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第174話

Auteur: タロイモ団子
望美の頬から笑みが消え、その表情は凍りついた。瑠璃色の瞳に、隠しようのない動揺が走る。

――成哉さんが、どうしてここに……!?

望美は、驚きを微塵も見せない紬の泰然とした態度に、猛然たる憎悪を込めた視線を向けた。

――この女……!仕組んだのね!

望美は密かに奥歯を噛み締め、伏せられた瞳に涙を溜め始めた。

成哉と共に姿を現した雅美が、ここぞとばかりに追い打ちをかける。

「成哉さん、もう説明なんて不要だわ!奥さんをずっと苦しめ続けていたのは、他でもないこの女だったのよ!

あなたの家庭が崩壊したのも、すべてはこの女の仕業。なんて陰険な女かしら!あなたの見ていないところで、奥様にこれほど残酷な仕打ちをしていたなんて!」

「敵の敵は味方」――雅美は凛花と親交があり、望美ともそれなりに付き合いを続けてきた。だが、この千載一遇の好機を逃すほど、彼女はお人好しではない。

望美がこれほどの決定的な尻尾を出したのだ、むしろ紬に感謝すべきだとさえ思えた。

雅美にしてみれば、口先だけで能のない紬よりも、聖女の面皮を被り裏で立ち回る望美のような「したたかな女」こそ、最も警戒すべき毒婦だったか
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