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第32話(18)

작가: 北川とも
last update 게시일: 2026-05-27 20:00:16

 御堂に関して、賢吾と電話で話した。

 別に、御堂が言っていたことは本当なのか確かめたかったわけではなく、ただ、御堂が話してくれなかったことについて、知りたかったのだ。特に、第一遊撃隊隊長という地位について。

 賢吾と話しながら、和彦は思い出したことがある。梅雨が明ける前の頃に起きた、英俊と会うことになってからの、一連の騒動だ。

 総和会の隠れ家で南郷とともに過ごしたあと、本部に賢吾が迎えにきてくれたのだが、同じ屋根の下に守光がいる状況で激しく求め合う最中、その賢吾が物騒なことを言っていた。

 総和会会長と第二遊撃隊隊長に対して、ささやかな嫌がらせを仕掛けた、と。

 御堂と顔を合わせたときの南郷の剣幕を思い返すと、〈嫌がらせ〉という表現が符合する気がした。御堂自身、賢吾に唆されて、嫌がらせをしたくなったと言っていたぐらいだ。賢吾と御堂の間で、策略――というほど露骨でないにせよ、何かしら共通認識があるのかもしれない。

 賢吾は、今の総和会の中で、第一遊
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  • 血と束縛と   第33話(5)

     和彦の異変に気づいた二神が気遣わしげに眉をひそめる。それが申し訳なくて、ますます動揺しそうになったところで、すぐ側までやってきた御堂にそっと肩を抱かれた。「佐伯くん、これから時間はあるかな」「えっ……、あっ、はい。ぼくは予定はないので、大丈夫です」 御堂はわずかに目を細めてから、指先で二神を呼び、何事か耳打ちした。 和彦の見ている前で素早く打ち合わせを終えてしまうと、状況がよく呑み込めないまま和彦は、持っていたバッグを、御堂が伴っていた隊員らしき男に預けた。それから、御堂と二人で車に乗り込む。運転はもちろん、二神だ。 今日も御堂の護衛は厳重で、和彦たちが乗った車が走り出すと、ぴたりと背後から、もう一台の車がついてくる。 振り返ってそれを確認した和彦は、緊張しつつシートに身を預ける。自分がついてきてよかったのだろうかと、いまさらながら戸惑っていた。「……御堂さんは、何か用があったんじゃないですか?」 おずおずと問いかけた和彦に対して、隣に座っている御堂が意味ありげな流し目を寄越してくる。「用というほどのものではないよ。うちの隊は、法要の警備には加わらないからね。ひとまず夏の間に、隊としてきちんと体裁を整えて動けるよういろいろ準備をしているけど、動くのは、隊員や清道会の人間だ。隊長のわたしはこの通り、のんびりしたものだ」「清道会……」 綾瀬の顔と、低くしわがれた声を思い出し、つい視線を伏せる。生々しい光景が脳裡に蘇りそうになったが、御堂からの問いかけで意識を引き戻された。「――佐伯くんは、行くんだろう?」「あっ……、はい。いえ、法要のほうではなく、近くの宿まで。長嶺会長や千尋に誘われたんです。宿でゆっくりしていればいいと言われていますが、本当にそうできるかどうか……」「長嶺の男たちのお守は大変だろう」 迂闊に返事もできず和彦が口ごもると、御堂は軽やかな笑い声を洩らした。「素直な反応だなあ」「……相

  • 血と束縛と   第33話(4)

