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親友に養生ごはんを作った夫は許しを乞った
親友に養生ごはんを作った夫は許しを乞った
Author: 憂いなし

第1話

Author: 憂いなし
冬に入り、気温が下がった。妊娠8か月の私は風邪をひいてしまったが、薬は飲めず、無理をして過ごしていた。

すると、隣にいる夫の雨宮修之(あまみや しゅうじ)がスマホを手に、風邪を追い払う養生レシピを調べているのが目に入った。

私はとても感動し、今まで料理をしたことのない修之からのサプライズをひそかに待っていた。

ところが夜になって、親友である柳井美遥(やない みはる)のSNSで、彼女が出来上がった養生ごはんを自慢しているのを見てしまった。

【風邪をひいて熱があるけど、薬は飲みたくなかったの。そこで、ひと眠りしたら、誰かさんが養生ごはんを作ってくれたわ。ぽかぽかで一気に楽になった】

私は胸の中の疑念を抑え、ただの偶然だと思い込もうとした。

しかし、写真に何気なく写り込んだ手を見た瞬間、私は固まった。

人差し指にはめられていた指輪は、間違いなく修之の結婚指輪だ。

鼻の奥がつんと痛み、私は必死に堪えていた涙がこぼれ落ちた。

全身が震えるほど冷たく、それが風邪のせいなのか、心が冷え切ったせいなのか分からなかった。

視界がにじんだまま、ベッドの上の男を見つめた。

やがて空が白み始め、修之が目を覚まし、私に向かって優しく微笑んだ。

「どうしたんだ?今日は早起きだね、寧々(ねね)」

私は俯いて涙を拭い、低い声で答えた。

「眠れなかったの」

「体調が悪いから?

ごめんね、寧々。全部俺のせいだ。妊娠させたせいで、病気になっても無理して耐えるしかなかったんだ」

彼はとても慎重に私を抱き寄せた。

「最近、養生用の料理を研究してるんだ。今度作ってあげるよ」

彼の目には、まるで私しか映っていないかのようだった。

その心がいつの間にか他の女に惹かれたなんて、誰が想像できただろう。

彼は私のだるくなった足を揉み、私が朝食を食べ終えるのを見届けてから、名残惜しそうに出勤していった。

彼が出て行くとすぐ、私はスマホを手に取り、ツイッターを開いた。

サブアカウントを登録し、美遥のアカウントをフォローした。

私をブロックした投稿の中で、私はこれまで知らなかった修之の姿を見た。

食欲がない美遥に、彼は工夫を凝らして彼女を喜ばせていた。

美遥が病気になると、彼は丹念に養生ごはんを用意していた。

その瞬間、私は息が詰まるほどの痛みに襲われ、呼吸さえままならなくなった。

写真の中で男が腕を振るっているキッチンは、私自身が設計し施工まで手がけた場所だ。

私は大学で建築設計を専攻しており、親友の美遥が家を買ったときも、設計はすべて私に任せてくれた。

彼女はわざわざ私のために一つの部屋空けてくれていた。

感動した私は、手元のプロジェクトをすべて断って、彼女のために完璧な部屋を設計することだけに専念した。

だが、まさか自分の手で設計した部屋が、彼女と修之の愛の巣になるとは思いもしなかった。

皮肉なことに、私は今になって初めて、修之の料理の腕がこんなにも良いと知ったのだ。

美遥と修之は、今では同じ会社で働いている。

その会社は、もともと私と美遥が一緒に立ち上げたものだった。

ただ、結婚後に私が次第に表舞台から退き、経営はすべて修之に任せるようになった。

私は彼らを疑ったことなど、一度もなかった。

それなのに今、彼らは私の知らない場所で私を裏切っていた。

私は画面を素早くスクロールし、3か月前の投稿を見つけた。

【この映える料理、一番好きよ。愛しい人に感謝】

私は修之と知り合って10年になるが、彼は現実的な人で、いわゆる映える料理にはいつも興味がなかった。

「飯はうまくて腹が満たされればそれでいい。そんなに見た目に凝ってどうするんだ」

丸1年、美遥のツイッターは一日も欠かさず更新されていた。

胸の痛みを堪えながら、私は一つ一つ読み進めた。

そして4か月前の投稿の下にある一つのコメントを目にした。

【すでに障害を越えてお前と一緒になると決めていたのに、それでも一歩遅かった】

コメントのIDはシステム既定の数字だったが、私は胸騒ぎを抑えきれず、痛みに耐えながらそれをタップした。

やはり修之だった。

私は少しも驚かなかった。

4か月前、私は妊娠が分かり、喜んで二人に報告したばかりだった。

そしてその日、美遥のサブアカウントがツイッターを更新していた。

【彼らは私がこの一生で最も愛した二人。二人が幸せなら、それでいい】

文末には号泣するスタンプが添えられていた。

私は今でも彼女にとって一番愛する存在だったのだろうか?

私は自嘲気味に笑った。

彼女はあの日、何を考えていたのだろう。

私の妊娠を喜んでいたのか。

それとも、愛する人が別の女性を妊娠させたことに苦しんでいたのか。

私は取り憑かれたように彼女の投稿を読み漁った。

互いを想い合い、遠回しに愛と後悔を綴る二人の姿を見ていた。

彼らは肉体関係がなかったのかもしれないが、どの投稿も鈍い刃のように、私の心臓を容赦なく切り裂いた。

修之が仕事を終えて帰宅すると、目の前には、目を真っ赤に腫らし、虚ろな表情で床に座り込む私の姿があった。
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