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第408話

Autor: タロイモ団子
「ほう……?詳しく聞かせてちょうだい」

美咲も興味をそそられたようだ。

事情を知る数人が、顔を見合わせて笑みを交わした。

ことの起こりは、E国旅行の後。レイは剛の兄と手を組み、彼が長年裏で重ねてきた悪事の証拠を、一斉に明るみに出したのだ。

そもそも剛の一家が財を成した経緯も、決して清廉なものとは言えなかった。

剛の祖父はここ数年、子孫が法に触れる一線を越えることを固く禁じ、一族に纏わりつく負のイメージを拭い去ろうと躍起になっていた。

今回の件が明るみに出たことで、剛が家督を継ぐ道は完全に絶たれた。

将来相続するはずだった株式も、今や雀の涙ほどに減じられてしまった。

そしてレイは、剛が失意のどん底にいる、まさにその時を見計らって別れを切り出したのだ。

表向きはまだ西園寺家の次男坊であったが、名義上の会社の管理権はすべて剥奪され、剛はもはや抜け殻同然の存在となっていた。

「いい気味だわ。あいつは昔から、人として最低なことばかりしてきたもの。すべて自業自得よ」

美咲は自身のお腹にそっと手を当て、胸のつかえが下りたような晴れやかな表情で言った。

レイは笑みを浮かべ、手酌
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    「ほう……?詳しく聞かせてちょうだい」美咲も興味をそそられたようだ。事情を知る数人が、顔を見合わせて笑みを交わした。ことの起こりは、E国旅行の後。レイは剛の兄と手を組み、彼が長年裏で重ねてきた悪事の証拠を、一斉に明るみに出したのだ。そもそも剛の一家が財を成した経緯も、決して清廉なものとは言えなかった。剛の祖父はここ数年、子孫が法に触れる一線を越えることを固く禁じ、一族に纏わりつく負のイメージを拭い去ろうと躍起になっていた。今回の件が明るみに出たことで、剛が家督を継ぐ道は完全に絶たれた。将来相続するはずだった株式も、今や雀の涙ほどに減じられてしまった。そしてレイは、剛が失意のどん底にいる、まさにその時を見計らって別れを切り出したのだ。表向きはまだ西園寺家の次男坊であったが、名義上の会社の管理権はすべて剥奪され、剛はもはや抜け殻同然の存在となっていた。「いい気味だわ。あいつは昔から、人として最低なことばかりしてきたもの。すべて自業自得よ」美咲は自身のお腹にそっと手を当て、胸のつかえが下りたような晴れやかな表情で言った。レイは笑みを浮かべ、手酌でグラスに酒を満たした。「あいつ、憧れの女神である望美のご機嫌取りに励んでいたけれど、結局は袖にされて。そしたら手のひらを返したように私のところへ来て、三日三晩、望美の悪口を並べ立てていたわ」それを聞き、紬は深い感慨に包まれた。己の利益が絡めば、いかにも本物らしく見えた愛情でさえ、かくも脆く、惨めなものに成り下がるのか。今の剛は負け犬同然でありながら、いまだ望美が編み上げた幻想の中に浸っている。その夢が打ち砕かれた時、彼のような人間の抱く復讐心は、より一層激しく燃え盛るに違いない。「紬さん、お客様がお見えです」受付の女性が、ピンクの薔薇の大きな花束を抱えて駆け込んできた。「それから、南沢さんをお訪ねの方もいらっしゃいます」紬は片眉を上げ、レイと顔を見合わせた。この時間に来るような知り合いは、ほとんどこの場に揃っているはずだ。他に誰が訪ねてくるというのだろうか。二人は連れ立って表へ出た。入口に立っていたのは、しばらく顔を見ていなかった渚だった。「紬さん、久しぶりだね」以前は少し長めだった髪を短く切りそろえた渚の眉間からは、かつて

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