     走り出した車の後部座席で、普段より多い人や車の流れを眺める。せっかくの夏休みを、家族や友人、恋人と過ごす人は多いのだろうなと考えてから、我が身を振り返る。知らず知らずのうちに苦笑が洩れていた。 自分のことを〈オンナ〉にしている男たちのことを、世間ではどう呼ぶのだろうかと、少しだけ皮肉っぽく、そして自虐的に考えてみた。だからといって和彦は、長嶺の男を憎んだり、恨んでいるわけではない。執着され、庇護されるということは、一種の麻薬だ。苦しい反面、とても心地いいし、安堵感すら覚えるようになる。 まるで夏の陽射しだ――。  和彦はウィンドーに顔を寄せ、食い入るように外を見つめる。残念ながらスモークフィルム越しでは、どんなに強烈な陽射しも遮られてしまう。 ふと和彦は、ほんの数日前に味わった汗ばむほど熱い抱擁を思い出し、次に、こう心の中で呟いていた。 鷹津は今ごろ、何をしているだろうか、と。 ハッと我に返り、シートの上で身じろぐ。鷹津のことを気にかけた自分に驚いていた。 番犬として刑事の鷹津を利用し、必要に応じて体を与えるうちに情を通わせるようにはなっていたが、それでも離れてしまえば、心の隅に収納できるだけの冷静さ――分別があった。しかし今の和彦は、ごく自然に、まるで長嶺の男たちを想うように、鷹津を想った。〈オンナ〉という言葉の威力だろうかと、和彦は密かに慄然とする。鷹津とのやり取りが、いまさらながら耳元に蘇っていた。 マンションから本部に向かう途中、こまごまとした買い物を済ませるつもりだったが、そんな気分ではなくなっていた。 黙り込んだままの和彦を乗せ、 車は静かに総和会本部のアプローチを通り、駐車場へと入る。いつもより停まっている車の数が多いのは、明日の法要と関係があるのかもしれない。準備や警備などのため、今日出発する関係者もいるだろう。 ドアが開けられ、車を降りた和彦の傍らから、すかさず手が差し出される。「バッグをお持ちします」「いえ、大丈夫です。重くないですから」 何か言いたげな顔の護衛に対して、和彦は微笑で返す。そのまま歩き出したが、すぐにある光景が視界に入り、結局足を止めていた。 車

  • 血と束縛と   第33話(3)

     それでも、鷹津とのことを知られるわけにはいかなかった。当然、自分から口にするはずもない。 保身のためもあるが、自分のせいで鷹津が何かを失うのは、やはり嫌なのだ。「……何かあった?」 囁きながら千尋がもう一度唇を重ねてくる。和彦は、茶色の髪を優しく指で梳いた。「何も、と言いたいところだが、ここにいると、いろいろあるから……」 千尋の眼差しがスッと鋭さを帯びる。その変化を目の当たりにして和彦はドキリとした。「千尋?」「先生から目を離すと、危ないんだよな。自覚なく、性質の悪い男を引き寄せて、骨抜きにするから。――もしかして最近は、自覚があったりして」 口調は冗談っぽくありながら、千尋の表情は真剣だった。こういうときの千尋は、厄介だ。次の行動が予測できず、とんでもない暴走をしそうなのだ。 和彦の奔放さに対して、嫉妬や独占欲とのつき合い方は上手いと話す千尋は、事実、年齢に見合わない寛大さを示しているといえる。一方で、何かの拍子に激しい感情を発露させることもあるのだ。そうやって千尋は、荒々しい感情のバランスを取っている。とても危うく。 それを受け止めることは、自分の役割であり、義務ですらあると和彦は考えていた。「自覚があったら、ぼくを嫌いになるか?」「悪いオンナ、っていう自覚か……。エロい響き」 バカ、と一言呟いた和彦は、千尋の頭を軽く小突く。すぐに手を引こうとしたが、その手を千尋に掴まれた。子供が甘えてくるように額と額を合わせてきたかと思うと、頬ずりをされ、首筋に顔が寄せられる。肌に触れる息遣いがくすぐったくて、和彦は小さく笑い声を洩らした。「子犬にじゃれつかれているみたいだ」「子犬?」「……別に、可愛いという意味で言ったんじゃないからな」 和彦が念を押すと、千尋が唇を尖らせる。あざといほど子供っぽい仕種だが、和彦には効果的だと、千尋はよくわかっているのだろう。「悪いオンナの周りには、食えない大人の男ばかりだからね。――こういうのも新鮮だろ?」

  • 血と束縛と   第33話(2)

