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第4章:1

Author: 社菘
last update Last Updated: 2025-07-22 18:00:48

グラシアル王国の使節団が到着する朝、ロレインは普段より早く目が覚めた。窓の外はまだ薄暗く、明け方の静寂が城内を包んでいる。昨夜シルヴァンと二人で最終的な準備を確認したものの、やはり緊張で眠りが浅かったのだ。

「ロレイン様、お目覚めですか?」

フィオナの声がドアの向こうから聞こえる。彼女もいつもより早く起きて、今日の重要な一日に備えていたのだろう。

「ああ、起きてるよ。入ってくれ」

部屋に入ってきたフィオナの表情は、いつもより緊張しているように見えた。今日はグラシアル王国の使節団を迎える公式行事があり、ロレインは『リリア皇后』として完璧に振る舞わなければならない。

「今日はいつも以上に注目を集めることになりますね。お気をつけください」

フィオナが選んでくれたのは、深い青色の格調高いドレスだった。グラシアル王国の国旗にも使われている色で、相手国への敬意を示す意味も込められている。

「昨夜、陛下とお話しされた内容は……」

フィオナが遠慮がちに尋ねる。シルヴァンがロレインの正体を知ったことは、まだフィオナやジェイクには詳しく説明していなかった。

「心配しなくて大丈夫。陛下はとても理解のある方だった」

ロレインの言葉に、フィオナは安堵の表情を浮かべた。

「それは良かった……。では、お支度を始めましょう」

フィオナの手によって丁寧に身支度を整えられながら、ロレインは今日の流れを頭の中で復習していた。午前中にグラシアル王国使節団の到着式典、午後には歓迎宴、そして明日から本格的な三者会談が始まる。

「ロレイン様、お忘れ物はございませんか?」

鏡に映る自分を見つめながら、ロレインは最後の確認をした。シルヴァンからプレゼントされたピンクダイヤのネックレスが胸元で上品に輝いている。髪は緩やかに巻き上げられ、小さな青い花飾りがアクセントになっていた。

「大丈夫、ありがとう。フィオナ、今日は君も緊張してるだろうけど、いつも通りで頼むよ」

「はい。きっと上手くいきます」

部屋

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