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第30話

Penulis: 心優(mihiro)
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-16 15:00:00

母が、

「綾、良かったじゃない!」と言う。

「うん、そうよね……お父さんは?」と聞くと、

「あ〜『ちょっと出かける』って、さっき出て行って……もうすぐ帰って来るんじゃない?」と言う。

「そう! じゃあ、部屋で荷物詰めるね」と言うと、

「うん」と、微笑んでいる。

「あ、僕もお邪魔していいですか? 手伝います」

「ええ、もちろんよ! ヤダ、遠慮なんてしないでよ。····!」と、結局また、たっくん呼びに戻ってしまう母だ。

「お婆ちゃん、ただいま〜」

「あら、綾ちゃん、お帰り〜」

匠も、

「こんにちは、お邪魔します」

「こんにちは! いらっしゃい」と、お婆ちゃんにも挨拶して、2階の私の部屋まで上がった。

私は、クローゼットからスーツケースを取り出して広げた。

「とりあえず、今必要な服よね。じゃあ、会社に着て行く服から……」

と、クローゼットに掛けてあるスーツ類をハンガーごと取り出そうとすると、

「あっ、それは、このまま手で持って行く?」と匠。

「シワにならないように、出来るなら嬉しいけど」と言うと、

「車の後ろにバーを掛けられるから、後で設置して掛けた状態で帰ろう」と、言ってくれる。

「そうなんだ! それは嬉しい! ありがとう」

「うん」

「じゃあ、スーツケースの中に入れる分ね」

と、私は、引き出し式のクリアケースを引き出す。

たたんで入れてあるニットやTシャツ、トレーナーやインナー類をそのままごっそり手に持てるだけ取り出そうとすると、匠が、

今度は、

「え?」

「ん?」

「なあ、それ全部持って行くなら、このケースごと持って行った方が良くない
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