    「だってさあ、俺、せっかくの夏なのに、夏らしいこと何もしてないんだよ? 去年もそれなりに忙しかったけど、今年ほどじゃなかった。だからせめて、こういうときぐらい、楽しむとまではいかなくても、ゆっくりしたいなあ、って」「意地悪を言うつもりはないが、ゆっくりしたいなら、ぼくが行かなくてもできるだろ」「――長嶺の男たちが一堂に会するのに、あんたがいなくてどうする」 突然、二人の会話に割って入ったのは、いつからそこにいたのか、開いた襖の傍らに立った守光だった。入っていいかと問われて頷くと、守光が二人の傍らに座る。このとき、畳んだ服の山にちらりと視線が向けられ、和彦はさりげなく自分の背後に隠す。「すみません、片付けている途中だったもので……」「この部屋も、ずいぶんあんたの私物が増えた。どうにかしないとな」「クリニックが休みに入ったら、少しマンションに持ち帰ろうかと思っています」「いや、そういうことではなくて――……、まあ、今はそのことはいい。法要のことだ」 守光にひたと見つめられ、和彦は背筋を伸ばす。すると守光が、淡い笑みをこぼした。「堅苦しい話をするわけではないんだ。楽にしてくれないか、先生」「あっ、はい……」 そう言われて、和彦は肩からわずかに力を抜く。「先日、あんたが名簿を見たときに言っただろう。ちょっとした行事があると。それが、総和会が毎回執り行っている初代の法要だ。花見会は、世代を超えた交流会のような側面があるが、法要はあくまで内輪の集まり。花見会のように華やかな行事にはならん。形式にそって粛々と進むだけだ」 淡々とした口調でここまで話した守光が、次の瞬間、ニヤリと笑った。食えない笑い顔は、雰囲気が賢吾とよく似ている。「総和会として大事なのは法要だが、長嶺組……長嶺の家にとって大事なのは、そのあとだ」「あと、ですか?」「宿を移して、ささやかに休養をとる。今は、わしや賢吾だけじゃなく、長嶺の男として千尋もがんばってくれたからな。家族旅行のようなものだ」 

  • 血と束縛と   第33話(1)

     畳んだ自分の服を抱え、和彦は小さく唸り声を洩らす。守光から与えられている客間は、すっかりもう和彦の自室という様相だ。 自宅マンションから必要に応じて服などを持ってきてもらっているためだが、客人らしく、遠慮しつつ部屋を使っているつもりだったのだ。なのに昨日、これを使ってくださいと、とうとう衣類用の収納ケースが客間に運び込まれてしまった。 勘繰りたくはないが、『和彦のために』と言いながら、これから本格的に家具が配置されていくのではないかと、つい身構えてしまう。「……少し、マンションに持って帰ろうかな……」 せっかくクリニックが休みになるのだし、と声に出さずに続ける。 世間はいよいよ、盆休みに突入する。多忙な生活を送っている和彦としては、堂々とクリニックを閉められる行事は歓迎したいところだが、ゆっくりできると素直に喜べるほど能天気ではない。これまでの経験で、休日を自由に過ごせた試しがないのだ。 明日から約一週間、クリニックを閉めることになるが、どれぐらい休日として過ごせるだろうかと、すでにもう戦々恐々としている。 できることならマンションに戻り、のんびりと寛ぎたいところだが、そういう希望すら、まだ守光に切り出せないでいた。 一人になりたいと思いつつ、一人になるのが少し怖いという気持ちも和彦にはあった。 数日前の鷹津との狂おしい行為を思い返した途端、胸の奥が妖しくざわつく。鷹津の腕の中で肉欲の獣に成り果てたときの高揚感は忘れ難い。同時に、鷹津の強引さに屈服させられた自身の浅ましさを、痛感もさせられる。 鷹津との間にあったことを誰かに知られたらと考えると、寒気がする。賢吾にもさんざん指摘されてきたが、和彦は隠し事には向かない性格だ。特に、特別な関係を持つ男のことについては。 長嶺の男は怖い――と、心の中でひっそりと呟いたとき、客間の外で騒々しい足音が聞こえてくる。和彦が知る限り、こんなににぎやかな気配を立てる人間は一人しかいない。ぎょっとすると同時に襖が開き、慌しく千尋が飛び込んできた。「――先生、海に行こうっ」 夏休みを待ちわびていた小学生かと思いつつ、和彦

  • 血と束縛と   第32話(33)

