。「耐えろ。誰かに見放されたわけじゃない」と自分に言い聞かせ、教室へと足を踏み入れた。Kは時折意味ありげな笑みを浮かべ、仲間たちとひそひそ話をしていたが、蒼人はそれを見ないふりをして席に着いた。内面では恐怖と怒りが渦巻いていたが、声を上げる勇気はまだ生まれていなかった。2月に入り、バレンタインデーが近づいてきた。クラスでは女子たちがチョコの話題で盛り上がり、男子たちもそれに便乗して浮かれた雰囲気が漂っていた。蒼人にとって、この時期はただの通過点に過ぎなかった。空との距離感は依然として解消されておらず、50話の勝負後のぎこちなさが二人の間に残っていた。一方、律は依然として不登校を続け、蒼人の心にはその不在が重くのしかかっていた。バレンタインデーが近づくにつれ、蒼人は孤独感を一層強く感じていた。その日、放課後、蒼人はいつものように教室に残り、窓辺でぼんやりと外を眺めていた。Kたちの視線を感じながらも、彼は無視を決め込んでいた。家に帰るのが億劫で、校舎の廊下を一人で歩いていると、突然、空が頭をよぎった。50話以降、空は蒼人とほとんど口をきかず、教室でも目を合わせない日々が続いていた。それでも、蒼人の心の奥底には、空への想いがまだくすぶっていた。だが、その想いをどう形にすればいいのか、蒼人にはわからなかった。家に帰ると、玄関の郵便受けに小さな包みが入っていた。蒼人は不思議に思いながら取り出すと、そこには手作りのチョコが丁寧にラッピングされ、メッセージカードが添えられていた。カードには、震えるような文字でこう書かれていた。「蒼人へ。50話の勝負で距離ができたけど、俺はお前を忘れられない。バレンタインデーに間に合うように作ったから、受け取ってほしい。—空」。蒼人はその言葉を読み、胸が締め付けられる思いがした。空が自分を想ってチョコを作った事実に、涙が溢れそうになっ

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  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   律の過去

    律の過去は、暗く重い影を帯びていた。彼は5年生の途中で蒼人と一緒の小学校に転校してきた。その背景には、前の学校でのいじめが原因で家族が引っ越した事実があり、新しい環境での再スタートを期待していた。しかし、律の小さな体と幼い顔立ちは、すぐに新たな標的となってしまった。卒業までの2年間の記憶は、律にとって忘れられないトラウマとして刻まれている。虐めの始まりは、転校初日のプールの授業だった。教室で水着に着替える際、緊張と見知らぬ環境への不安から、律の小さなモノが硬くなっている状態をクラスメイトに見つかってしまった。前の学校の名残でタオルを巻いてなかったので、慌ててタオルで隠そうとした。すかさず、クラスメイトの一人が素早くタオルを奪い、丸出しになった律を囲んだ。クラスメイトたちは、驚いた顔を見せながらも興味津々に近づき、「新入りがこんな状態って!」「小さすぎ!」と囃子立て、指をさしてからかう声が響いた。ある子は「こんなの初めて見た!」と目を輝かせ、別の子が「ちょっと触ってみようぜ」と言い出し、律のことをロボットかでもあるように扱い始めた。スマホを取り出した子が動画を撮影し、「拡散してやろうぜ」と笑いながら賛同した。律は言葉を失い、羞恥で顔を真っ赤にしながら床に目を落とした。 「リ:(初日なのに…見ないで。転校してきたのに、また同じ目に? 助けてほしい…)」 その出来事は、6年生になっても尾を引いた。律は成長が遅く、依然としてキャラクターの絵が描かれたブリーフを着ていた。ゴムの部分には母親がマジックで「りつ」と書いた文字が粗く残っており、それがさらにからかいの対象となった。ズボンを下げられる行為は日常茶飯事となり、教室では「おい、お前のパンツ見せてみろよ」と囃子立てられ、彼はズボンを剥がされると、クラスメイトたちは「まだ子供かよ!」と笑いものにした。転校生としての孤立感が、虐めを一層過酷なものにした。 「律:(このパンツ…ずっと使ってるのに、みんなに笑われる。転校しても逃げられない…)」 虐めは、6年生の修学旅行で極端にエスカレートした。宿泊先でのお風呂は、律にとって最も恐ろしい時間帯だった。男子たちが集まる浴場で、転校生としての疎外

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   勝負の日

    遂にその日がやってきた。冬休みが終わりを迎えようとする中、蒼人の部屋に緊張感が漂っていた。朝早く、空からメールが届き、「今日、部屋にいてほしい。重要な話がある」と短く書かれていた。蒼人はその言葉に胸がざわつき、ソファに座って時間を待った。30分後、ドアがノックされ、空と律が部屋に入ってきた。空は蒼人からもらったペアルックのセーターを着ており、青と白のストライプが彼の落ち着いた雰囲気を引き立てていた。一方、律はモノの形が分かるほどパツパツのズボンを履いており、勝負前からモノがビンビンでズボンから主張していた。その大胆さが部屋の空気を一変させた。蒼人は二人の姿に目を奪われ、言葉を失った。 「アオ:(ソラ…ペアルックを着てくれて…嬉しい。でも、律のそのズボン…もう硬くなってる!?)」 空が口を開いた。「アオ、律と勝負することにした。君を巡って、1人ずつ勝負して、どっちが君を気持ちよくさせられるかで決める。最後に君が選んでくれ」 律がニヤリと笑い、続けた。「そうだよ、蒼人。俺が君を気持ちよくさせれることを証明するよ」 蒼人は驚きで立ち尽くしたが、心の奥では期待と戸惑いが交錯していた。 「アオ:(1人ずつ? 気持ちよくさせるって…どういうこと? ソラも律も…本気なんだ)」 勝負が始まり、先攻は空がになった。空は蒼人に近づき、優しく肩に手を置いた。ペアルックの袖から伸びる手が、蒼人の首筋を撫で、温かい感触が体を包んだ。そして、ズボンを下ろすと、蒼人のモノの根元にちょろっと生えた産毛に気づいた。 「ソラ:アオ…ここに産毛が。成長してるんだね。俺が君を愛してるって、感じてほしい」 蒼人は顔を赤らめ、恥ずかしさで目を逸らした。 「アオ:(ソラに見られた…恥ずかしいけど、優しい声が…)」 空の手は優しく、蒼人の胸を撫で、シャツの下に滑り込み、肌を温めた。その後、産毛の生えた部分に指を這わせ、ゆっくりとモノに触れた。軽く握り、上下に動かすと、蒼人の体が震え、息が荒くなった。蒼人の手も自然と空のモノに伸び、ペアルック越しに硬くなった感触を確かめた。

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