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第68話

Penulis: ドドポ
澪は呆気にとられた。

まさか会社で私的な話をされるとは思わなかった。

「私たちはもう……」

「まだ離婚していない。それに、土曜日が何の日か忘れたとは言わせないぞ」

洵は顔も上げずに言った。

土曜日が何の日か、もちろん覚えている――

祖父の七十歳の誕生日だ。

洵に言われなくとも意味は分かる。

祖父の誕生日には、昔の友人が集まる。そして彼らがこぞって絶賛するのが、自分の手料理なのだ。

「わかった」

厳のためなら澪が断らないと分かっていた洵は、満足げに微笑んだ。

「以上だ。下がっていい」

澪は社長室を出た。

席に戻っても、複雑な気持ちは晴れなかった。

離婚を決意したはずなのに、洵からも、篠原家からも逃れられない。

金曜の夜、退社後すぐに澪は篠原家の本家へ向かう準備をした。

祖父の古希の祝いだ。篠原家にとっても、自分にとっても重要な日だ。

昼休みにメニューを考え、明日の朝市で買う必要のない食材は、退社後に大型スーパーで買い込んだ。

両手に大きな買い物袋を提げ、道端でタクシーを待っていると、黒の高級車が目の前に止まった。

窓が下がり、予想通り洵の顔が見えた。
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辛子明太子
本当に関係を断ち切りたいなら、タクシー使わないと!以前みたいに気分次第で乗るなとか言われたら困らない?一緒の空間に二人きりなんて息がつまるわ!
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