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第43話(25)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-08-15 14:00:20

 内奥から道具が引き抜かれ、代わって指が挿入される。解れ具合を確かめるように、すっかり発情した襞と粘膜を撫で回されたあと、守光が小声で何事か呟く。和彦に話しかけたようでもあり、独り言のようでもあったが、ふと感じた違和感は、砂糖菓子のように淡く溶けていた。

 言われるまま和彦は仰向けとなり、両足を自ら広げて守光を迎え入れる。

 内奥に押し入ってくる熱や、全身で感じる重みに、ようやく肉で繋がっているのだと実感する。明け透けではあるが、そうとしか表現できなかった。

 一息に内奥深くまで刺し貫かれて、一度、二度と突き上げられる。和彦は体をくねらせながら、抱えられた両足を揺らす。反り返った欲望をてのひらに包み込まれ、穏やかな律動に合わせて扱かれると、悦びの声が溢れ出すのはあっという間だった。

「気持ちいいかね、先生?」

 耳元で守光に囁かれ、こくりと頷く。そのまま耳朶に唇が這わされ、舌で舐られたあと、じわりと歯が立てられる。甘い痛みに無反応ではいられず、道具によって広げられた内奥が淫らな蠕動を始めていた。

 乱れる一方の和彦とは対
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    **** 土日はたっぷりと賢吾と怠惰に過ごした。もともと和彦は予定がなかったし、賢吾も仕事をする気はなかったということで、ある意味二人とも気合いが入ったのだ。 買い込んでいた食料とアルコールを消費しつつ、ときおり情欲に身を任せ、それ以外では買い込んだ本を読んだり、他愛ない会話をしたり。スマートフォンの電源も切っておいたので、どこからも連絡は入らず、部屋に直接やって来る人間もいなかった。おそらく賢吾が、組員によほど太い釘を刺しておいたのだとは思うが、和彦もあえて指摘はしなかった。 日曜の夜にようやく部屋を出ようかというところで、賢吾がさっぱりした口調で放った言葉を思い返す。『――決めた。この部屋は手放す』 帰りの車中で賢吾は、こう結論を出すに至った心情を語った。部屋を手放す踏ん切りや理由が必要だったが、所有していて差し障りがあるわけでもなく、なんとなくここまで来てしまったのだ。それが、和彦と部屋で過ごしたことで、ようやく背を押された気持ちになったのだという。欲しがるなら千尋に譲ってもいいとは言っていたが、幼少期からの数年間、週に一、二度過ごしていたときとは様相が一変した部屋に、果たして千尋自身が愛着を持っているのか、父親である賢吾にも疑問らしい。 反抗期の証だったというなら、別に所有したままでもいいのではないかと、和彦は率直に疑問をぶつけてもみたが、賢吾はニヤリと笑ってこう言った。『何より手がかかって、目が離せないものが側に在るからな。できるうちに身軽にしておかねーと』 これを賢吾の薄情さから出た言葉だとは、和彦は思わない。長嶺組と共にあるために、何かしらを削ぎ落とし続けてきたであろう男にとって、あの部屋は組の外に存在しているものとして必要――というより、ただ在り続けたものなのかもしれない。在り続けるから、反抗期の証などというもっともらしい理由を与えたのか。 そして今度は和彦が、賢吾の側に在り続けることになる。さまざまな経験や思い出を積み重ねながら。 意識しないまま口元が緩みそうになり、マスクの下でぐっと唇を引き結ぶ。酷薄そうな見た目に反して情が深い大蛇の化身のような男を想って、にやついている

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