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第145話

Author: ドドポ
もう澪の誕生日ではない。

「澪、スタジオを開いたなら、お前も経営者だ。あの原石で勉強させてやったと思え。

ビジネスの世界に早い者勝ちも、公平も、道理もない。あるのは殺し合いだけだ。甘い夢を見るな」

洵の声はいつもの冷徹さに戻っていた。

窓を閉め切った車内で、澪はスマホを握りしめ、指先まで冷え切っていた。

「それに、埋め合わせはやっただろう」

洵はそう言い捨て、電話を切った。

最後の「埋め合わせ」という言葉で、澪は一気に目が覚めた――

洵があれほどの手間をかけて誕生日を祝ったのは、祖父の圧力でもなければ、過去を思い出したからでもない。

自分が目をつけていた原石を奪ったからだ。

千雪のために。

「埋め合わせ……」

澪はハンドルを強く握りしめ、手の甲に血管が浮き上がった。

綾川市、バー・ストリート。

航が個室から出てきた時、まさかここで澪に会うとは思わなかった。

澪はひどく酔っ払っており、意識がないようだった。

ソファではなくテーブルに突っ伏していたから気づいたものの、そうでなければ見過ごしていただろう。

洵に電話しようかという考えが頭をよぎった。

「俺も
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