     早く体を離さなければと危機感を抱きながらも、心の大部分では、今味わっている心地よさを手放せないでいた。それは鷹津も同じらしく、再び緩やかに腰を揺らし始めたかと思うと、内奥に収まっている欲望が熱さと硬さを取り戻していく。まだ、興奮しているのだ。「あぁ――……」 和彦が吐息をこぼすと、鷹津がわずかに唇を緩めた。「まだ俺を、欲しがってるな。お前の尻がいやらしく吸い付いて、締まりまくっている。俺のオンナになれて、そんなに嬉しいか」「……うる、さい……」 内奥深くをぐうっと突き上げられて、喉を反らして尾を引く悦びの声を上げる。露わになった和彦の首筋を舐め上げて、鷹津が囁いてきた。「もう一度犯してやる。俺の汗と精液の匂いがこびりつくほど、たっぷりとな」 和彦が感じたのは恐怖でも嫌悪でもなく、狂おしい肉欲の疼きだった。すでに二度も精を放ったというのに、熱いものが出口を求めて、体の奥でドロドロと渦巻いている。 鷹津の舌先に胸の突起を転がされ、激しく濡れた音を立てて吸われてから、歯を立てられる。痕跡を残すなと、もう言えなかった。 蕩けた和彦を見下ろして、鷹津が真剣な表情で肌にてのひらを這わせてくる。〈オンナ〉となった和彦の存在を確かめるかのような手つきに、鷹津が変わったのか、自分が変わったのか、和彦はひどく感じてしまう。「あっ、やめっ――」 力を失った欲望をてのひらに包み込まれ、上擦った声を洩らす。「今の乱れっぷりなら、空になるほど精液を搾り取れそうだな」 淫らで物騒なことを呟きながら、鷹津の手が柔らかな膨らみにかかる。きつく揉みしだかれて、和彦は腰をくねらせて反応しながら、食い千切らんばかりに内奥で脈打つ欲望を締め付ける。すがるように鷹津を見上げると、どこか恍惚としたような笑みを向けられた。「……忌々しいほど、いいオンナだ。お前は。わかっていても、骨抜きになる。……クソむかつく」 次の瞬間、内奥から欲望が引き抜かれ、和彦の体は乱暴にうつ伏せにされて腰を抱え上げ

  • 血と束縛と   第1話(11)

     和彦の内奥を的確に指と道具で犯す男の背後に立ったのは、高そうなダブルのスーツをこれ以上なく見事に着こなした中年の男だった。四十代半ばぐらいだろうが、一目見て圧倒される存在感を持っていた。  全身から漂う空気は剣呑としており、それでいて威嚇するような攻撃的なものではなく、ただ静かな凄みを放っている。衰えを知らないような厚みのある体つきに相応しいといえた。何より、彫像のように表情が動かない顔は、冷徹そのものではあるが、端整だ。  だが、容貌はさほど重要ではない。男が持つ独特の鋭さや冷ややかさ、年齢を重ねているだけでは醸せない落ち着きが、男の存在自体を圧倒的なものにしてい

    last update최신 업데이트 : 2026-03-17
  • 血と束縛と   第1話(31)

    「お前、一体、これ……」  こんなものを見たうえで、それでもなお声をかけてくるのは澤村の優しさだろう。しかし今の和彦は、答えられなかった。答えたくなかった。自分が、ヤクザに拉致された挙げ句に辱められ、そのときの様子をビデオカメラで撮影されたなど。  この場で頭を抱えてうずくまりたいところをなんとか踏みとどまる。これ以上の醜態を晒せるわけがなかった。 「――……悪い、今日のぼくの手術は、全部キャンセルにしてくれ……。いや、この先の手術も、全部……」 「おいっ、佐伯、大丈夫かっ?」  澤村の制止を振りきった和彦は、ふらつく足取りで医局を出る。

    last update최신 업데이트 : 2026-03-17
  • 血と束縛と   第1話(28)

    「おもちゃで遊ばれている姿を見ながら感じていたが、お前がつき合ってきた男は、きちんとここを開発してくれていたようだな」  喉を反らして感じる和彦に対して、賢吾は容赦なく内奥の浅い部分を攻め立てながら、汗ばんだ胸元を舐め上げてくる。生理的な反応から涙を滲ませながら、和彦は緩く首を左右に振る。このときまた、三田村と目が合っていた。  同性と体を重ねる以外で、特殊な性癖は持ち合わせていないつもりの和彦だが、このときから自信がなくなる。見られることが、もう一つの愛撫になっているようだった。 「こっちを見ろ」  賢吾に言われ、反射的に従ってしまう。す

    last update최신 업데이트 : 2026-03-17
  • 血と束縛と   第1話(15)

    ** 自分の車に千尋を乗せて和彦が向かったのは、繁華街の中にある、飲食店ばかりが入った雑居ビルだった。とにかく人目を避け、なおかつ人に紛れ込みたかったのだ。これだけ飲食店があれば、仮に尾行がついていたとしても、二人の姿を容易に見つけ出せないはずだ。  もっとも、千尋と二人きりになった時点でアウトな気もするが、肝心の千尋が和彦から離れないのだから仕方ない。  混み合うエレベーターを途中で降り、階段を使って上がる。入ったのは、個室が使える居酒屋だった。すでに盛り上がっているグループやカップルを横目に、二人は黙り込んだまま個室に案内してもらう

    last update최신 업데이트 : 2026-03-17
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